起:俺一人対女子三十の教室で、イヤホンを着けて黙々とピアノの練習をする。その中に1つだけ滑らかに疾走すようなテンポの良いイヤホンなしの旋律が教室に響く。次は俺の番なのに、全然弾けないんですけど?クラスで一番の人の後とか荷が重すぎ……。
承:各自で難易度を設定して、ピアノを弾くことが出来るレッスン。一番難しい難易度を華麗に引いた人の後で、俺は最低難易度をなんと片手だけで引いて良いという甘々な条件。普通に片手だけでも難しいのに、あれだけ弾けるのがおかしいんだ。
転:女子の前ではダサいことはしたくない。ゆっくり引いてミスを減らそうと試みる。譜面が少ない分寂しさを感じるが快調な滑りだし。しかし、曲の半分を弾いた辺りで一度躓いてしまう。すると、ずこっ、ずこっと止まらない。
結:先生の苦笑いとお世辞を頂く。クッソ恥ずかし~~~。イヤホンを着けて自分の世界に逃げる。そして、悔しさをぶつけるようにピアノの鍵盤を思いっきり叩く。怒りに答えるように、バァァ~~~~ンと教室に響くピアノ。イヤホンのスイッチ入れるの忘れてた…………。
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