昼頃に連行という名の処刑にあった佐藤くんは、放課後にはあっけらかんとして僕に話しかけてきた。
「大丈夫だった?」
僕は笑いを噛み締めながら佐藤くんに訪ねた。
「……………」
佐藤くんは僕をジロリと睨むと、顔を背けた。全くもって僕が悪役みたいな感じを出すのはやめてほしい。そもそも課題を出さなかった佐藤くんが悪いのだから。睨んでくる姿が子供のように見えて余計に笑ってしまう。
「そう怒るなって」
「俺のこと見捨てただろ」
見捨てたなんて人聞きが悪い。僕は自己防衛本能をフル活用して身を守っただけだと言うのに。その後も佐藤くんはムスッとしていたが、ひとまず落ち着いてくれた。僕達はゆっくりと帰路についた。
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