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「やっほー。レインっちいるー?」
「!麗香!」
とある廃墟の団地、私は臆せずにいつものように中へと足を踏み入れた
レインっちは私に気づくと、一目散に私の元へ駆け出してきた
「来るの遅い!何分待ったと思ってるの?!」
「ごめ〜。スタバ行ってたら遅くなった」
私はスタバの紙袋を差し出し、レインっちにそう言った
「、ロールケーキで許す、」
「おけー。二つ買って来たからあげる」
私はレインっちに手を引かれ、ボロボロの
ソファに座らされた
「はい、どうぞー」
「、ありがと」
レインっちにロールケーキを渡し、私は新作フラペチーノを飲んでいた
レインっちとの出会いは、一週間前まで遡る
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「レインコートの怪異と、赤い傘の男?」
「え、麗香しらないの?!
とある放課後、私は友人の花奈と共にマックで新作のスイーツを食べていた
今日学校であった事、コスメの話、
そんな中ふと、花奈が先程の話題を取り出したのだ
「何それー。新しいホラー映画か何か?」
「違う違う!今物凄い流行ってる都市伝説だよ!」
「へぇ、どういうのなん?」
花奈から聞けば、今では廃墟になった団地にて、雨の日にのみ赤い傘に赤いレインコートを纏った男が現れる
その男に名前を教えたら最後、あちら側へ連れて行かれるらしい
対してレインコートの怪異は、不定期に現れ出会ったら最後、必ず殺されるらしい
「へぇ、」
「しかもね、最近そこへ肝試しに行く人がいるらしいんだけど、誰一人帰って来ないんだって!」
そう言うと花奈は、私にニュースを見せた
そこには、行方不明者続出について書かれてあった
「へぇ、なんかめちゃ凄いやん」
私はニュースに目を通し、マックシェイクを飲んでいく
「でしょ?!それで、ちょっと相談が、」
「行きたいん?」
「、一緒に行ってもらっても良い?」
「おけー。」
「軽い、」
そんなこんなで、私達は早速マックを出て
すっかり日が沈み、暗くなった街中を歩きながら例の団地へ向かった
「ここが、廃墟の団地、」
「めっちゃ雰囲気良いね。エモいわー」
「ごめん、それは分からんわ、」
私はスマホの懐中電灯を付け、花奈と手を繋ぎながら中へ入っていった
歩くたびにぴちゃぴちゃとした水音が響き、それが不気味さに拍車をかけた
「うぅ、やっぱ夜だとちょっと不気味、」
「ってかここ冷房付いてる?さっきから鳥肌が止まらない、」
その時、奥から人影が見えた
「ひぃ!?あ、ああれ、もしかして?!」
「えやば、あのレインコートめっちゃおしゃれじゃん。欲しいなー」
「麗香ァ?!」
徐々に足音と鉄を引きずるような音が近づくと、花奈はガクガクと膝を震わしていた
「、花奈大丈夫そ?」
「全然大丈夫じゃない!何でアンタは平気なのよ!」
花奈がそう叫んだ瞬間
「ねぇ、君達さぁ
人の縄張りに勝手に足踏み込まないでくれない?」
いつの間にか、レインコートの怪異が私の目の前に立っていた
「う、うぁぁぁぁ!!」
「花奈?!」
花奈は怯えたように、私を置いて団地を去ってしまった
「君かわいそ、友達に置いていかれちゃったね」
レインコートの怪異は私と視線を合わせるようにしゃがんだ
「ごめー。誰もいないって思ってたからさ
ってかその髪、めっちゃ似合ってんね」
「、は?」
レインコートのフードから微かに見える白髪の髪、私も白に染めようかな
「、君、これから僕に殺されるんだよ?
分かってる?」
「えーマジ?ウケんね。
あ、じゃあさ、せめて今度出る期間限定スイーツ食べるまで殺すの待ってくんない?」
「、えぇ、いやまぁ、僕は殺せるんなら良いけど、」
「あざー。」
そこから、私とレインっちの交流が始まった
イメージ画
麗香