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ハニートラップ(智之目線)
──9月某日
その日、俺は、営業で回る件数がいつもより多かった。
もう9月だというのに、まだまだ暑い日が続いていた。
「ハア〜これだけ暑いと午前中だけでも、疲れましたね」とバディに言う。
「そうね、暑いっ! でも、どこも契約が取れそうで良かったわ。午後からも頑張ろう!」と、
カフェテーブルの向かいで、話すのは、|山脇 塔子《やまわき とうこ》さん、4期上で2歳年上の28歳。
今年から一緒に営業に回っているバディだ。
「そうですね。頑張りましょう!」
次の仕事があるので、カフェで一緒に昼ご飯を済ませる。
そして、午後からも得意先を回って、アフターフォローと新規の契約も取れ、気分が良かった2人。
「イェーイ」とハイタッチをする。
そして、タブレットで経過報告をし、上司である課長に電話をする山脇さん。
「はい……はい。では、今日は直帰で失礼します」と言う。
「はあ〜終わりましたね、良かった! 直帰ですか?」と俺が聞くと、
「うん、直帰して良いって」
「お疲れ様でした」と、言う俺に、
「お疲れ様! ねぇ、この後軽くお祝いしない? 仕事の相談もしたいし、少しだけ付き合ってよ」と言う山脇さん。
チラッと、スマホの時計を見て時間を確認すると、
夕方5時。綾はまだ仕事中だ。
「そうですね〜少しなら」と言う智之。
〈ちょっと仕事あるから、後で連絡するね〉と綾にメッセージを送っておく。
そして、山脇さんと初めて近くの肉バルに入った。
横並びのオシャレなカウンター席に座る2人。
「ではでは、お疲れ! 契約に乾杯〜」
「お疲れ様です、乾杯〜!」と、1杯目は、2人ともビールで乾杯した。
「あ〜仕事の後のビールは、最高ですね!」と言うと、
「はあ〜ホント最高だわ」
と、外回りで暑かったので、ハンカチで顔を仰ぎながら首筋の汗をボディーシートで拭う山脇さん。
俺は、それを何気なく見ていた。
──女性の|頸《うなじ》って色っぽいよな
「使う?」とシートを1枚もらって、俺もたくさん掻いた汗を拭いた。
「ねえ、|坂崎《智之》くんって、|中谷《綾》さんと付き合ってるんでしょう?」と、いきなり聞く山脇さん。
「はい!」と嬉しそうに答えると、
「仲良いよね? どれくらい付き合ってるの?」と、短めのスカートで足を組み替え、カラダを俺の方に向けながら聞く山脇さん。
山脇さんは、いつもパンツスタイルが多いのに、そう言えば、今日はスカートなんだと思った。
足を組み替える姿に、思わず視線を足の方へと送ってしまう。
特に何とも思っていない女性でも、スカートでの足の組み替えは、つい見てしまう仕草の1つだ。
この時点で明らかに誘われていたようだが、俺はまだ気づかずにいた。
なので、素直に山脇さんの足を見つめていた。
──綺麗な足だな
男というモノは、バカだから、あわよくば隙間から下着がチラッと見えないかと、見てしまう動物なのだ。
そして、視線を戻して、
「もうすぐ2年半です」と山脇さんの目を見ながら笑顔で言った。
「そうなんだ! 結婚とか考えてるの?」と聞かれると、
「はい、そろそろ来年辺りに出来れば良いなって」と、ニコニコしながら答えた。
「へ〜良いわね。でもまだ彼女若くなかったっけ?」
「24です」
「ふ〜ん、結婚したがってるの?」と聞かれ、
「いえ、まだ何も言われてはいないですけど、そういうことは、俺の方から言いたくて」と言うと、
「そうなんだ、最近は結婚年齢も上がってるものね。どうなのかしらね〜?」と言う。
そんな話をしながら、山脇さんは、かなり呑むペースを上げて行く。
俺は、ゴクゴクと美味しそうにビールを飲む山脇さんの姿を見ていた。
「次、何呑む?」と、聞かれタブレットのメニューを一緒に見る。
「そうですね〜」と悩んでいると、
「私、赤ワインにしようかなあ?」と言う山脇さん
「良いですね」と付き合う。
「じゃあ、ボトルにしても良い? 一緒に呑もう」
と、赤ワインのボトルをオーダーする。
肉バルなので、当然美味しそうな肉も注文する。
そして、次々にテーブルに並べられる肉料理。
「牛タンユッケだって、美味しそう」と言う山脇さん。
「美味しそうですね」
「うん、はいどうぞ!」と、山脇さんは、取り皿に牛タンユッケを乗せて、俺に渡してくれた。
「ありがとうございます。いただきます!」
一口食べて、
「めっちゃ美味いっすよ!」と言うと、
「そう? じゃあ私も」と、お箸で牛タンユッケを挟み取り皿で受け、なぜか俺の目を見つめながら食べる山脇さん。
俺もなぜか目が離せず、ジッと見つめている。
ゆっくり山脇さんの口へと運ばれた牛タンユッケ、
