今日も同じ帰路を歩く
すると嫌でも聞こえてくる同級生のコソコソとした声
同『ねぇ、あの子さ、』
『うん、噂の子だよね』
『なんであんな格好してるんだろ、?』
『さあ?それが好きなんじゃない?笑』
また言われてる
でも別にいいんだ
そうゆう奴らは勝手に言わせておくのが吉だ
別に普通じゃなくたって僕は生きていける
【本屋】
僕は河原朔
至って普通の男子高校生だ
あ、漫画の新刊だ
、、欲しいなあ
でも買ったら今月やばくなるし、、
同『おーい何見てんだよ』
『いやいや漫画の新刊よ!』
『あーこれね俺も持ってるわ』
『えまじ?今度見せてよ!!』
『いや新刊は持ってないわ』
『えーじゃあ俺これ買うから後で一緒に見ようぜ』
『いいよ』
『しゃー!!』
sk「、、、」
いいなぁ、友達
ま、僕には関係ないけど
【街】
今日はどうしようか
隣街にも行ったし裏山にも何度も行った
まぁ歩きながら考えるか
こんな時に少しでも喋れる友達が入れば変わってたのかな、?
sk「まぁ今更か、」
【??】
やばい
完璧に迷った。ここどこだろう?
海と森?があるくらい、?
いや建物がある。でも塀に囲まれてる。とりあえず人が居るかもだから行こう
【病院?】
とりあえず門の前まで来たけど、
sk「、、、」チラ
誰かいる感じはない、と
sk「あの、誰か居ませんk―」
?『そんな大きな声出さなくても聞こえるよ』
sk「うおっ!?」
?『?』ニコ
だ、誰だこの人
てか塀の上に登ってるけど、大丈夫なのかな
?『君迷ったの?』
sk「あ、はい、」
?『、、、』
そう声をかけてきた彼は軽々と高い塀から降りてきた
見た感じ入院患者っぽいけど、そんなことをしていいのだろうか
?『街まで連れていったら帰り道分かりそう?』
sk「え、あぁ、はい」
?『そう、なら連れて行ってあげるから着いてきて』ニコ
sk「あり、ありがとうございます」
そう言ってくれた彼は親切に街まで送り届けてくれた
けれどその道中で僕達が会話を交わすことは一切と言っていいくらいなかった
【街】
?『ここで大丈夫?』
sk「はい、ありがとうございます」
?『うん全然大丈夫だよ』
『もう迷わないようにね』
sk「あの、なにかお礼を―」
そう言いかけた時、彼が僕になにかを掛けた
sk「―っ!?」
?『それ制服?』
sk「は、はい」
?『、、、』
そのままの体制で彼は僕の耳元で
?『“怪我”、かな?ワイシャツの下から透けてるから気をつけてね』
sk「え―」
?『君名前は?』
sk「あ、えと、河原朔です、」
?『朔くんか』
sk「そうです」
?『、、そう、覚えとくね』
『じゃ、僕はこれで』
『もう迷わないように気をつけて』
『風邪引かないようにね』
sk「え!?ちょっと!!」
僕の言葉を聞く前に名も分からない彼は人混みの中へ走り去って行った
残ったのは困惑をしている僕と、彼が僕に掛けてくれたカーディガンだけだった
てゆうか怪我ってもしかして
sk「、、、」
そう言って僕はとあることに気づいた
sk「あ、てかこれあの人の」
しまったカーディガンをどうやって返すかを何も聞かずに帰してしまった。彼の連絡先はもちろん知らない
もう一度あそこに行くしかないってことか
明日の放課後、もう一度行くか
そう決めた僕は彼から借りているカーディガンに腕を通して小走りで家に帰り始めた
?『、、、』
【家】
ふぅ、大丈夫
なにかあってもフル無視で行けば大丈夫
もし機嫌が悪かった時用にお金はある
大丈夫、大丈夫、
sk「、、よし」
ガチャ
sk「、、、」
リビングには居ない、じゃあ部屋か
それを確認した僕は母親が居るはずの隣の部屋に向かう
sk「ふぅ、」
コンコン
母『あ、朔?』
sk「うんそうだよ」
母『おかえり』
『お父さん今部屋で仕事してるから静かにね』ニコ
sk「、、、」
「うん」
母『いい子ね』
『、、そのカーディガン、どうしたの?』
sk「、、友達に借りた」
母『そう、今日洗濯するから明日返すのよ』
sk「うん、分かってるよ」
気持ち悪い
この人と会話を交わす度に何も入ってないはずの胃の中からナニかが出てきそうになる
ただただ気持ち悪い
僕が“この格好”をしている時は普通なのだ
まぁ理想の子供でいて欲しいのは分からなくはないけどね
そう心の中で皮肉を言いながら僕は自分の部屋に行きカツラを取ってクローゼットから女物の服を取り出す
それを着て父の部屋に行く
sk「、、、」
コンコン
sk「お父さん、?」
【病室】
?『、、、』
『ふぅん、中々複雑だね』
『”河原朔くん”』
僕が全部何とかしてあげるのは難しいけど手を貸すくらいならできそうだ
特に厄介なのは母親の方かな
まぁ父親も父親だけどね
看護師『kneさーん?何してるんですか?』
kne『いえ、少し調べものを』
看護師『ふぅん』
『また詐欺師ごっこですか?』
kne『そんな所ですかね』
看『河原朔くん?』
kne『はい』
『今日こっちに迷っちゃった子なんです』
『今回はちょっと苗字に聞き覚えがあったので調べてみただけです』
看護師『ちょっと調べただけでこんなに情報が出てくるって、その子何者なんですか?』
kne『いやこの子自体はそんなことないです』
『問題は、』
【河原自宅・父親の部屋】
sk「お父さん、」
父『、、、』ニヤ
【河原自宅・母親の部屋】
母『違う違う違う違う違う違う違う違う違う』
『あの子は、あの子は男の子なの』
『生まれた時からの男の子よ』
『この写真が間違いなのよ』
『きっと別の子の写真よ』
『絶対にそうだわ』
『あの子は私の”息子“なんだから』
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!