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こちらはirxsのnmmn作品(青桃)となります
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ご本人様方とは一切関係ありません
リクエストいただいた、医者パロ青桃さんが同居するようになったきっかけの過去編のお話です
「一緒に暮らそうか」「うん!♡」みたいな甘々な話じゃなくてすみません…笑
でもうちの青桃さんってきっとこうなんですよね…
ずっとずっと、俺はたった一人だけを想い続けてきた。
それはいつからか、自分でも記憶が定かじゃない。
物心ついたときにはもう隣にいたし、その頃には既に「そいつ」は特別だった。
一番鮮明で古い記憶は、多分4才くらいの頃。
高熱にうなされるあいつが、「いふまろ、たすけて…」なんて俺の手を握ってきたときのこと。
すぐに麻疹が原因だと分かって入院が決まり、俺たちは引き離された。
それは多分数日か…長くても1〜2週間のことだっただろう。
だけどあの頃の俺にとって、それまで一緒にいて当然だったないこがいなくなるのは、永遠にも感じられるほどの苦痛だった。
小児科医を目指したのはそれがきっかけだ。
あれから必死に勉強して、中学でも高校でも学年トップの成績を死守し続けた。
その間もずっと、ないこは俺の隣にいるのが当たり前だった。
一歳年下のあいつは、それこそ迷いなく俺の後を追ってきた。
高校まで同じところを選んで、医者になるなんて将来の道も選択した。
それくらい一緒にいて当たり前だったはずなのに、いつからだろう。
俺の中で違和感を覚えるようになってきたのは。
きっかけなんて覚えてない。
ただ「このままでいいのか」なんて疑問が胸に不意に沸いた。
だって、俺はもう大分前から自覚していたから。
ないこに対する想いがただの幼馴染としてのものでないこと。
兄弟同然で育ってきたからといって、庇護欲に似たものが「兄として」のものなんかじゃないこと。
そんな想いを抱えている俺が、いつまでもこいつの隣に立っていていいわけがない。
ないこにはないこの人生があって、ないこが選ぶべき道は無数にある。
幼い頃から一緒にいるからといって、これまでみたいに当たり前のように俺の後を追うだけなんて間違っている。
ましてや自分の想いをぶつけることも、それで困らせることも本意ではなかった。
…離れなければ、と思った。
何も知らない純真無垢なままではもういられない。
そしてそれを実行できるのは、大学に合格した春…その機会しかないと思った。
合格したのは本命の私立大学医学部。
家から通えない距離ではなかったけれど、割と辺鄙な場所にあるため通学時間はそれなりにかかる。
医学部に入れば勉強に実習にと忙しいに決まっているから、それを口実に大学近くで一人暮らしをさせてもらえるよう親を説得した。
ないこは、怒るだろうか。
今まで当たり前のように一緒にいた俺が急にいなくなってしまったら。
怒らないにしても泣かせたくはないな…そう思いながらも家を出ることにしたと告げた俺に、あいつは「へぇそうなんだ」と小さく呟いただけだった。
…あろうことか、「そう言えば昨日テレビでさ」なんて、全く別のどうでもいいような雑談に切り替えられたりして。
離れると決めたのは俺自身なはずなのに、その反応に少しも胸が痛まなかったと言えば嘘になる。
引き止められても留まるつもりなんてないくせに、それでも「いやだ行かないで」と言われたかったのかもしれない。
そんな身勝手な自分の思考を自覚して、愕然とした。
…それが、大学受験が終わってすぐのこと。
それから諸々の準備に追われ、大学入学前の引っ越し当日、俺は今度は「はぁ!?」と素っ頓狂な声を上げた。
「あ、その段ボールはこっちにお願いします」
新居にて、てきぱきと引越し業者に指示を出している母親。
息子の一人暮らし初日を手伝いに来たはずなのに、その当事者である俺に見覚えのない荷物を指し示している。
「なにその段ボール!?」
「なにって、ないこくんの」
「は!!!!????」
さも当然と言わんばかりの母親の言葉に、思わず目を白黒させる。
