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「俺はお前をそういう目では見れないわ。」
あの日、君からそう伝えられた瞬間、俺の頭の中は真っ白になった。何かを言うことも、なにか行動を起こすことも、こんなこと言ってごめんとも、何も出来ないし、言えないまま、俺は君の前から姿を消した。
俺の名前はフジ。普段はゲーム実況をしていて、個人チャンネルとは別に「最終兵器俺達」略して「最俺」として活動している。
メンバーはキヨ、ヒラ、こーすけ、そして俺の4人だ。
ゲームだけでなく、実写でも馬鹿みたいに笑い合えるメンバーといる時間が俺は大好きだ。
でも、いつからだったかな。キヨのことを「特別な目」で見てしまうようになった。
……気がついたら俺は君の虜になっていた。
きっとそれは、あの日から。
「なぁキヨ。俺、ゲーム実況辞めようと思うんだ。絵とか、音楽とか、もっとほかに沢山やりたいことがあるから、もう個人活動も最俺も、辞めようと思う。」俺はキヨに繕った笑顔でそういった。でも、本当は違う。俺のメンタルがただ死んでしまっただけだった。
活動をしていれば、誰しも「死ね」や「消えろ」などの誹謗中傷を受けることは日常茶飯事だ。
そんな言葉を受け続けるうちに、俺の心は壊れかけていた。でも、メンバーに心配させたくなくて、俺は「他にやりたいことがある」と嘘をついた。
「フジ。お前、なんかあったろ」キヨが言う。俺は図星で「え、?」とでも言いたそうな顔をしてしまった。
「いや、だからお前なんかあっただろって。どう考えてもいきなり辞めるとか言い出すような奴じゃないし、どんだけ忙しくても今まで俺や視聴者を「投げ出す」なんてことしたこと無かったじゃん。何?悩みとかでもあるわけ?」キヨが真剣な声色でそう言う。やっぱり、わかるもんなんだなぁ、と思って「さすがキヨだなぁ、大正解。」と俺は言って今、自分が悩んでいることや、辛い気持ちを全て吐き出した。
キヨは、冷たいし、いつでもふざけてるし、人付き合いはあまり良くないがこうゆう時は大真面目に話を聞いてくれる。俺が話終わったあと、少しの沈黙があった後キヨが口を開いた。
「誹謗中傷って、まぁ、活動をしてる以上避けては通れないし、俺も「うるせぇ」やら「クソガキ死ね」だとか、めちゃくちゃ言われてるわ笑 でもフジ。お前、誹謗中傷なんかに負けんなよ。お前めちゃくちゃ面白いし、優しいし、メンバーとしても友達としても最高に俺はお前を好きだと思ってるぜ。クソみてぇなアンチに負けんな!!!これからも、一緒にいてくれよな。」
びっくりした。キヨがこんなふうに思ってくれてたなんて。この時、俺はキヨに救われたんだ。キヨのおかげで今の俺がいる。俺はキヨを手放したくないし、もう二度と離れたりしたくない。だって俺はキヨが大好きだから。
そして数週間後。
俺は毎日のようにキヨに少しでも好きになって貰えるように頑張った。俺は男だけど、少しでもかっこいいと思ってもらいたくてヘアケアや、ヘアセット、スキンケアは毎日欠かさずやっているし、キヨとできるだけ一緒にいるために、キヨが編集部屋にいる時は、必ず俺も編集部屋に行くようにした。
そんなある日だった。編集終わりにキヨの近くに行くと、ふわっと見知らぬいい匂いがした。そして瞬時に、これがいつものキヨの匂いでないことに気づく。気づいてしまったその瞬間、嫌な予感がした。
もしかして、キヨに彼女が出来た……?
