テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
_いえもん side_
ブロックテントから出ると、初夏の訪れを感じられる強い光に照らされた。俺達は、目的地に向かって、昨日と同じように森の中を歩き続ける。
…、
どこからか声が聞こえる。めめとレイラーも気付いたようだ。咄嗟に警戒を強め、来たる敵に備える。相手がただの商人にだったらいいが、万が一のために気を引き締めた。
……
声は、どうやら右斜め前からやってくる。そろそろ足音が聞こえるくらいの距離になった。どうやら二人組のようだ。だが、その姿は草木に隠されて分からない。俺達はアイコンタクトをとり、一気に敵の前に飛び出した。
敵はそれぞれ犬人と馬人だった。どちらも人のような形をしているが、全身に動物のような毛が生えている。犬の方は、茶色い毛並みの垂れ耳に長い爪を持っていた。一方馬の方は、輝かしい黒い毛皮を持ち、目はカッと見開かれ鋭く尖っていた。
馬人「あ!いいおもちゃがあるぜw」
犬人「ここで俺たちと会ってしまったのが運の尽きだったなぁ!」
そう言うと、犬人は、俺たちに鋭い爪で襲いかかってきた。
めめ「分担しましょう!私といえもんさんは、馬人を相手するので、レイラーさんは犬人を倒してください!」
レイラーはその指示に頷き、犬人を引きつけながら俺たちと距離をとる。俺とめめは、馬人に向き直る。俺はめめと一緒なら心強い、と思っていた。
めめ「…やっぱりいえもんさんが一人で相手してください!こいつは練習台にしましょう!」
え!?嘘だろ!死ぬって!
犬人や馬人などの獣人は、魔族の中では弱い方に入る。しかし、魔族そのものが強いので、俺では殺せないだろう。
いえもん「できません!余裕で死にます!」
めめ「いざとなったら、私が倒しますから」
いえもん「いやでも_」
馬人「おいおい、おしゃべりする余裕はあんのかぁ!」
馬人「…は!!」
その途端、地面が激しく揺れる。俺はバランスを崩し、倒れてしまう。立ち上がろうにも、揺れが大きすぎてできそうにない。隣を見ると、めめも同じような状態だった。これでもまだ「私が倒す」と言えるのだろうか。
いえもん「ちょ、これどうするんですか!?」
めめ「まあまあ落ち着いてください」
めめ「私が合図して隙をつくるので、いえもんさんは能力を使って攻撃してください」
小声で作戦を立てる。
めめ「いきますよ」
めめ「ダークボール!」
めめが魔法を繰り出したが、地震のためうまく狙いを定められず、当たらない。しかし馬人は油断したのか一瞬だけ地震がなくなった。その一瞬で俺は身体強化をし、一気に馬人との間合いを詰める。そして剣を振りあげる_
_レイラー side_
師匠に言われた通り、私は敵を引き付けて二人から離した。
犬人「どうせ分担しても俺たちに遊ばれて死ぬだけなのに、滑稽だなぁw」
レイラー「うるさいですね」
犬人「余裕ぶっていられるのは今のうちだけだぜ?」
犬人はそんな戯言を吐くと、自身の長い鋭い爪を見せつけてきた。
犬人「これで切れなかった人間なんていない。死ぬ間際のあの絶望に染まった目が最高に哀れで、最高に面白いwお前もすぐにそうなるんだよ!」
相手が人間というだけでここまで油断できるのかと、もはや感嘆する。獣人は弱いが故にそのストレスをさらに弱い種族の人間にぶつける。彼らによる強襲で、人間の集落が滅んだという話などはよく聞く話だ。それくらい弱い存在が人間なのだが、それはただの人間の話。人外に対して何も成す術がない人たちとは違い、私は能魔者である。自分で自分の身を守る術があるのだ。同じにされたら困る。
レイラー「さっさとと仕留めますか…。ライトアロー!」
ここまでです!獣人が思ったより雑魚モブキャラ発言してますね〜。人間を見下している感じに喋らせると、いつの間にかこうなってました()
本編の補足です!今回は獣人についてですね。まず、魔族の中では、弱い部類に入る人外です。魔族は、もっと強いやつがゴロゴロいますから。そして、獣人というのは実は総称で、細かく言うと、犬人や馬人など動物ごとに分かれています。ただ、今回の様に、元の動物(?)が違っていても、獣人同士は仲がいいです。また、能力や魔力を持っています。魔力は持っているだけでほとんど使いませんが。能力は地震を起こしたり、爪を使ったりして戦闘の主な武器にしてます!
それじゃあ今日はこの辺りで!また来てね!