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マデスの体が闇の中で変化し始めた。戦士たちは息を飲む。マデスの姿は更に巨大化し、皮膚が黒い鱗に覆われ、両腕が強靭で鋭い爪へと変わっていった。目には銀の光が宿り、視線は戦士たちを貫くように見つめていた。
「これが第弐形態か…!」アレスは鋭く息を吐き、戦士たちに号令をかけた。「距離を保て!油断するな!」
マデスの変貌は驚異的だった。彼の体から溢れ出る力が周囲の大地を震わせ、空気さえも震動させるほどだった。その姿はまるで、神々の怒りそのものを具現化したかのようだ。
エリオスはマデスを見据え、分析していた。彼は導きの石を握りしめながら、軍に指示を出す。「この形態では、マデスは防御力を高め、攻撃力を引き出すだろう。だが、隙は必ずある。焦るな、冷静に動け。」
マデスは冷たい笑みを浮かべながら、討伐軍に向けて攻撃を開始した。彼の一撃は雷のように速く、そして恐ろしく強力だった。地面に衝撃波が走り、戦士たちはその力に押し流されそうになる。
「こんな力…どうやって対抗すれば…!」一人の戦士が震えながら声を上げたが、すぐにアレスがその肩に手を置いた。「恐れるな。一人ではない。仲間がいる限り、どんな脅威にも打ち勝てる!」
その言葉に討伐軍の士気が再び高まり、彼らは力強く前進を始めた。戦士たちはマデスの動きを冷静に観察しながら、少しずつ距離を詰めていった。マドレシスもまた、戦場の中心で力を蓄えながら、次の攻撃の機会をうかがっていた。
マデスは再び大地を揺るがす一撃を放ち、討伐軍に襲いかかる。しかし、その瞬間、エリオスがマデスの背後に現れ、導きの石を放った。石から放たれた光がマデスの動きを一瞬止めた。
「今だ、マドレシス!」エリオスの叫びが戦場に響き渡る。
マドレシスはその一瞬の隙を逃さず、全力でマデスに向かって突進した。彼の剣が光を放ち、マデスの強固な鱗を貫こうとする。
しかし、マデスはその攻撃を察知し、咄嗟に防御を固めた。「甘いな…!」
剣が鱗に触れると、火花が散り、マドレシスは力を込めてさらに押し進めた。しかし、マデスの防御は想像以上に強固で、剣はわずかにしか進まなかった。
「この程度か。これで終わりだ!」マデスは笑みを浮かべ、反撃に転じようとするが、討伐軍の全員が一斉にマデスに向かって攻撃を仕掛けた。
「我々を侮るな、我が物顔をしてるな」アレスが力強く叫び、戦士たちの一撃がマデスの体を包囲した。
マデスはその瞬間、力を振り絞って防御を強化するが、討伐軍の連携攻撃は彼の動きを次第に鈍らせていく。彼はこれまでにないほどの力を見せつけていたが、討伐軍もまた、彼に対抗するべく全力を尽くしていた。
戦いは激化し、マデスの第弐形態が徐々に追い詰められていく。その姿に一瞬の焦りが見えた時、マドレシスは再び剣を振りかざした。
「終わらせる!」マドレシスの剣が光を放ち、マデスに向かって突き刺さる。
その瞬間、戦場が静まり返り、全てが止まったように感じられた。討伐軍の戦士たちも、マデスも、全員がその光景を見守った。
果たして、この一撃が戦いの決着をつけるのだろうか?戦士たちは固唾を飲んでその結果を見守っていた。