EP2
📢「誰?お前」
???「俺は翠画(すいが)🍵」
🍵「んー、、よろしくね?」
2段ベッドの上に座ってこちらを見てくるそいつ
こんなにも優しそうな奴だって、ここにいるんだから
世の中本当意味分からん
📢「あっそ」
🍵「感じ悪(笑)」
「ねぇ、あんたは?」
ずかずかと話かけてきやがって
📢「220」
🍵「それ番号じゃん」
「ねー名前は?」
「ねーねー」
📢「…紫樂(しらく)」
🍵「紫樂くんね、おけおけ覚える」
「下の名前は?」
📢「知らん。もういいだろ」
変な奴
そう思いながら翠画が座っている2段ベッドの下の段に腰掛ける
こんな奴と一生涯一緒とかなんの悪夢だろうか、
あぁ、突然のむくいだよな、、
償いきれないけど
📢「…」
🍵「黙りこくっちゃってどーしたの(笑」
📢「ぅるせぇよ、」
あぁ嫌だ。
なんとなく
なんとなく、こいつと俺が似ているような気がして
嫌だ。
🦈「1218」
🍵「はいはーい」
そう呼ばれた翠画は軽々と2段ベッドから飛び降りる
背丈は俺より少し高いくらいだろうか
ずっと座っていたから分からなかったが案外高い
「じゃ、またお話ししよーね。紫樂くん」
、、、
看守者に呼ばれてついていく翠画
何があったら、あいつを極悪人にできるのだろうか
俺が知ったこっちゃないけど
AM1:24
🍍「ぁ”ーーー、、、」
やっと終わった
あー、、やっと終わった
食事はどーなっているか。牢獄人の労働量は守られているのか。最近何か問題を起こした奴は何番か、どんな処分対象なのか…など
まぁ、極悪人が収監されるここでは問題起こしたらその時点でタヒ刑だけど、、
監視カメラを確認したり色々な資料を作っていたらもうこんな時間
くっそ結局今日も残業かよ
最近残業仲間だった雨海は用事があるからと言って先に帰って行った
あーゆー奴が1番闇深そう…なんてくだらない妄想をしてしまうのはもう脳死だからであろう。
🍍「うわぁ、、(嫌気)」
仕事中は集中したいという理由で充電を切っていたスマホをつけると、無数のLINEでロック画面は埋め尽くされていた
『ねぇ、あと何時で帰ってくる?』
『夜ご飯どーするか悩んでるんだけど』
『え、無視でふか?』
『間違えた』
『ですか?だわ』
『まって今日も残業コースなの?』
『朝行く時は残業じゃないって言ってたじゃん』
『はい12時過ぎましたー』
『日付超えたんだよ?』
『もー、、そんな仕事やめなよ』
『ねぇさすがに心配なるんだけど』
『まじで終わったら連絡して、迎え行くから』
メンヘラ彼女かよ。
律儀に全部読む。でも、ロック画面から見るだけで既読はつけない。
仕事が終わったことがバレたら本当に迎えにきてしまうではないか。
“あいつ”だって忙しいのだ
こんな夜遅くに迎えだなんてめんどくさいだろ
寒いし、そもそももう寝てるなんてことも、、
あー、それはないか
🍍「ラストに1仕事終わらせるか、、」
看守者は帰る時に自分の見回り区域を回ってから帰る。ということが決められている。
あーあ、憂鬱。
今朝”あんなこと”をされた奴のところに行かないといけないのか、、
なんてうだうだ考えていたら、それこそ帰れない
そもそも全員寝てるだろ。
コツコツコツ
自分の歩く音だけが響き渡る
不気味だし、本当のとこちょっと怖い…
それに加えてもう疲労と眠気で今すぐにでも倒れそう
🍍(来世は絶対こんな仕事しない…絶対幸せなる..)
🍍「もう、、つかれた、」
📢「おつかれ」
🍍「ヒュッっ!?!」
びっっっっびった
危うく大声を出すところだった
こんな時間にこんな響き渡るところで大声を出したらどんなに怒られるか分からない。
野郎が起き上がってきたりしても困る
📢「こんばんわー看守者さん」
鉄格子の隙間から両腕を出す220
少し猫背で鉄格子に体を預けているため俺と同じ目線だった
なんとなく、こいつといたらいけない気がする
感覚がふわふわとして、狂いだす。
こいつのペースに飲み込まれていく、そんな感覚
そしてどこか懐かし気な感覚
🍍「なんで寝てねぇんだよ…就寝時間過ぎてんだけど。」
📢「お前待ってたの。こんな時間に見回りして残業して、バカじゃねぇの。」
🍍「、、、ぅるせぇよ。」
友達みたいに話かけてきやがって。
立場をわきまえろよ…
でも、なんとなくそっちの方が居心地がいいと感じたから特に何も注意しない。
他の収監人にはこんなこと思わないのに…
📢「なぁ、どーやって帰るん。」
🍍「は?」
なんでこいつは俺の帰る手段を聞いてくるんだ。
謎でしかない。
冷静に電車、、、はもうないから歩きか、
流石に”あいつ”に迎えにきてもらうのは気が引ける
こっちだって人の心というものはあるのだから
🍍「歩き」
📢「はっ、?」
🍍「???」
ガシッ
🍍「!?!」
鉄格子ごしに俺の腕を掴んでくる
🍍「ちょっ、離せよっ!!」
なんなんだこいつ、なんでこんな力強いんだ
どーしても振り払えない。
📢「ダメ、絶対ダメ」
🍍「はぁ?」
意味が分からない。何こいつ。クスリでもやってんのか、、?
📢「危ねぇだろ。絶対ダメ。襲われたらどーすんの」
え?何この極悪人
こんなところにいながら俺の帰りを心配するん?
変な奴。変な奴。変な奴。
🍍「なぁ、もう帰りたいんだけど」
📢「無理。今すぐ誰かに連絡しろ。」
彼氏かよ。
🍍「わーったよ、、、はい。こいつに迎えにきてもらうから。」
先ほどの大量の通知をロック画面越しに見せるとようやく手を離してくれた。
📢「ん、、。じゃあ、おやすみ。」
🍍「うん、、?おやすみ。」
それだけ言って、もう満足したのかベッドに戻っていった。
変な奴…
❤︎200 EP3
このお話しそんな自信作じゃないのでさっさと公開していきたいと思います、!
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