「う〜ん、美味しい〜」と言いながら食べている。
そして、また、
「美味しいね」と俺を見つめながら、口の横についたソースを舌で取っている。
その仕草も素直な俺は、ジッと見つめてしまった。
──エロい
そして、
「コレもどうぞ」と、今度は骨付き肉を勧められ、
かぶりついた。
「うん、コレも美味いっす」と言うと、
「私も食べる食べる」と、山脇さんもかぶりつく。
いちいち俺の方を見る必要はないのだが、わざとなのか山脇さんは、俺を見つめながら、大きな口を開けながら、かぶりつく姿をなぜか見せられている。
「う〜ん、美味しい」と、今度は、指に付いたソースを舐めている。
なぜか、それが妙にエロい。
お酒のせいか、
──山脇さんって、こんなに色っぽかったっけ?
と思い始めていた。
そして、俺はようやく気づいた。
「あれ? 山脇さん、メガネじゃないんですね?」と言うと、
「うん、たまにはね。コンタクトにしてみたの、さっきまでは仕事だから伊達メガネをかけてたから。変?」と俺に聞く。
「いえ、そっちの方が良いですよ」と言う俺に、
「そう? ありがとう」と言いながら長い髪を掻き上げる仕草をする。
ほのかにシャンプーの香りがした。
──あれ? 髪も解いた?
「あ、髪もいつもは、束ねてますよね」と言うと、
「うん、一応仕事の時はね」と言う。
「今日は、なんだか色っぽいと思ったんですよ」と言う俺の言葉に、
「あら〜嬉しい〜イケメンの坂崎くんに言われるととっても嬉しいわ」と、言いながら俺の肩に、頭をコツンとした。
そして、「あ、ごめんね。ちょっと酔ってきたのかなあ? ワイン最強よね」と、俺の肩を撫でながら謝る。
コレがボディータッチされているとは、俺は全く思いもしなかった。
「大丈夫ですか?」と心配しながら倒れないように腰に手を回そうとして、触れずに手だけ差し伸べた。それだけで俺は、どこかドキドキしていた。
お酒の力もあって、俺もやや酔いがまわり出し、山脇さんのハニートラップに、かかり始めていたようだ。
それを見て、山脇さんは、俺の手を自分の腰に回させて、
「倒れないように支えててね」と言った。
そして、
大胆にも山脇さんは、俺の太ももに手を置き、
「ね〜彼女とは、どのくらいのペースで《《してるの》》?」と、耳元で囁く。
「え〜? ハハッ、平日は無理なので、週末に」と素直に答える俺に、
「そうなの? じゃあ今夜も?」と聞かれる。
「そうですね、綾の都合もあるので、後で聞いてみなきゃですけど……」と言う俺。
「私なら平日ももっと満足させてあげるのに」と、又耳元で囁かれる。
「ふふ、そうなんですか? 山脇さん、彼氏居ないんですか?」と聞くと、
「そうなの……だから……」と、俺の太ももに触れる手がどんどん内側を刺激し始める。
「あ、ダメですよ」と言う俺に、
「どうして?」と潤った瞳で見つめる山脇さん。
「付き合ってる彼女が居ますので」と頑張って言ったが、
「誰にも言わないわ。一夜限りってのも有りなんじゃない?」と、今度は、俺のカラダに自分のカラダを密着させて、わざと胸を当てている。
いつの間にか、ブラウスのボタンが一つ多めに開けられていて、上から覗くと谷間が見えている。
──思ったより大きいんだな
素直な俺は、またその谷間をきっちり上から眺めてから、今度は山脇さんの唇へと視線を誘導される。
半開きに開いた唇から少し出た舌がいやらしい動きをしている。
それをジーッと見つめている俺がいる。
完全に酔ってるな俺。
「あっ、酔っちゃた。ちょっと、休憩しに行かない?」と山脇さんに言われる。
「え?」とさすがに驚いた。
どんどんエスカレートして、俺の左側から、右手で優しく太ももを撫でられながら、どんどん内側へと移動する。
「あ、もう、それ以上は……」と言う。
「ん?」と目を見つめながら、撫でられる。
「じゃあ、行こうよ!」と誘われる。
「いや……」と言うと、
「じゃあ、ココで触るわよ」と言う。
ソフトタッチで下腹部を撫でられる。
「え!」
「う〜ん、もう窮屈そうで可哀想よ」と言う山脇さん。
「ダメですよ、こんな所で」
「だから……ねっ! 行こう〜お願〜い」と、甘えた声で誘う。
「いや……」
「いいじゃない、私が気持ち良くしてあげるから」と、更に耳元で囁かれる。
酔っているのもあって、もう、この時の俺は、理性を保つのがいっぱいいっぱいだった。頭では分かっているが、俺の下腹部は、素直に反応してしまっていた。
綾のことなど、既に考える余裕もなく、ただ欲望のままに誘ってくるこの女のハニートラップにかかってしまっている。
相手が誰であれ、ここまで誘われて、高揚してしまっている気持ちを抑えるために、
──ただ、目の前に居るこの女を抱きたい!
