コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
**第二期 第5話: 前夜の準備と新たな幹部の脅威**
トーマス、ケイン、そしてグラントの三人は、次なる幹部のアジトに最も近い町、「ルドヴィア」に到着した。この町は険しい山岳地帯に囲まれ、どこか物々しい雰囲気が漂っている。町の入り口で簡単な手続きを済ませた後、彼らはポーションや回復薬、そしてその他の消耗品を買い揃えるために、最寄りの商店に足を運んだ。
「この辺りの商店は品揃えが豊富だな」とケインが感心しながら棚を眺めている。
「この近くには強力な魔物が出没するからな。準備を怠らないようにしているんだろう。」トーマスが返事をしながら、必要なアイテムをカゴに入れていく。
「それにしても、次の幹部…“グリマルド”という奴の話を聞く限り、相当厄介な相手になりそうだな。」グラントが静かに言うと、二人は真剣な表情で頷いた。
「グリマルド…異名は『霧影の魔導士』か。この周辺ではかなり恐れられているみたいだ。霧を操って姿を隠す能力があるというのが、厄介だな。」トーマスが手に入れた情報を整理しながら話す。
「俺たちも、霧の中での戦い方を考えておかないといけない。霧の中では視界が遮られて、攻撃が正確にできなくなる。そこで奴は魔法を使って攻撃を仕掛けてくるはずだ。」ケインが続けた。
「俺は弓で援護する。グリマルドが姿を現した瞬間に仕留める準備をしておく。だが、霧の中での位置取りが難しいだろうから、あまり動き回らない方がいいかもしれない。」グラントが戦術を考えながら提案した。
「そうだな。俺たちは前衛で奴の攻撃を引きつけるから、グラントは後方で冷静に指示を出してくれ。」トーマスが決定を下した。
その後、三人は商店での買い物を終え、町の中心にある宿に向かった。部屋に入ると、まずは各自の荷物を整理し、食事を取った後、再び集まって作戦を練り直すことにした。
「よし、作戦の最終確認だ。」トーマスが地図を広げながら言った。「グリマルドのアジトはこの町から北東にある洞窟だ。アジト周辺は霧が立ち込めているらしいが、朝方は比較的霧が薄い時間帯だと聞いた。明日の朝6時に出発して、その時間を狙ってアジトに突入しよう。」
「霧が薄い時間帯か…それなら少しは有利になるかもしれない。」ケインが地図を覗き込みながら言った。
「でも、油断はできない。グリマルドはその霧を自在に操ることができるらしいからな。」グラントが注意を促す。
「確かに。だからこそ、俺たちのフォーメーションが鍵になる。俺が前衛で盾となり、ケインが剣で攻撃する。そしてグラントは後方から弓で援護し、必要に応じて指示を出してくれ。」トーマスが決意を込めて言う。
「了解だ。明日は何があっても冷静に対処しよう。」ケインも同意した。
こうして三人は、明日の決戦に向けて準備を整えた。夜が更けるにつれ、町は静まり返り、彼らもそれぞれの部屋で休息を取ることにした。明日がどれほど危険な一日になるかは予測がつかない。しかし、三人の心は一つの目標に向かっていた。
「明日の戦いが終わったら…また新たなステップに進めるかもしれない。」トーマスはそう思いながら、目を閉じた。
そして翌朝、彼らは日の出と共に出発の準備を整え、アジトへと向かうこととなった。