俺はいてもたってもいられず、すぐさまキヨに「キヨ、最近匂い違くない、?香水変えたりしたの、?」と、少し濁して聞いた。するとキヨは「いや、自分では変えてないけど、久々に彼女が出来たから彼女の匂いがついちゃってるのかも。」と、俺が1番聞きたくなかった言葉を伝えてきた。その瞬間、信じられなかったし、今この瞬間が全部夢であって欲しいと本気で願った。
俺は結局、放心状態になってしまって「そう、」と一言いってすぐさまその場を去った。
好きな人に彼女ができた。
到底、俺みたいな「同性」だし、ただの友達としか思われて無い奴が勝てるわけない。
俺の恋はどうやら強制的に終わりにさせられたらしい。でもずっとキヨへの気持ちは消えずに、モヤモヤが募っていくばかりだった。
この日から、俺はキヨとまともに話せてない。
話せるわけない。話してしまったら、触れてしまったら、もっと俺はキヨを好きになってしまう。
今だって、好きって気持ちがまだあるんだ。さらに好きになったって結局は叶わないし、自分を苦しめるだけだとわかっている。
だから、これでいいんだ。キヨを避けたら、俺もキヨを忘れられるし、キヨも俺を忘れる。これでいいんだ。きっと、これがいいんだ。
今日で何ヶ月になるかなぁ。俺はあの日からキヨを徹底的に避け続けた。
さすがに、視聴者さん達に心配かけたくないから配信内では「普段どうり」を装った。でもいつからか配信内でもキヨと話すことが怖くなった。キヨは、サラッと俺を惚れさせるようなことを言う。声も、仕草も、動画内であって、俺だけに向けたものではないのに。キヨを独り占めしたい衝動にどうしても駆られてしまう。
「はぁ、」実況外では俺がキヨを避けるようになってほぼ話してないとはいえ、こうやって実況で一緒に話したり、笑ったりするだけで、どんどんキヨへの好きが大きくなっていくのを感じる。思わず俺はため息をついた。すると、「なぁ、フジ?最近またなんかあったのか?ため息なんてしてさぁ。」キヨが心配そうな声色で一旦動画を止めて話しかけてきた。些細な俺の変化に気づいてくれた、正直俺はどうしようもなく嬉しいかったし、こんなキヨが大好きだ……。と思った。同時に、彼女持ちなキヨが俺なんかにこんなに優しくするのが憎らしいと思ったし、どうせ報われないんだから俺なんか見捨ててくれよ。優しくなんてしないでくれとも思った。キヨといると、どうしたって気持ちが揺らぐ。好きだ、好きだ、と思わずにはいられなくなる。このままでは、自分の気持ちが爆発してしまいそうで、俺は配信内とか関係なくキヨを避けるようになった。
避けるようになって、2週間くらいたったある日だった。キヨから「なぁフジ。この後ちょっと時間いいか?次の最俺の企画のことで話したいことがある。」と告げられた。キヨから話があると言われて、正直俺はめちゃくちゃ嬉しかった。だけど、今はキヨといちゃいけない。ダメなんだ、
「あ、キヨ、うん。何?ここじゃダメかな、?」わざわざ、2人きりで話す必要ないだろ、?とはっきりは言わないが、言わずともキヨには俺の思ってることが伝わったらしく「いいからこい。」という言葉とともに、キヨは俺の手をグイっと引っ張った。
「ちょっと、キヨ、なんだよ。企画の話なんだろ?、こーすけやヒラには聞かれちゃ行けない内容なの、?あぁ、ドッキリとか、?ねぇ、本当に2人で話さなきゃダメなの、?」俺の目は完全に泳いでいて焦点が定まっていなかったと思う。今すぐにでもここから逃げたいと思った。
俺はキヨといればいるほど、好きになってしまう。今だって、キヨに引かれた腕が熱をおびている。ここ最近の俺は本当に変だと思う。自分でもわかっているし、こんな対応ばっかり見せる俺にキヨはイライラしているんじゃないかなぁ、と思ったりもした。案の定キヨは怒っている様子だった。そして冷たい声で「簡潔にいうわ。お前最近変だぞ。俺が何かしたか?」と俺に向かって言ってきた。
知りたいんだね。俺がなんでキヨを避けるのか。
言ったって、どうにもならないのに。
本当は俺だって避けたくなんてない。大好きなメンバーを避けるなんて、俺だって胸が痛む。
