💚side
今日は音楽番組の収録。
午前中からだったので、一緒に行こうと翔太を誘ったら、やだと言われて泣く泣く別々に来た。
まだ俺たちの秘密の関係は続いていて、ということは、佐久間もまだ俺を諦めないし、万一翔太に悪い虫がつこうにも、避けることはできない。
俺は康二を睨んだ。
全員一緒の楽屋で、当然のように翔太の膝枕で横になっている。
翔太はいつものことだと許している。
死ぬより辛い目に遭わせるにはどうしたら…と、俺は本気で携帯で検索を始めた。
💚呪い、呪術…なるほど…
🩷阿部ちゃん、おはよぅ……
佐久間の声がしたか?と思うと、佐久間がいつのまにか目の前にいて、可愛らしいピンクの包みを持っていた。
おずおずと俺に差し出す。
🩷これ、うまく出来てるか自信がないんだけど、よかったら……
💚これは?
🩷あのっ、バレンタイン
佐久間ははにかんでいる。
康二が、翔太の膝枕から下りて(一生下りてろ)冷やかしにやって来た。
🧡さっくん、それ手作り?
🩷う、うん。
🧡俺のは?
🩷ないよ。阿部ちゃんにだけ…
🤍え、佐久間くん、阿部ちゃんのこと好きなの?
🩷やめろよ、ラウールまで///
あのー。
俺を抜きで盛り上がって、外堀をごんごん埋めてくるのやめてもらっていいですかー?
翔太を見たら欠伸をしていた。
もう嫉妬もなしですか、そうですか。
少し甘やかしすぎましたかね。
💚ありがとう。美味しくいただくねっ
俺は精一杯のスマイルで、包みを受け取った。
ヒューヒューとかいう、康二とラウールの耳障りな歓声が響く。
だって、みんなの前で断れないじゃん。
翔太も気にしてないみたいだし。
🩷阿部ちゃん、なんかごめんね?こっそり渡せばよかったね?
もじもじして可愛らしく謝ってくる佐久間がいじらしい。
俺はポンポン、と頭を撫でた。
💚いいよ、嬉しいよ。ありがとう
さっきからほぼ翔太に聞かせるように言ってるし、やってるんだが、翔太はもうこちらを見てすらいなかった。照と何か話している。
ちぇっ。つまんねーの。
💜よしよし。仲良いことはいいことだけど、そろそろ始まるぞー
ふっかの掛け声で、俺たちは頭を切り替えて収録に臨んだ。
オンとオフがしっかりしている、そう、そんな俺たちこそSnow Man。
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