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不眠症







あぁ、もう学校に着いちゃうな。




私が通う宮益坂女子学園は中高一貫校となっており、敷地が広く、大きな学校になっている。

もちろん人数も多く、部活動もさまざまなものがある。



「まふゆー!おはようっ!」




私は後ろから声が聞こえたため、振りかえった。



❄「ーーおはよう!ふふ、今日も元気だね。」


「もちろんっ!元気が取り柄だもんねーっ。」



この子はーー 。学校で休み時間とかによく一緒に過ごしている友達だ。


「あー!今日のテストやだぁー!」



❄「あれ、ーーはちゃんと勉強してきたの~?」


「なっ!?全部ワークは終わらせたぞ!?」


❄「はいはい、まさかーーが答えを写すなんてするわけないもんね?」


「えっ!!まふゆなんでそのことを知ってるの!?」


そんな会話をしながら教室へ向かう。


「─────!!」


❄「───。─────?」


「…。─────!!」










❄「よいしょっと…。」

自分の席に座る。今日の予定は…。うん。テストくらいしかないはず。部活もないからすぐに帰れそうだ。


そういえば、今日医者になるための本が届くんだっけ。



これで…何冊目…?





…いや、今はテストのことを考えなくちゃ。

今回もいい点数取らないと。






キーンコーンカーンコーン…


❄「やっと終わった…。」

ようやくすべてのテストが終わった。結構簡単な問題が多くて、時間が余ったな。



「まふゆ~!今回のテストいけるかも!」


❄「そうなの?よかったね!」


嬉しそうに話すーーを見て、少し羨ましく思う。


私も前まではあんなふうに───。









「あ!私今日早く帰んないといけないんだった!ごめんまふゆ!先帰るね!」


❄「あ、うん!ばいばいーー!」


❄「…私も帰ろうかな。」






帰路を歩く。

家に帰ったら何をしようか考えていたらいつの間にか着いてしまったようだ。



早く…、入らないと…。



ガチャ

「お母さん、ただいま。」


「あらまふゆ、おかえりなさい。」


キッチンの方から聞こえる母の声は、少し高らかのように感じた 。


「今まふゆの大好物のシチューを作ってるんだけど、ごめんなさい。まだ時間がかかりそうなの。少し待っててくれるかしら?」


❄「大丈夫だよ、お母さん。ふふ、シチュー楽しみだなぁ。」


「そう言ってもらえて嬉しいわ。そうそう、今日は北海道産の牛乳と牛肉を使っているの。いつもより美味しいはずだから、お腹すかせておいてちょうだいね。」


❄「そうなんだ。じゃあ、出来るまで自分の部屋で勉強しておくね。」





私は自室に行く。


…いつまでこの生活をするのだろうか。

しなくてはいけないのだろうか。




❄「考えても意味ないのに…。」









私はこのまま何も感じずに生きるのだろうか?







夕食も食べ終わり、母がくれた本を一通り目を通す。

明日の予習も予備校の宿題も終わり、あとは眠るだけだ。



❄「結局分からなかったな…。」



「…はぁ、もう12:30か。寝よう…。」




私はベッドに入り、目を閉じる。




…。

カチッ カチッ カチッ カチッ

時計の針の音が部屋に響き渡る。


❄「…。」






寝れない。


❄「寝ないと…。」


カチッ カチッ カチッ カチッ



…。







寝れない。



❄「なんでっ…!」






❄「…いやそんな慌てることじゃない。ホットミルクでも飲んで落ち着こうかな。」








私はキッチンへ向かう。








…お母さんは寝てるようだ。




❄「…よし、これで温めれば…。」

ピッ





…。

…安眠できる音楽とか聞いてみようかな、これだけだと眠れない気がする。




ピーッ ピーッ ピーッ



レンジが鳴った。


私はホットミルクを持って自室へと向かう。








少し階段が短いように感じた。







この作品はいかがでしたか?

142

コメント

6

ユーザー

まふゆちゃんの再現度高すぎる…!! こんなにうまく書ける人そうそういないよ!

ユーザー
ユーザー

わあぁぁぁぁぁ✨️ 最高❤︎ まふゆぅ...... そしてなんとも意味深な終わり方... やはりるるの作品たちは、毎回毎回期待を誘って裏切らない作品ですな(๑•̀ㅁ•́ฅ✨ これからも楽しみにしてるぜ!

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