テラーノベル
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と軽く言う。私は思わず「え!?」とこぼしてしまった。少女が不服そうな顔で私を睨んでいた。とてもその視線が痛くて仕方がない。少女は、私を睨みつけてから 「私、院長先生や他の子以外に家族なんていらないよ」
と私を拒否していた。そして、屋敷の中からもう1人出てきていたようだ、その子を見てから、少女は同意を求めるように、少年の顔をチラッと見て、手を出して聞く
「弓月もそう思うでしょ?」
と言って少女は、少年の返事を待っていた。少年は、少し疑問を持ったのか少女の方を見て首を傾げてみせる。少女は、同意を得れなかったと察したのか少し不安な顔をしていた。
「俺は賑やかそうでいいと思うけどな」
と、今少女にいちばん言ってはいけない言葉を発した少年。それを見ていっそう顔が青くなっていく少女。少女の口からは「え……」と心の悲鳴が出ていた。
その不穏な空気を遮るかのように雨樹は、二人の間に入り
「ということだからよろしく!」
と、少女の濡れた頬を拭いながら言っていた。ハンカチはどんどん黒色へと染まっていく……黒く染っていくハンカチを横目に私は女に問いかけた
咲「よろしくしたいなら名前……そろそろ教えろ」
とわれながら照れくさい。そもそも、人の名前などあまり自分から聞かなかったため。その後の会話も全く分からない。そんな中、女は嬉しそうに私の顔を見ている。本当に気味の悪い女だ……。女は一旦目を閉じて、再びこちらを見た。そして、私の目をしっかり見て
雨樹「僕は夜白 雨樹(やしろ うき)、神王候補の1人だよ」
と名乗った。
神王候補、その名の通り神の王様だ。この世界にはそんな存在を目指す宗教などもあったが、どうやら本当に神という形はあったようだ。しかしそんなことを一瞬にして思う前に先に声が出てしまった。
咲「え……神……さま……???」
続く……
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