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次に目を開けた私は知らない場所にいて、この女はニコリと狂気的な笑みを浮かべていた。 私はわけも分からずただ女に抱えられていた。ゆっくり降ろされて女はどこか嬉しそうな……でもどこか悲しそうな顔で前を向いていた。私も前を見たが古びた屋敷がたっていた。女はここに未練でもあったのだろうか……
「ここは?」
と問いかけると女は我に返ったのか私を見た。そして疑問な様子で
「孤児院」
と発した、まるでここがそうであることが当たり前かのように。私は、女の言っていることが分からなかった。古びたこんな屋敷が孤児院なんてありえない。そうなると経済的に不安定ってことになるのだ。そしてこの屋敷からは人ではない何かの声と気配がする。まるで遊んでいるかのように活発に動き回る気配だった。私はその恐怖を隠しながら
「なんで?」
と問いかけた。女は「まぁ……」と少し間をかけて考えていたと思ったら、上機嫌に「いいからいいから」と言う。そして前の屋敷の扉の前まで来ていた。いつの間に?という言葉を発しようとした途端、屋敷の扉が開いた。そして女は私を無理中へ入れようとする。
すると、横から
「院長先生……その人……だれ?」
と幼い声が聞こえる。どうやら屋敷の中の不気味な存在が外へ出てきたようだ。私は咄嗟に女の手を振り払い後ろへ飛ぶ。女はびっくりしていた、どうやら地面をけった反動で石が女の頬に当たって切っていたようだ。
少女は、動揺もせずただ立ちつくしている。女は体制を立て直し、少女に
「あー、新しい家族」
続く……