教えてよ。キヨ。キヨにそう聞かれて俺はなんて答えたら、キヨに嫌われることもなく、この場をやり切れるのか。と心の中で密かにキヨに問いかける。
好きだから、キヨといるともっともっと好きになってしまうから、それが怖くて、避けてたなんて言えるわけないよ。
好きだ。と言えてしまえたら、どれだけ楽なんだろう。言えるはずもないのに俺は想像してみた。
……そんなことをしてる場合では無い、今はキヨからの質問に答えなければ、、
少しの間沈黙があったあと、俺は「俺、そんなに対応変だったかなぁ、特に何かあったってわけじゃないしさぁ、キヨがなにかしたわけじゃないよ。」と言った。上手く笑えなかったと思う。キヨの顔見ることができず、俺は俯き顔でそうキヨにそう伝えた。するとキヨが「なんだよ。遠慮はいらねぇよ。言いたいことあるならなんでも言えよ。あぁ、あとそういえば前できたって言ってた彼女はもう別れたぞ。もしそれで、自分にいないから嫉妬して対応変えてたなら元のフジに戻れーー俺も非リアだぞ笑 」と苦笑いしながら言った。
彼女と別れた、?俺は自分でも思うが性格が悪い。好きな相手が彼女と別れたと聞いて、「安心」してしまった。それと同時に、俺もキヨの「恋人」になれる可能性があるのかという奇跡のような可能性が見えてきて俺はすごく嬉しかった。嬉しすぎて、これは夢なんじゃないかと思って俺は「そう、なの?」とキヨに問いかけた。そしてキヨから「俺が非リアじゃなくなったからって変な対応するなよー笑 フジにだっていいとこ沢山あるんだからさぁ、すぐに彼女できるよ。」と言われた。……またそうやってキヨは俺を好きにさせるようなことを言う。本人自覚あるのかなぁ……。好きな人にいいとこ沢山ある。なんて言われたら俺の心臓がもたないよ。俺の好意に気づかずこんなことをサラッと言ってくるキヨに思わず俺は「……キヨって、鈍感だよね。」と言った。キヨは明らかに意味がよくわかってなさそうな顔を見せた。そして「んじゃ、俺そろそろ行くわ。企画の話って言ってたけど、これ言いたかっただけだからさ。」と言ってキヨがこの場を後にしようとした。
居なくならないで欲しい、キヨ、ねぇキヨ、行かないで。俺の気持ちは強まりすぎていた。気がついた時には「キヨ、!!!!!!」と大きな声でキヨの名前を呼んでいた。
俺のいきなりな大きな声に、キヨはびっくりしたのか肩をびくっと震わせていた。そんな反応一つ一つでさえ、可愛くて仕方ないなと俺は思った。
びっくりしてた癖に、平然を装いながら「なんだよ笑」とキヨは俺の方にまた戻ってきた。
こんなにも可愛くて、愛おしいキヨを俺のものにしてしまいたくて俺はつい「俺、キヨのこと、」好き……。と口走りそうになったが、「こんなこと言ったら嫌われる」とギリギリのとこで俺の理性が好きだと伝えることを引き止めた。すると「なんだよ笑 気になるだろ!!笑」とキヨが言って俺の肩を軽く叩いた。その途端キヨに触れられた。という事実が肩から全身に熱を伝えていって、俺の顔はみるみる赤くなっていく。自分でも恥ずかしい、キヨにこんな顔見られたら……、、ダメだ、考えただけで恥ずかしい。
ねぇキヨ、ほんとにキヨ何がしたいの、?ボディータッチやら、ふとした時に優しい言葉をかけてきたりさぁ、
俺の事、なんだと思ってるんだろう。。
どんな関係、?やっぱり、ただの友達、?
でも、キヨも俺のことが好きだって可能性もあったりするのかな。……
その時だ。俺の口は勝手に
「ねぇキヨ、最後に1個聞かせて。」
そうキヨに向かって言っていた。
何言ってんだよ……!!!と思ったが、言ってしまった手前もう流れに任せて言ってしまえ!!!と思った俺はキヨに向けて「俺たちって、どうゆう関係?」と問いかけた。そしてキヨはすぐに
「なんだよ笑 フジらしくねぇな笑 」と苦笑した。
もう俺はキヨが回答を濁してるのを見て、早く教えてくれ。という切実な思いでいっぱいだった。「いいから、教えて。キヨは俺の事どう思ってる?どうゆう関係、?」俺は真剣な声でキヨにもう一度問いかけた。すると、少し沈黙があった後に「どう思ってるかって聞かれたら好きに決まってんだろ。関係……はメンバー?仲間?とか。」
好、き、、?キヨが俺を、?
今俺の事好きって言った、?
