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排他的経済水域 上空
航空自衛隊のE-2c偵察機は日本本土から離れた海洋の上空を飛行していた。空は雲一つない晴天で海面には、偵察機の影が映っていた。コックピットから機長が声を上げる。
機長「竹内一尉、もう少しで沖ノ鳥島上空だ。レーダーの用意とX線レーダーの用意を。」
竹内「了解。」
竹内はモニターを起動させる。
E-2c偵察機 コックピット
機長「もう少しで沖ノ鳥島上空だな……」
副機長「そうですね…ん?機長、あれ……」
機長「ん……?」
副機長が水平線に向かって指をさす。沖ノ鳥島上空と思われる海域は深い霧に閉ざされていた。
機長「なんだ……これは……真っ白じゃないか……」
副機長「機長……どうしますか…?」
機長は少し考えた後に決断を出す。
機長「X線レーダーなら霧の深さは関係ない。霧の中に侵入し捜索を開始する。」
副機長「了解。」
E-2c偵察機は、そのまま霧の中に入っていく。霧の中に入った瞬間、コックピットの前は真っ白になり視界が白に染まる。
機長「これは……思った以上だな……」
機長「竹内!レーダーはどうだ!」
竹内「ダメです!何も映りません!」
機長は眉を下げる。
機長「X線レーダーは!」
竹内「同じです!何も映りません!」
竹内のレーダーには、何も映っていなかった。その時、何もなかったレーダーに機影のような物が映る。
竹内「!!ッ機長!レーダーに感あり!機影のような物体がこちらに向かって接近してきています!」
機長「何!?こんな時に国籍不明機か!?」
竹内「いぇ!航空機にしては影が大きく、不規則な飛行をしています!」
機長「……なんだと…!竹内!基地本部に通達!本機のレーダーに未確認機あり!スクランブル発進を求む!と!」
竹内「了解!」
竹内は無線機を使って機長の指示通りに基地本部に通達を送ろうとする。しかし、無線周波が乱れ上手く通達が送れない。
竹内「ダメです!無線周波が乱れ本部に通達できません!」
機長「くそ…!こんな時に……!」
機長「回避行動をとる!竹内は引き続き未確認機の動きを確認しろ!」
機長は操縦桿を倒し回避行動を開始する。
竹内「機長!未確認機がさらに本機に向かって接近してきています!」
機長「小癪な……どうにかこの霧を抜けねば……!」
竹内「……!!機長!聞きましたか!」
機長「あぁ……なんだ今の音は……」
竹内「機長!未確認機が本機の真後ろまで接近しています!」
機長「なんだと!?」
その時、霧の中に光が入ってくる。
機長「!!ッ霧を抜けるぞ!」
E-2c偵察機は霧の中を抜け外に出てくる。コックピットの外には青空が広がっている。
機長「霧を抜けたぞ!」
その時、コックピットが暗くなる。まるで影ができたかのように。
機長「なんだ…急に薄暗く……」
竹内「機長…未確認機……本機の真上です……」
機長「な……んだと……」
E-2c偵察機の真上には、海上自衛隊の哨戒機を破壊したあの時のドラゴンがいた。ドラゴンは足の鉤爪で偵察機の主翼を破壊する。
E-2c偵察機はバランスを崩し急速に落下していく。
機長「!!!ックソ!」
機長は操縦桿を起こすが、機体は以前とものすごい速度で落下し続けている。コックピットからは急速に近ずいてくる海面が見える。
機長「……!各員!衝撃に備えろ!」
竹内「クッ……!」
偵察機はものすごい速度で海面に叩きつけ墜落する。ドラゴンは上空で羽を羽ばたかせたまま墜落した偵察機を見ていた。ドラゴンは偵察機が墜落したのを見て、霧の中に消えていく。