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沖ノ鳥島 上空 濃霧の中
航空自衛隊のE-2c偵察機を撃墜したドラゴンは霧の中を飛んでいた。ドラゴンが飛び続けていると、霧がはれある空間に出る。巨大な空間だ。そして空間の真ん中には立派な海の上にある巨大な城があった。ドラゴンは城の庭のようなところに降り立つ。ドラゴンが降り立ったところには、人がいた。しかし、中世ヨーロッパ人のような服装で、鎧をきた騎士を居る。騎士の真ん中にいた髭を生やした執事のような人物がドラゴンに向かって頷いた後に口を開く 。
執事「よくやった。不法入国してきた鉄の龍のようなものは撃墜したか?」
執事の声にドラゴンは少し頷く。
執事「よくやった。騎士達よ、このドラゴンに褒美を与えたまえ。私は姫にこのことを報告してくる。」
騎士は執事に向かって敬礼する。執事は中庭から城内へと入っていく。執事は城内の階段を上がり廊下にあった立派なドアを開け部屋に入る。
執事「姫様、ご報告があります。」
部屋には、美しいドレスを身にまっとった女性が座っていた。頭には金色の宝石が入ったティアラをしている。彼女はこの城の権力者 フョーレ・ティアスである。
執事「我が国の上空に侵入してきた鉄の龍は無事に撃墜いたしました。ご安心ください。」
フョーレ「そうですか。よくやってくれました。」
フョーレは立ち上がり執事に向かって歩み寄る。
フョーレ「…友好国のアルテス帝国とは…まだ連絡が取れないのですか?」
執事「はい…。通達魔法を使用してアルテス帝国にメッセージを送っているのですが…送れないどころか…アルテス帝国の気配を感じないのです…… 」
フョーレ「何を言っているのですか…?アルテス帝国は世界一の権力帝国です。そんな帝国の気配を感じないなど……」
執事 「それは私も存じております…しかし、国の上空に侵入してきた鉄の龍といい…何か変です……これを見てください。」
執事は地面に魔法陣を出現させ空中に立体映像のようなものを映し出す。そこには、立体映像として飛行しているE-2c偵察機が映し出される。
フョーレ「これは…一体なんですか…!?」
執事「これは先程、我が国の上空に侵入してきた鉄の龍です。」
フョーレは目を見開き、E-2c偵察機を見る。
フョーレ「これは……龍なのですか?」
執事「いぇ…この生き物には生命反応がありません……」
フョーレ「それは…では、この鉄の生き物は一体なんだと言うのですか!」
執事「分かりません…しかし、今は攻撃翼竜によって撃墜されました。」
執事は魔法陣を消す。フョーレは部屋の窓に向かって歩き、外を見る。
フョーレ「…執事、このノウム壁を解除してください。」
執事「…!しかし姫様…先月に敵国との対戦が終わったばかりです…今、ノウム壁を消すのは…危なすぎます。」
フョーレ「いいから…解除してください。」
執事「分かりました……。」
執事は再び魔法陣を出現させ呪文を唱える。執事が呪文を唱え終えると、濃霧が少しずつ晴れていく。そして辺りの霧は完全に消え去り青空が現れ太陽の光が差し込んでくる。
日本国 首脳官邸
対策本部閣議室に防衛大臣が入ってくる。
防衛大臣「総理…。先程、偵察任務を行っていた航空自衛隊のE-2c偵察機が消息を絶ちました。」
鷹岡「そんな…ここまで来ると…自然災害や事故とは言い難いな……」
その時、国土交通大臣が慌てて部屋に入ってくる。
国土交通大臣「総理!!!」
鷹岡「国土交通大臣。どうしたのかね…?」
国土交通大臣「先程、気象庁が気象衛星を使用して沖ノ鳥島上空を撮影したのですが…霧が消えて、ある建造物が写真に移写しました!」
国土交通大臣は写真を鷹岡総理の前に提示する。鷹岡総理は写真を手に取り目を通す。
鷹岡総理「これは…!?一体……」
写真には、海に浮かぶ巨大な城の真上が写っていた。城の周りには、小さくドラゴンのような物も写っている。
鷹岡総理「これは…城か……?」
防衛大臣「総理!この城が元凶かも知れません!直ぐに自衛隊の派遣を!」
鷹岡総理「……この城のせいで……何人もの尊い人命が奪われたということですか……」
鷹岡総理「防衛大臣…航空自衛隊の戦闘機部隊及び、海上自衛隊の護衛艦隊にこの城への報復攻撃を命じてください。アメリカと国連へ、攻撃の要因と詳細については私から直接お話します。」
防衛大臣「了解いたしました。」
防衛大臣と国土交通大臣は部屋を出る。鷹岡総理はソファーに座る。彼の瞳には、城への怒りが宿っていた。