満たされたい! 気持ち良くしてもらいたい!
そう思ってしまっていたのかもしれない。
「行こう」と言う山脇さんの言葉と優しく摩られて大きくなってしまった下腹部に収集が付かず、ついに俺は一緒に店を出てしまった。
酔っていて、この辺りの記憶は曖昧で、お金は山脇さんが支払ってくれたような気がする。
そして、数分歩くとラブホテルが立ち並んでいる。
山脇さんは、それも調べた上で、ココでバルに入り、その後でラブホテルへ行きやすいようにと、計算づくだったのだろう。
腕を組んで胸を押し付けられながら歩く。
ふわふわと気持ち良く酔いながらも高揚していた。
ラブホテルに到着し、早々に部屋を選んでエレベーターに乗り込む。
そこで、すでに山脇さんから濃厚なキスをされた。
もう俺の気持ちも昂っているので、抑えられない。
そして、そのまま部屋に入ると、シャワーを浴びることもなく、玄関から始まってしまう。
服を脱がせながら自分も脱ぎ、ベッドに押し倒して荒々しく始まる。
「ああ〜んっ……」
「んん〜気持ちいい〜もっと〜〜」と言う声に煽られ激しく揺れる豊満な胸に、むさぼりつく。
「ああ〜んっ」
主導権を握りながら、彼女をめちゃくちゃにしてしまいたい! と今度は、目の前にいる彼女の秘部を攻める!
「もっともっと」と言われると、遠慮なく欲望のまま好きなように出来る。
「ココか? 気持ちいいか?」と、
「うん、そこ! あ〜もっと〜」と、激しさを求められると俺は、嬉しくなってしまっているようだ。
いつもの綾との優しいセックスではなく、こんなにも刺激的なセックスは初めてで、たまらなく興奮している。攻めて良いんだ!
そして、彼女はついに一度、果てたようだ。
しかも、同時に吹いている。
「スゲ〜!」
とても色っぽい声で大きく鳴いた。
実際に女性が吹いたのを目の前で見たのは、初めてで嬉しかった。
──俺が吹かせたんだ! という優越感
ベッドは、彼女のそれで、ぐっしより濡れていた。
しかし、彼女の声に激しく反応してしまい、すっかり立派になったモノを今度は彼女が優しく扱う。
「智之が上手なのよ! 次は私の番ね」と、言っていた通りに、とても気持ち良くしてくれる。
「ああ〜っ!」と声をあげているのは、今度は、俺の方だ。堪らなく気持ち良い。
「ああ、気持ちいい〜もう、ダメだ」
「ダメよ」と、静止させられて、いよいよ、彼女の中へ入る時が来た。
避妊具を付ける隙すら与えられずに、そのまま彼女が俺の上に跨り強引に彼女の秘部へと俺のモノが飲み込まれてしまった。
また、それがとても気持ち良くて堪らない。
「あ〜〜」まるで、俺の方がセックスされているようだ。
この人は、相当慣れているのか、気持ち良くなる術を知っているようなのだ。
とてもスローに上下にも前後にも……
そして、激しくぐるぐる腰を回されると、堪らなく気持ちいい。
「ああ〜気持ちいい〜」と声が出てしまう。
「うん、最高に気持ちいい〜ああ〜っ!」と、
彼女は、また俺の上で果てているようだ。
何度でもいける女だ。
このまま終わらせはしない! という気持ちが湧き上がってきて、彼女と上下逆になり、
今度は、俺が攻める、攻める! 攻めまくる。
「あ〜〜あ〜っ!」と目の前の女は、激しく声を出して鳴く。
主導権を握っているようで、堪らなく心地良い。
激しく突いても、「もっと〜」と言っている。
いやらしい女だ! 好きにしても良いんだな。
闘争心のようなものが芽生えて、
「こうか! もっとか!」と、めちゃくちゃに突きまくる。
「あ〜〜んっ、凄い! 素敵〜智之」と言いながら、キスを求める。
彼女を抱き起こし、また違う体位で突きまくる。
なのに、こんなにも喜んでいる女は初めてだ。
「あ〜あ〜んっ、凄〜い! 良い〜あ〜あ〜」と、
むちゃくちゃにして喜んでいる女。
そして、ようやく2人で果てた。
「ハア〜ハア〜ハア〜」
「あ〜んっ、ハア〜素敵」と言って彼女は、俺にキスをした。
その後に気づいた。
──しまった!
