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『何色の薔薇で染めますか?』〜私の白い薔薇を染めるのは〜
第5話 『大人のエスコートを貴方に』
『主様!今日から1週間よろしくお願いしますね!さぁ、早速出掛けましょう!』
くじの2番を引いたのはラムリ。嬉しそうにはしゃいで私の手を取りながら飛び跳ねる。
『お、落ち着いてラムリ…』
『落ち着けません!ずっと楽しみにしてたんです!主様と出掛けるの!』
『ラムリ…。』
ニコニコと微笑むラムリはいつものように可愛い。だけど、どこかソワソワしていた。
(いつも主様には可愛いとか子供っぽいって思われてるかもしれない……だから今日はルカス様みたいに主様の事をリードする!そう、今日の僕は大人になるんだ…っ。実際主様より年上なわけだし……よし、頑張るぞ。)
僕は主様に跪く。
『主様、今日は僕にエスコートさせてくださいね。』
『ラムリ……。ど、どうしたの?なんかいつもより…。』
『ふふ、僕はいつも通りですよ、さぁ、行きましょう。』
ラムリから差し出される手を握る。
(な、なんか、いつものラムリと違うから…少しドキドキするな…。)
ラムリに手を引かれて来た場所はプラネタリウムだ。
舞台会場の天井一面に広がる、プラネタリウムをふかふかのベットで横になって見ることに。
『ずっとここに来てみたかったんです!』
『ラムリ星好きだもんね。』
『はい!ここ、寝っ転がって見れるんです!主様もぜひリラックスして見てくださいね!』
『うん、ありがとう。』
2人横になり、プラネタリウムを見つめる。
ラムリの目はキラキラと輝いていた。
(ふふ、なんだか可愛いな…。いつものラムリのはずなのに……なんだろう。魅入ってしまう。)
『…ふふっ。』
『?どうしました?主様。』
『ううん。なんでもない。ただ、ラムリの目が綺麗だから…つい魅入っちゃったの。』
『主様…えへへ、嬉しいです。あ、見てください主様!ゲコちゃん座ですよ!』
ラムリの指さす方向にゲコちゃん座がある。
『あ、ほんとだ。前に教えてくれたやつだよね。』
『はい!あっちがルカス様座で…あれが主様座です!』
楽しそうに星を指差すラムリの姿はとても可愛い。
数時間後――。
『主様、綺麗でしたね!』
『うん、また行きたいね。ラムリの行きたい場所って他にあるの?もしあるなら教えて?』
『僕の行きたい場所…?』
『うん。今はデートなんだし、ラムリの好きな場所や……思い出の場所に行きたいな。』
『主様…。はい!わかりました、それなら僕行きたいところ、あります!』
ラムリは私の手を取り走り出す。
『少し行くには遠いんですけど…。』
『うん、もちろんいいよ。』
ラムリの後を着いていく。
水の都 ヴェリス
『ヴェリスの海?』
『はい。今は冬ですから入れませんけど…ここが僕の行きたい場所なんです。主様とふたりで過ごしたあの年の夏。太陽の下にずっといて体調が悪くなってしまって……主様に迷惑をかけてしまいましたけど… 』
ラムリはしゅんっと落ち込む。
『そんな迷惑なんて…。』
『だから、その時決めました。僕は主様に迷惑をかけないような…主様のことをちゃんと、守れる……強い執事になろうって。』
『ラムリ…。』
胸の鼓動が…波の音に掻き消されてしまう。
ドクン、ドクンっと高鳴る心音。
そして、彼の私を見つめる瞳。
つい、吸い込まれてしまいそうだ。
『…ラムリは出会った時からそうだったね。私のことをずっと大好きって言ってくれた。』
『はい!僕にとって主様はかけがえのない人ですから!この命に替えても……必ず、守りたい人です。』
ラムリは私の手をぎゅっと握り、その手にキスを落とす。
チュッ。
『ら、ラムリ…』
『だからこそ…他の誰にも渡したくないんです。いつか……僕だけの主様になってくださいね。』
『っ…う、うん。』
いつものようないたずらっ子のような顔は消えていた。少しだけ大人になったラムリの顔にドキドキは止まらなかった。
次回
第6話 『貴方にだけ話せる事』
#アモン・リード
#ツイステッドワンダーランド