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いつまでも、いつまでも……

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絶望の淵

♥

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2022年05月01日

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(帰郷千衣沙)「おはようございます」

(花郷千衣葉)「おはようございます」

(帰郷千衣沙)「ご飯を食べ終わったら」

(帰郷千衣沙)「病院に行きます。」

(花郷千衣葉)「ええ、そうね」


(帰郷千衣沙)「準備は大丈夫ですか?」

(花郷千衣葉)「ええ、持ち物も持ったし」

(花郷千衣葉)「行きましょう。」


(花郷千衣葉)「……」

(帰郷千衣沙)「大丈夫ですか?」

(花郷千衣葉)「大丈夫。」

(花郷千衣葉)「病院に着いたし」

(花郷千衣葉)「あなたは?」

(帰郷千衣沙)「付き添います。」

(花郷千衣葉)「そう、ありがとう」


(医者)「……これは……」

(医者)「すぐ、入院ですね」

(帰郷千衣沙)「え?」

(医者)「思ったより病が進行してしまっている。余命は残り6ヶ月です。」

(花郷千衣葉)「……分かりました。」

(医者)「今から入院の手続きをします」

(帰郷千衣沙)「……分かりました。」


(帰郷千衣沙)「……千衣葉さん」

(帰郷千衣沙)「滝沢さんに連絡した」

(花郷千衣葉)「そう、ありがとう」

(帰郷千衣沙)「……」

(花郷千衣葉)「この頃、少し、無理にしたそうね。その代償かしらね。」

(帰郷千衣沙)「このことは……」

(花郷千衣葉)「……病気のことは言わないで欲しい。貧血で少しの間だけ入院するって」

(帰郷千衣沙)「……分かりました。」

(帰郷千衣沙)「……お大事に」

(花郷千衣葉)「ええ、ありがとう」


私に生きる時間は少し減らされた。

残り時間が少ない。

あの人たちには言えないままでいる。

いつかは言わないといけない。

でも、言えない。勇気が出ない。

……

せめて願うことなら


デビューをしたあの人たちの姿を見たい。


それだけは……生きてこの目で……

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