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『何色の薔薇で染めますか?』〜私の白い薔薇を染めるのは〜
第4話 『月夜に想いを込めた告白を』
担当執事をラトにして1週間一緒に過ごして
今日は最後の夜。寝る前にラトに今夜は満月だからと夜の森を歩いていた。
『フフ、夜遅くに申し訳ございません。足元、気を付けてくださいね。』
ラトは私の手を繋いでくれる。
『うん、ありがとう。』
『着きましたよ。主様。』
見上げると丸い月が姿を表した。
綺麗な金色に輝き、夜の森を照らしていた。
『綺麗…。』
『フフ、そうでしょう?主様と見たかったんです。』
『ラト…。ふふ、ありがとう。』
『本当に…嘘みたいです。私はずっとこの綺麗な月を…見られなかったんですから。』
『ラト……。』
(そうだ……ラトは満月の日になると体調が悪くなる。昔ラトは満月の日に絶望を経験したから。災禍の監獄で……苦しくて、辛い毎日を…信じていた人にも裏切られ、守りたかった弟も守れなかった…それが彼の絶望した理由。この月もずっと見られなかった。月が彼をおかしくするから。月に支配されていた彼が、こんなにキラキラとした目で……月を眺めているなんて。本当に良かった。)
彼を救えて…ラトを絶望の淵から守れた。
『これからも……ずっと見よう。2人で。』
『主様……?』
私はラトの手を握った。
『これからも、この綺麗な月を眺めよう。
今まで見れなかった分、沢山。』
『主様……。はい、必ず。』
私はその手を力強く握り返した。
『本当に…綺麗な満月だね。』
『えぇ…。月が綺麗ですね、主様。』
『っ、ラト、それは……っ。』
『フフ、どうしましたか?顔を赤くして……』
(この感じ…ラトは意味を知らないのかな…。)
『あのね、ラト、それは私の世界では…』
『クスッ。えぇ。知っています。』
『え……?』
ラトはほんのりと頬を赤らめ私の頬に触れる。
『愛しています。好きです。という意味があるんですよね?』
『っ…。』
ずるい。こんな…ロマンティックな告白を…まさか、ラトがするなんて。
『こんな綺麗な夜なんです。踊りましょう。主様。』
ラトは私を抱き寄せて舞う。
『わわっ!』
『私がリードしますから。ゆっくり行きましょう。』
『う、うん……。』
ラトに身を任せ、輝く月の下で踊る。
いつか、主様に言わせてみせます。
私のことを愛しています、好きです。と。
そして――この月夜の下で、主様に改めて告白を。そして……私の色に染めてあげます。
その綺麗な白い肌も。白い薔薇も。
『ボソッ。愛しています。主様。』
次回
第5話 『大人のエスコートを貴方に』
うみ
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