その言葉は俺の理性を壊すには十分すぎた。俺もキヨが好きだ。ということを伝えよう……、!と口を開いた。
「キヨと、俺、両思いだったんだね、俺、今すごく嬉しい……、ねぇキヨ、俺も大好……」俺が大好きと言いかけた時だった。俺の話を遮るように
「やめろ、俺はそうゆう意味の好きじゃねぇよ、第一、なんだよ、?フジは俺のことが好きだったのか、?」とキヨが俺に言った。
理解ができなかった。頭が真っ白になった。今は何も分からない。ただ、俺はやらかしてしまったんだな。ということだけは嫌でも伝わってきた。
そんな俺に構わずキヨは
「俺のことそうゆう目で見てたんだ。そうゆうの、無理。俺はお前のことそうゆう目では見れない。」
と今の俺の心を殺すには十分すぎる言葉を放ってきた。
そりゃそうだよね。今までずっと友達として、メンバーとして接してきた相手に恋愛感情を向けられてたと知った今、俺の事を「気持ち悪い」って思うよね。わかってたよ。なのに俺は「友情の好き」を勘違いして、自分の気持ちを全部伝えてしまった。
全部、全部、俺が悪い。
好きになってごめんなさい。
キヨを避けてごめんなさい。
想いを、全て伝えてしまってごめんなさい。
こんな俺はもうキヨと会う資格なんてないよね。
そしてあれからずっと、俺はキヨに会ってないし連絡もとっていない。
最俺メンバーとも、リア友とも、連絡をとってないしあれから1度も会ってない。
会えるような気持ちではなかった。好きな人に、あんな言葉ををかけられて、振られたんだ。そう簡単に立ち直れるわけない。でも、これも全部口走った俺が悪いんだというのはわかってる。だから、キヨではなく、俺を責める。
自分が全て悪いと思い込む。そもそも、最初から俺がいなければキヨと会うことも、好きになることも、こんなふうになることもなかったなぁ、と俺は思った。
「俺、もうここにいる意味、ないね。」ふと俺は呟いていた。
俺が居なくなれば、俺がやらかしたことも全部許してもらえるかな。キヨは、許してくれるかな、俺が死んだら、悲しんでくれるかな、悲しんで、一生俺を忘れないで欲しいな。
歪んだ愛だなぁ。と俺自身も思う。だが、それほどまでに俺はキヨを愛している。
決心がついた俺は、遺書をスマホのメモ機能に書いたあと、自宅のマンションの屋上に向かった。
靴を脱いで、上着を脱いで、
あとは、俺がここから落ちるだけ。
キヨとの「幸せだった」思い出を思い出す。
走馬灯はキヨとの思い出がいいな。
最後くらい、幸せな気持ちでいたいよ。
そんなことを考えている時だった。
キヨから1件のLINEが来た。
すぐには開く気になれなかった。だが、死ぬんだし最後くらい返信しようかなと思った俺は、キヨからのLINEを開く。すると「フジ。ごめん。俺、あの時のこと本気で悪いと思ってる。それと、俺フジに伝えたいことがあるんだ。だから、俺ともう一度、会ってくれませんか。」という謝罪の言葉が書かれているものだった。
俺は1件LINEを返信した。俺がしたことについて、最後にしっかり謝りたかった。そして、最後なんだ。あの時からキヨに大して思っていたことを全て伝えてしまおうと思った。
「キヨへ。俺、あの時早とちりしてあんなこと言って本当にごめん。俺もあの後ひとりで長い間考えたんだ。やっぱり俺が悪かった。だから、キヨが謝ることは何も無いよ。
キヨにああ言われた日。正直どうしていいか分からなかったし、こんなに拒否されると思ってなかったから結構なダメージを受けたんだ。
でも、好きだって気持ちだけは、変わらなかった。でもこの気持ちも時期に無くなるよ。
そしたら、もうキヨに拒否されなくなるし、キヨも俺との事で気まづくならなくなるし、俺の事で悩むこともなくなると思うし、これでいいと思うんだ。
キヨ、俺ね。今から━━━━━と思う。」
というメッセージとともに、俺は写真を1枚送った。そこは屋上。俺が今いるとこだ。
