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すの短編4

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すの短編4

5 - ゆり組〜春〜 ❤️💙

♥

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2025年10月08日

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「翔ちゃん、翔ちゃん、僕のお姫様」


そう言って、涼太は笑う。

翔太の頭にはシロツメクサで作った花の冠。手先の器用な涼太があっという間に編んでくれた。妹にせがまれてよく作るから、こんなの簡単だよと、はにかんで笑う。


「ありがと///」


白く柔らかい頬を赤く染めた翔太は、俯いてぎゅっと涼太の園服を掴んだ。

出会った時から恥ずかしがり屋の翔太。

嬉しい時も、泣きたい時も、素直になれなくて何も言えずに涼太に抱き着く。

そんなふうに抱き着かれるたびに、涼太の中に翔太への『好き』が溜まっていく。


いつのまにかそれは、涼太の小さな胸をぱんぱんにしていて…涼太の中の『愛しい』は、溢れて、弾けて、こぼれていくようだ。


「ねぇ、しょうらい、僕と、ケッコンしよ?」

「ケッコン?」


オトナたちがよく言うんだ。

ケッコンは、大好きが溢れたふたりが、ずっとずっと一緒にいるために結ぶ約束なんだって。


ほら、小指出して?

ゆびきりげんまんだよ…?


「わかった。翔ちゃん、ずっと涼ちゃんと一緒にいる」

「ちゅーしていい?」

「うん///」


満開のシロツメクサが咲いた広い広い原っぱで、涼太と翔太はどきどきしながら、ちいさな唇を重ねた…。


初めての感触。

柔らかくて、あたたかな感触。


ふたりはどちらかともなく抱き合って、ころころと草むらに転がった。

小さなふたりが緑の絨毯にふんわりと包まれて、そのまま青く澄んだ空を見上げる。


………気持ちいいねと笑っていると、遠くでふたりを呼ぶ声がする。


『翔ちゃーーーーん』

『涼ちゃーーーーん』


くすくすと笑うふたり。

ーーしばらくここに隠れていようか?


息を潜めてくすくすくすくす。

お互いにぷっくりとした柔らかいほっぺを、優しくさすったり、時には優しくつねったりしていると、見つかった翔太が先生に抱き上げられた。 涼太もつられて起き上がる。


「こら。そろそろ帰りますよ」

「「はぁい」」

「本当に仲良しね」

「「うんっ」」


少し小柄な翔太を抱っこして、抱っこされるのがあんまり好きじゃない涼太とは手を繋いで、園長先生はなんのお話をしていたの?とニコニコと聞く。


翔太が答えようとする前に、涼太がないしょ!と慌てて言った。


その様子がなんだかとっても可愛くって、先生はつい笑ってしまう。


「しーっ。翔太、内緒だよ」

「うん、涼太。でも約束だよね?」


翔太は、園長先生の腕の中から下りて、涼太とぎゅっと手を繋いだ。先生、翔太、涼太で仲良く手を繋ぐ。大好きなふたりに囲まれてご機嫌な翔太。


バスではゆり組のお友達が待っている。


最後のふたりを乗せて、バスはゆっくりと走り出す。楽しかった春の遠足ももう終わり。心地よく揺れるバスの中、手を繋いで寄り添う、双子の天使のように仲良しのふたりが、微笑ましく眠っていた。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

14

ユーザー

これって続き、ありますか?

ユーザー
ユーザー

えぇ良すぎん🥹🥹❤️💙 可愛すぎるーーー🤦🏻‍♀️🤦🏻‍♀️🤦🏻‍♀️🤦🏻‍♀️

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