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9 - 光の種、再起の芽吹き

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2025年07月08日

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《Layer:イレブン》の中心には、穏やかな風が吹いていた。

それはどこか懐かしく、そして温かい――まるで誰かの優しい記憶に包まれるような感覚だった。

アカネは深く息を吸い込んで、目を閉じた。

「……ここ、なんだか違うね。今までのレイヤーとは。」

アカリが微笑む。「うん。空気がやわらかい。心の中まで、少しだけ軽くなった気がする。」

ノエルは、ゆっくりと頷きながら、遠くの光を指差した。

「見て。あそこに、“芽”がある。」

三人が見つめたその先には、純白の大地の上にぽつりと浮かぶ、小さな光の芽があった。まだ弱々しく、それでも確かに生きている。

「これは……感情の“種”?」

「うん。喪失を越えた感情が、希望として芽吹いたんだ。今までは封じられていた感情が、君たちの記憶を通して形になった。」

アカネはその芽にそっと手を伸ばす。

すると――

ふわり。

光の種は温かく彼女の手に包まれ、まるで心に語りかけるように、声を響かせた。

『ありがとう。思い出してくれて。私たちは、きっともう一度つながれる――』

アカネの目に、自然と涙がにじむ。でもそれは、悲しみではなかった。胸の奥にあるものが、今、やっと形になってゆく。

「ねえ、ノエル。この世界、もしかして……少しずつ、変わり始めてる?」

ノエルは微笑んで答えた。

「うん。君たちが“感情を受け入れた”から、この世界にも変化が訪れた。これは、再起の第一歩だよ。」

アカリがくすっと笑う。

「なら、せっかくだし……このレイヤーに花でも咲かせてみない?」

三人は顔を見合わせて、小さく、でも確かな笑みを交わした。

それは、失ったものの上に、新しい未来を育てるという“希望”の証だった。

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コメント

1

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ノエル絶対見た目ショタじゃん

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