「死なせるわけないだろ。今から行く。」そう一言LINEがキヨから来ていたらしいが、俺はそれを見る前にスマホの電源を切っていた。
今から、俺は、ここから飛ぶんだ、
確実に落ちたら死ぬような距離だ。
俺だって人だ。そう簡単に飛び降りられるほどの勇気の持ち主ではなかった。
あぁ、最後くらいキヨに会いたかったな。
でも、もう無理だよね。
「じゃあね、キヨ。」そう独り言を言うと俺は屋上の柵をまたぐ。その時だった。
ガタン、ガタッガチャ
「フジ!!!!!!!!!!!!!!」キヨの声が聞こえた。キヨが俺のところに来た、?俺は幻聴かなぁ、と思ってドアの方を見たが、目を擦っても、そこにはやっぱりキヨがいた。
「キヨ、なんでここに、俺、もう今から……」
「うるせぇ!!!!、死なせねぇよ、!俺、フジに直接会って謝りたかったことも、伝えたかったことも沢山あるんだ、!!」
「も、もしかしてキヨ、あの時のことまだ気にしてる、?それなら俺が全部悪、」そう俺が言うと、俺の話に被せるようにして「お前が悪いわけねぇだろ!!!、何言ってんだよ、!!!全部自分のせいとか、勝手に思い込んで、俺のために死のうとするとかさ、おかしいだろ!!!!、悪いのは俺だ、フジからの好意に少しも気づけなかった。俺、男に好かれたのも初めてで、パニックになってあの時はあんな最低なことを言ってしまった。あれからフジと連絡が取れなくなって、ずっと考えてた。本当に悪いことをしたなって。同時に、フジから聞かれた内容についても、考えてみたんだ。俺あの時フジとの関係ってなんなんだろうって、上手く言えなかった。もちろん友達だし、最俺のメンバーだっていうのはわかってたけど、もっとほかに俺たち2人にふさわしい何かがあるんじゃねぇかって思ったんだよ、それで、ここ何ヶ月もずっと会いたくてでも会えなくて、フジが居ないのが辛くて、寂しくて、フジが俺にとってどんなに大切な存在だったのか実感した。そこで自分の気持ちの答えがわかったんだ。」…こんなにキヨの暖かい気持ちを感じられるなんて俺は幸せ者だ。だけど、俺とキヨとじゃ結ばれることはないんだろ?、わかってるんだよ、そう思ったが、キヨが最後に言っていた「自分の気持ちの答え」とはなんなのか、俺には理解できなく気になってしまった。俺は涙を流しながら「……、?」と理解出来ないよ、?というような顔をしてみせた。すると、思いもよらないことをキヨは言ってきた。
「フジ、俺はフジのことが好きだ。俺はフジと恋人になりたい。」
え、?また友情の好き、?でも恋人って、え、?
つまりそれは……、
「キ……、ヨ、は、俺のことが、恋愛感情で、好、き、……なの、?」俺はキヨに向かって涙まじりの掠れた声でそう問いかけた。
「あぁ、俺はフジのことが好きだ。もう一生フジを泣かせたりしない。ずっと離さない。もう絶対、1人にはさせない。」キヨが俺に向かってそう答えてくれた。夢じゃない。聞き間違えでも、俺の妄想でも無い。これは、正真正銘キヨの声であり、気持ちだ。
その後俺はずっとキヨに抱きついて離れなかった。俺は、「夢じゃないよね……」と今でも幸せすぎて信じられないなぁ。というような感情でいっぱいだ。キヨと自分が両思いなれた事実だけで、今の俺は天にも昇るような気持ちだった。キヨに抱きしめられている体が暖かい。キヨの、温もりを感じる。俺は泣き疲れてしまったのか、キヨの腕の中ですぐに寝てしまった。
どれくらい寝てしまったのだろう。真冬の空の下、屋上は冷え上がっていたがキヨといる今は 、心も体もすごく暖かかった。ちょうど目が覚めた時「可愛いやつだなぁ、これからは一生俺のフジ。」とキヨが呟いているのを聞いてしまった。俺はすかさず「えへへ、キヨは俺のだぁ〜」と言った。起きてたのか?とキヨに聞かれると、いまさっきね。と答えた。
こんなに可愛くて、優しくて、面白い、大好きな人はキヨだけだよ。
友達として、メンバーとして、そして今日からは「恋人」として、今までも、この先も俺はキヨのことがずっと、ずっと大好きだよ。
キヨ、愛してる。