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【お願い】
こちらはirxsのnmmn作品(青桃)となります
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ご本人様方とは一切関係ありません
家を出ることにした、まろにそう言われたとき「あぁやっぱりね」なんて思った。
最近のまろは、俺を避けるわけではないけれど適度に距離を保ちたがっているように見えた。
多分俺たちはその辺の「幼馴染」にしては距離が近すぎたから、「普通」と思えるくらいの距離感に戻したかったんだろう。
俺からしたら、「その普通って何基準なわけ?」って小一時間問い詰めてやりたくなるけれど。
大人になったとき、子ども時代のままの関係性でいられなくなることは当然あるだろう。
だけどそれは、まろが望むような「仲が良すぎる幼馴染」から「普通の幼馴染」にグレードダウンさせる必要性があるのか、俺にはどうしても理解できない。
「幼馴染」だけでいられなくなったなら、そこに新たな関係性を付加させればいいだけだろ。
多分この思考の違いは、俺とまろが一生抱えていくことなんだろうな。
まろが家を出るなら、ついていけばいい。
正面切ってそう宣言したってあいつは何だかんだ言って回避しようとするだろうから、まず親たちを説得した。
どんなにまろの頭が良くて優等生気質でも、普段の生活面では俺の方がよっぽどしっかりしている。
それを知っている両親たちを言いくるめるのはそれほど大変なことでもなかった。
引っ越し当日、全てを知らされて愕然とした顔のまろを無視した。
それからは「ほら見たことか」と言われないように、勉強でも生活面でも指摘を受けるようなことはないよう努力した。
食事は自分の分は自分で。
掃除や洗濯は当番制で(ほとんど俺がやることになるけど)、同居生活を送ることにデメリットを見出されないよう、裏側では必死だったとも言えるかもしれない。
そんな生活も慣れて落ち着いてきたある日の夜、まろが女に支えられながら帰ってきたことがあった。
俺も予備校の授業が長引いて、帰るのが遅くなった日だった。
マンションのエレベーターを降り自分の家の前まで行ったとき、「鍵出せる?」なんて甘い女の声が耳に届く。
バッと顔を上げると、足元もおぼつかない様子のまろが、その腕を女の肩に回して支えられているのが視界に映った。
瞬時に脳が沸騰しかけたけれど、斜め後ろから窺ったまろの様子から全て理解する。
…明らかに具合が悪そうだ。
「あの」
後ろから声をかけると、女は驚いたように振り返った。それを無視して、俺はまろを指差す。
「そいつ、体調悪いんですか?」
尋ねた途端、女の訝しげな視線が刺さった。
「…弟さんですか?」
「同居人です」
おそらくまろのことは一人暮らししていると思っていたんだろう。
「あ、そうなんですか…」とトーンダウンした声が返ってくる。
「皆で課題やってたんですけど、体調悪そうだからって私が送ることになって…」
きっとこの女は、具合が悪いまろを前にしても「役得だ」なんて考えてたんだろうな。
あわよくば一人暮らしのところに上がり込み看病して、それ相応の展開でも期待したに違いない。
俺という思わぬ登場人物に困惑しているのが手にとるように分かる。
「そうなんですか、ありがとうございます。後は僕がやるんで大丈夫です」
女の腕からまろを引き剥がし、自分の肩に腕を回させる。
玄関の扉を開けながら、「お気をつけて」とだけにこりと笑って言い置き、バタンと大きめの音を立ててそれを閉めた。
「…めちゃくちゃ熱あるじゃん」
触っただけで熱い。
意識も虚ろなのか、返ってくる返事はなかった。
まろのでかい図体をベッドにおろし、念の為体温計を脇の下に差し込む。
その間に風邪薬を取ろうと棚を開けた。
その間もちりちりと、苛立ちが焦げ付くように積もっていく。
いくら熱で意識が遠のいてるからって、あんな女に触らせんなよ。
「あわよくば」なんて、1ミリでも勘違いさせるな。
「…お前に触っていいのは俺だけだろ」
ちっと舌打ちまじりに言って、風邪薬を手にベッドの方へ戻る。
「まろ」ともう一度呼びかけたけれど、やはり返る声はなかった。
音を鳴らして止まった体温計は、やはり高熱を示していた。
首の下に腕を差し入れ、少しだけ頭を起こさせる。
その唇の隙間に、持ってきた錠剤をぐいと差し入れた。
そこに水を流し込めば、意識は薄れていながらも何とか飲み込むだろう。
そう分かってはいるけれど、俺は持っていたペットボトルの水を自分でぐいと呷った。
「……」
口内に水を含んだまま、まろの唇に自分のそれを重ねる。
かさついたその唇の隙間から水をゆっくり流し入れた。
こぼさないように慎重を装って、ただその瞬間に浸りたいだけのために。
ごくん、とまろが水を飲み下す。
それを確認してからそっと離れた。
頭を枕に戻し、まだ呼吸の荒いまろの胸の辺りに手をやる。
甘ったるいあの女の香水の匂いが未だまろのシャツに残っている気がして、苛立ち混じりにぷつぷつと一つずつボタンを外す。
熱があって寒気がするのか、一度まろがぶるりと身震いした。
「まろ、着替えるから腕抜いて」
聞こえてるのか聞こえてないのか分からない相手にそう指示しながら、俺はまろの上に馬乗りになるような態勢で更にボタンを外していく。
胸が、腹が…と、順番に素肌が露わになっていった。
…俺はお前のもので、お前は俺のものだろ。
そんな独占欲に似た感情が腹の底で蠢くように渦巻く。
その想いを誇示するように、まろの鎖骨の下辺りに唇を寄せた。
じゅ、と歯と音を立てて強く吸い上げると、紅い花が咲くように散る。
…もういいだろ。
何年大人しく幼馴染みをやってきてやったと思ってんだよ。
お前が離れようとするなら、俺はその分距離を詰めるだけ。
逃がすわけがないだろ。この手は絶対に離さない。
「…覚悟して、まろ」
胸倉を掴むようにして、前のはだけたシャツをぐいと掴む。
聞こえてないはずの相手に脅し文句のように低い声で囁いてから、上から覆い被さるようにしてもう一度その唇にキスをした。
コメント
4件
過去編嬉しすぎる……✨️ 不調で画面見れなかったから2話まとめて読みましたがどっちサイドも良すぎてもうほんと尊ぉ…… 🍣くんの人生を想って冷静に自分を押し♡♡♡🤪さんと自分の心に蓋をせずに、でも隠しながら離れさせずに何がなんでも一緒にいる選択を取る🍣さんなぁ……学生時代だからこその今?より多少幼さと言うか若さのある雰囲気がもう最高にありがたい……ありがとうございます!!次回も楽しみに待ってます!!!

そう来るのか! ①で諦められないっていう青さん視点で終わったから青さんが桃さんに対しての思いを我慢できない感じの展開かと思ったら、桃さん側が詰めてくる感じだったとは✨
早速タイトル回収…!!✨️✨️ 桃さん視点だと青さんとは違う溺愛…?具合が見れてすごい楽しいです😭💘 荒く雑な独占欲を隠れて青さんにぶつけるの桃さんらしすぎて…🫣💭 嫉妬して口渡し水飲ませ…うわぁぁ本当にキュンキュンが止まりません💘💘 今日も更新ありがとうございます🫶🏻🤍