「今日生徒会の用事があるけど、夕方にはこっち来れるって言ってたわよ。春休みなのに忙しいのね、生徒会って」
「いやちょっと待って!ないこが来るってどういうこと!?」
「どうもこうも、今日からここで暮らすんだから来るのは当たり前じゃない?」
え、聞いてないの?そんなわけないわよね?なんて眉を寄せながらも、母親は俺を放置してすぐに引越し業者との話に戻っていく。
…そこでようやく話が全て繋がった気がした。
家を出る、なんて言った俺に、ないこが大して泣きも喚きも怒りもしなかったこと。
物件探しをしている途中、母親が「家出るなら住む場所はお母さんに決めさせて」なんて言って、一人暮らしにしてはかなり広めの部屋を勝手に契約してきたこと。
…全部全部、ないこが俺について来ることが前提だったんだ。
俺に内緒で、うちの両親も自分の親も言いくるめたに違いない。
「……やられた…」
茫然と立ち尽くしながら、小さな呟きが漏れた。
「どういうことって…見たとおりのままじゃない?」
夜、母親が用意していった夕食を食べながらないこはきょとんとした顔で悪びれもせず言った。
「まろが大学進学で家出るから、俺も一緒に来たってだけの話じゃん」
「いやだから、それがおかしいんやって…!」
俺の方は目の前の皿に箸をつける気力もなくし、置いたままだ。
代わりにまくしたてるように言葉を継ぐ。
「ないこの高校はここからじゃそんなに近くないやろ!?」
「まぁでも元々家から距離ある学校だったし、自宅からよりはここの方がちょっと近くなったよ」
「今年受験生やし!」
「うるせー妹がいる家より、すぐ勉強教えてくれるまろが傍にいる方がいいよね」
「俺大学で忙しくなったら帰る時間も遅いかもしれんし…」
「俺だって予備校で遅いしね」
「飯とか家事とかどうするん!?高校生がそんなことしとられへんやろうし、俺もそんなにないこの面倒ばっかり見とられへんよ」
「…それまじで言ってる?今だって毎朝起こしてるの俺の方だし、家事全般だって俺の方がちゃんとできると思うけど。だからおばさんも『あの子に一人暮らしさせるよりないこくんが一緒にいてくれた方が安心』なんて言ってたんだと思うわ」
「……」
開いた口が塞がらないってこういうことを言うんだろうか。
反駁しようにも言葉は出て来ず、そのまま唇を閉ざすしかなかった。
「何でそんなに嫌がるんだよ、今更。俺がいたら不都合なことでもあんの?」
…ありまくりやろ。
そもそも俺は、幼い頃から抱いていた恋心を封印しようとしたことが今までにも何度かあった。
他に目を向けるためにも、高校時代女の子と付き合ったこともある。
だけどそれも毎回、結局はうまくいかなかった。
デートの約束の日にないこが風邪を引いたらそっちを優先したし、「幼馴染と私どっちが大事なの?」なんて漫画みたいなセリフを吐かれて振られたことは何度もある。
そんな自分の長年の想いを押し留めようとしているというのに、目の前に当の本人がいてどうする。
しかも2人きりで同居? どう考えても諦められるわけがない。
「文句言ってないでさっさとそれ食って、残りの荷物片付けちゃお」
俺の想いなんて知りもせず、ないこは最後の一口を口内に放り込みながらそう言った。
コメント
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医者パロありがとうございます…本当にあおば様の医者パロ大好きなので大感謝です!!😭💕 いつも青さんの予想の斜めすらも超えてくる桃さんが可愛くて面白くて…読む度に急展開に驚かされています> < 桃さんのことを想って離れようとする青さんと当たり前のようについてくる桃さんの掛け合いもまたくすっと笑えてお医者様になった時の相棒感&夫婦感とは違う良さがあって大好きです…!
本当にずっと桃さんのことが好きで、桃さんのことを1番に考えているからこそのすれ違いがいい意味でムズムズしてたまりません…!笑 それで引っ越そうと決意して引っ越した理由となった桃さんがついてきたときは本文から見て分かる通りすごいびっくりしてたんだろうなというのが感じ取れて好きです😳💘 素敵なお話、医者パロ更新ありがとうございます🤭🎀