避妊具を付けていないのに、あまりにも気持ち良すぎて、俺は彼女の中で果ててしまったのだ。
そして、彼女の中から引き抜くと、1週間溜まっていたものを全て出してしまった後だ。
──まさか、たった一度のことで、子どもが出来たりしないよな
そのまま俺は、一眠りしてしまった。
そして、数分後、下腹部に違和感を感じて目覚めると又、彼女は俺のモノを元気にしている。
「え?」と言ったが、黙ったまま元気にされている。
そして、俺は又堪らなくなり、もう一度激しく彼女を抱いていた。
酔ったせいもあり、一眠りすると記憶が飛んだ。
性欲の強い彼女は、また俺のモノに触れ元気にする。そして又、俺は彼女を激しく突いている。
義務のように……
──何をしてるんだ?
と思いながらも、この気持ち良さから抜けられないでいる。まるで、盛りのついた犬のようだ。
彼女は、確実に俺の精子を得る為に、3度も俺に抱かせたのだ。
そして、朝目覚めると、頭が痛い!
ワインのせいだろうか……
隣を見ると山脇さんが眠っていた。
「え?」
眠る度に俺の記憶は飛んでいった。断片的にしか覚えていない。
でも……恐らく……
いや、俺は、この|女《ひと》を抱いたのだろう。
部屋には、脱ぎ散らかした服が床に落ちたまま。
それに、下腹部は軽く気持ち良さが残っている。
──あ〜なんてことを……
そして、綾! と、慌ててスマホを開いた。
綾から何度もメッセージが届いていた。
〈ごめん。ちょっと仕事でトラブル! 帰ったら連絡するね〉
俺は、初めて綾に嘘を吐いた。
1度嘘を吐くと、嘘を重ねることになってしまう。
シャワーを浴びて帰り支度をする。
山脇さんが目覚まして、「帰るの?」と聞いた。
「はい」と言うと、
「何? 他人行儀な、ふふっ、《《智之》》最高だったわ」と言った。
その後も会社ではバディだ。でも、もう誘われても食事にもホテルにも行かない! と決めていたので、一夜限りのことだと割り切り俺は、なかったことにしようとした。
最低だ。
────その2ヶ月後の11月
大好きな綾をいつものように、優しく抱いたつもりが、山脇さんとした激しいセックスの記憶があったからなのか、俺は綾を激しく求めてしまったようだ。
「ごめん綾」怖い思いをさせてしまった。
でも、俺は綾を愛している。
そして、綾が結婚の話を出そうとして来たので、俺からプロポーズをした!
OKをもらえて浮かれ気分で帰ると、電話が鳴った。
『出来ちゃたみたい!』と言われた。山脇さんだ。
「え? ごめんなさい。俺は、綾と結婚します! 堕してください!」と頼んだが、
『そんなこと出来ない! もう私28だし、この子を堕して次、出来くなったら、責任を取ってくれるの?』と言われた。俺の子かどうかも分からない。
すると、『あの素敵な夜の動画、綺麗に撮れてたわ』と言われた。
「え?……DNA鑑定をしてください」
『分かったわ! もし《《智之》》の子なら責任とってよね。最近は、《《智之》》以外の男とセックスをしていないもの』と自信満々に言われた。
──終わった……嵌められた……
と思った。