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夕方5時
気付けば空は綺麗なオレンジ色だったり少し暗い色に着々と染まる時間
そんな時間に誰かに揺さぶられ起きると零の部屋の天井だった
起きようと体を起こすと零は「ちょっと大人しく寝てて」と言って寝室から出ていった
「電話でもなったのかなー」なんて呑気に考えながら待っているととてつもない怒号が聞こえてきた
零)なんで僕がそんなところに行かなきゃなんないんですか!
水華)??
心配になりベッドから抜け出し扉を開けると悔しそうな顔をしている零がいた
水華)零…?
声をかけても聞こえていなかったのか「風見もって知るだろ!今ここで無理に離れたらあいつに迷惑がかかるんだ!陣平もその作戦に出るんだろ?赤井も出るんだろ?こんな時に新一くん達の所に泊めさせたらまた何かあるか分からないだろ!?」とほぼ叫びに近かった
「これはいけない…」と無意識に思い走ってスマホを無理矢理奪い取り強く抱き締めた
零)水華!?
水華)お仕事の事情があったかもしれないけど今は…今だけはダメ、絶対ダメ
スマホからは風見さんの声が聞こえ「風見さん、今だけはお願い、切って」と言えば大人しく電話を切る風見さん
水華)…話、聞こえたけどなんか大きいことあったよね
零)…そうだよ、下手をしたら命が関わる
零は苦虫を噛み潰したような顔をして前髪をぐしゃぐしゃにした
水華)…死ぬのが怖いか私から離れるの、どっちが怖い?
零)!!そんなの両方嫌に決まってるだろ!死んでお前から離れるのも生きててお前が離れるのも!
水華)私も両方いや、でもね…零がいなきゃ解決できないことだってある、話の内容からして相当大きい組織の中に入るみたいだけど…
少し離れ零の頬に手を当て「みんなが零や秀一、陣平の力が欲しいって言ってるの」と優しく言えば撫でている手を握って「君から離れるなんて…嫌だよ…」と言って更に頬をこすりつけてきた
水華)…零、嫌なのは私だってそう、だから…帰ってきなさい
零は驚いた顔をしてこちらを見た
水華)勝手にアンタらだけで逝くような主人不孝じゃないってことは私がよーくわかってる、だから帰ってきなさい、帰ってきて「ただいま」をちゃんと言いなさい
強く言えば零はポロポロと泣きながら「絶対帰ってくる…」と呟いてから強く抱き締めて来た
水華)返事の「ワン」は?
零)ワン…
水華)おりこーさん!ほら、私お腹すいちゃった!今日は何かな〜♪
なんて日から数ヶ月がたった頃、突然零の部屋に入ると零のものが全て消えていた
ポアロにも来ておらずハロが…いや、ハロだけがいた
鼻を鳴らして私が帰ってきたのを知ればゲージの中にいるにもかかわらずキャンキャン吠えて私を呼び付けた
ハロをゲージから出すとハロは「寂しかった」と言わんばかりに全力で甘えてきた
ハロを抱え部屋の中を歩いても零の私物は一切なくなっており「もしかして…」と思いながらスマホを触るとそこには成人男性ズから連絡が来ていた
内容は…「死ぬ覚悟でいってきます」とだけ
直接言えなかったこと「死ぬ」なんて言葉を使わせて私をここまで一気に追い込んだこと…頭の中がグルグルとしたりごちゃごちゃしてきて急に気持ち悪くなり嗚咽を零している時1本の連絡が入った
スマホを見ると画面には「工藤新一」の名前が移っており電話に出ると「水華か!?」という声を聞き「どうしたの…?」と少し元気の無い返事をしたら「今すぐ外に出ろ!ハロをゲージに入れて外に来い!」という声を聞きわけも分からずとりあえずハロをゲージに入れ外に出ると目の前にはバイクに跨った褐色肌の男がいた
私はそのバイクと肌色に見覚えがあり少し大きな声で呼んでしまった…「平次!」
平次はこちらを向き直ぐに「こっちに来い!話は工藤から聞いとる詳しいのは工藤の家に行ってからや!」と言われ自分が乗った後にゲージを自分の足に置き平次に強く抱きつくと平次はバイクを動かした