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フィクションです。
第四話
センシティブつけるかつけないか迷うくらいのセンシティブ。
僕たちはタクシーに乗って家まで帰る。別室で待機していた涼ちゃんとマネージャーにはこれでもかというくらい深々と頭を下げてきた。涼ちゃんはいつになくにこにこだったような気がする。
本当は夕方から収録の予定だったのだけれど、今日は二人でゆっくり過ごしな〜と言われてしまったのでお言葉に甘えて帰らせてもらった。
「「ただいまー」」
「あれ?涼ちゃん来てたの?」
若井の視線の先を見れば涼ちゃんの上着が落ちていた。え、忘れていったの?あの人。どれだけ天然なの…大丈夫?
「公園からの帰り道に会って、話聞いてもらってたの。」
「本当ごめん。」
しゅん…と分かりやすく落ち込む若井はまるで雨に濡れた子犬のようだった。普段は狼みたいなのにね。←
「もう大丈夫だからさ。そんな謝らないで」
「でも…涼ちゃんから震えてたって、…聞いた。」
え、涼ちゃん??いつ若井に言ったの?
せっかく強がっていたはずなのに…バレてるのか…えー…じゃあもういい?
「ちゅーして」
若井の目がぎらっと見開かれたような気がしてその後目が合う。上から優しく唇が落とされた。
すぐに離れていこうとする若井を背中に回した手に力を込めて止める。頭に若井の大きな手が置かれてゆっくりと撫でられた。触れるだけのキスに物足りなくなってしまった僕はちろっと舌を出した。歯列をなぞられてむず痒くなる。
撫でられていた手が止まった。
舌をちうっと吸われる。
「ん…っむ」
思わず声が漏れ出てしまった。
ふにっと唇が離れていく。僕らの間につぅと銀色の糸が伝った。頭がぼーっとして、虚ろな目をしている自覚がある。
「わかぁい…」
「いいの?」
NOを突きつけるほど僕はバカじゃない。
「はやく」
身体がひょいと持ち上げられてソファに投げ出される。
「今日は自制できないかも…」
「いいよ」
服の上から全身を撫でられる。ゆるりと 勃ちあがってきたソレが布をきつく押し上げている。 直接的でない刺激にジワジワと身体中の熱が高まってきた。身じろぎをすれば満足そうに若井が微笑む。
「わかい…」
「ごめんごめん笑」
あっという間に衣服が取り払われた。僕だけが生まれたままの姿であることが腹立たしくて、恥ずかしくて、若井の服に手をかける。
「…元貴、」
服を脱がせるのに若干手間取っていたら僕の顔に若井の指が触れた。若井が呼んだ僕の名前は低く、震えていて怒っているような泣き出しそうな声だった。
いつの間にか涙が出ていたらしい。
「思ってること、ちゃんと聞かせて」
不安気な顔をして、優しく問いかける若井をよそ目に僕はキスをした。
続きます。