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にさん(23)
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『知らんぷり』
rsli
夜。
ソファ。
ロゼは先に寝落ちしてる。
静かな部屋で、らいとだけが起きてる。
(……寝てる)
ちらっと見る。
ロゼ、完全に無防備。
いつもみたいに話しかけてこないし、くっついてもこない。
(……なんか、静かすぎ)
少しだけ、近づく。
顔をのぞきこむ。
(ほんとに寝てんのかよ)
ちょっとだけ手を伸ばして、髪に触れる。
反応なし。
(……)
一瞬、迷う。
でも。
ほんの少しだけ顔を寄せて、
軽く、キス。
すぐ離れる。
「……」
自分で固まる。
(なにやってんだ俺)
そのまま離れようとした瞬間。
ぐい。
「……は?」
腕、つかまれる。
次の瞬間、
ロゼがそのまま引き寄せて、
らいとをソファに押し倒す。
「……っ!?」
そのまま、ぎゅっとハグ。
「……ロゼ?」
「……」
返事なし。
でも、明らかに起きてる力。
「……起きてんだろ」
「さあ?」
「……」
「キスしたでしょ」
らいと、フリーズ。
「……してない」
「した」
「……」
ロゼ、少しだけ顔を近づける。
でもさっきみたいなことはしないで、そのまま肩に顔をうずめる。
「勝手にするの、ずるいなあ」
「……知らない」
「じゃあさ」
ぎゅ、って少しだけ強くなる腕。
「これはお返し」
「……なにが」
「さっきの分」
「……」
らいと、何も言えなくなる。
「……離せ」
「やだ」
「暑い」
「でもさっきは近づいてきたよね」
「……」
言い返せない。
「……らいと」
「なに」
「かわいかったよ」
「うるさい」
顔そらすけど、逃げない。
そのまま少しだけ静かな時間。
「……ロゼ」
「ん?」
「今の、誰にも言うな」
「え〜どうしよ」
「言ったらもう二度としない」
「え、それは困る」
「……」
ロゼ、ちょっと笑う。
「じゃあ秘密にしとく」
「……最初からそうしろ」
でもそのまま、ハグは解かない。