⚠R18⚠
※リョナ気味、未成年性行為が含まれています。
この様な行為を実際にする事はお辞めください。
【未成年性行為、性暴力は犯罪です。】
今回はこいつ(黒瀬)の過去です。男性です。
夜中、家の中は静かだった。
薄暗い台所で、母が小さな電球の下、古い家計簿をめくっている姿が見える。
ページの端は擦れて黄ばんでいて、鉛筆の計算式が何度も書き直されていた。
「……また足りないね」
母の声は小さかったけれど、その一言は妙に重く、部屋全体の空気を押しつぶすようだった。
僕は幼い頃から、それが“いつもの事”だとわかっていた。
電気が止まる日もあれば、水道が出なくなることもあった。服はお下がりばかり、靴は底に穴が空いても縫って使った。
でも、母はいつも僕を抱きしめて、「大事な子だよ」と笑ってくれた。
その笑顔があれば、少しの飢えや寒さなんて平気だと本気で思った。
だけど、ある日を境に、その笑顔の意味が変わった。
「ねえ、お金がないの。黒瀬なら稼げるよね?」
母がそう発言したのは、僕がまだ15歳になる前だった。
母は真剣な目をしていた。
冗談じゃないとすぐに理解した。
最初はアルバイトを探した。
コンビニ、工場、飲食店……だけど、どれも条件が合わない。年齢制限、給料は遅く、家の支払いには間に合わない。
そんな時、街の裏通りでふとポスターが目に留まった。
【☆誰でも大歓迎☆一晩で何万も稼げる!☆】
それが何を意味するのか、僕でも分かっていた。怖かった。当然、僕は”女性”でもない。
自分自身も身体も汚れるような気がした。
でも、それ以上に母の「また払えない」という顔を、表情を見る方がよっぽど怖かったから。
そして、前に[その笑顔があれば、少しの飢えや寒さなんて平気だと本気で思った]と思ったから。
初めての夜は、足も手も震えていた。
相手の声も、自分が出した声も、部屋の匂いも、*全部、全部*。脳裏に焼きついて離れなかった。
全部、初めてだった。
僕は15歳だ。
少し血が出るくらい痛くて、ジワジワと熱くてお腹に違和感があった。でも、*母の為*。
帰り道、ポケットの中で札束を握りしめる手は冷たく、でも熱く、汗で湿っていた。
“あぁ、なんて言われるんだろう。”
そんな恐怖と札束を抱えながら、朝焼けに包まれる前の薄暗い道を歩いて家に向かった。
家に着くと、母が笑顔で迎えてくれた。
「ありがとう。本当に助かったよ」
この言葉を言われた時、胸の奥で何かが切り替わった。
怖さも、罪悪感も、その笑顔の前では意味を失った。
「これでいいんだ」__そう思えば、全部耐えられた。
それからは、迷いは無かった。
自分の身体を売ってお金を稼ぐ日々が、当たり前になっていった。
外はいつもより暗くて、寒くて、寂しくて。
誰かと触れ合ったって、情を交わしたって、お金を貰ったって、結局独りな気がした。
親にとっても相手にとっても僕は都合の良いオモチャみたいな物だろう。
母からはお金の為。
一夜を過ごす相手からは性的欲求の解消。
だから、僕は都合の良い人間なんじゃないかって。…そんな事を考えてる暇なんて僕には無い。
学校の友達は、僕が夜中に何をしているか知らない。バイトだと笑って誤魔化した。
笑い方も、声のトーンも、全部“仕事用”に染まっていく。
僕がどうしてこんな事をしてるのか、自分でもよく分からなくなるまで。
稼いで帰るたびに、母は「よく頑張ったね」と頭を撫でた。
その手の重さと温かさが、時々憎らしかった。
__僕がこんな方法を選ばなくても、笑ってくれたのだろうか。
そんな疑問は、いつも心の奥に沈めて忘れたフリをした。
18歳になる頃、僕はもう何も感じなくなっていた。
誰かに触れられても、褒められても、優しくされても、ただ作業のように笑った。
稼ぎは確かにあった。
でも鏡の中の僕は 母が昔「大事な子だよ」と言ったあの子では無い様な、そんな気がした。
それでも僕が稼いだお金を渡せば、母は優しい笑顔で褒めてくれる。
その優しい笑顔が僕の目の前から消えるのが、何より怖かったから。
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見てくださってありがとうございました!
こいつは15歳〜20歳まで水商売的なものをしてました。現在28歳児です。