テラーノベル
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歩き始めて数時間。ふと違和感を覚えた。
先程から一向に森を抜ける気配が無い。同じ場所を歩いている気がして、木に印を付けて真っ直ぐ歩くが、同じ場所に戻ってきた。
「…幻術?」
「その可能性が高いと思います。サーチに人は引っかかっていません。」
「多分、私もその幻術にかかっていて、犯人が掴めません。不甲斐ないです…」
申し訳なさそうに顔を俯かせるナターシャの背中をゼナは撫でる。ナターシャに3人は仕方ない、と慰める。
「幻術系は全く無知なんだよな…」
印の付いた木に触る
「ルカ…俺がなんの属性か忘れた?」
シャルロットの言葉にキョトンとしたルカはあっ、と思い出し、指を鳴らした
「そうか、闇属性!」
「そう、幻術は俺に任せて」
闇属性は光属性と同じ幻術が使える。闇属性について、過去も現在も、どの文献にも詳しい情報が残されていない。それ故に、使う魔法についてよく知られていない。相手が光属性の幻術なら、闇属性の幻術の方が強いという事も相手は知らない
シャルロットの影が揺れ、空間を飲み込むように広がる。暗闇にヒビが入り、割れる。そこは森ではなく木が周りに囲うようにあり、陽の入る開けた場所だった。
「そういう事ね」
ルカが呟き、目の前の木を見据えた。ナターシャの剣が木を斜めに切り、倒れる。その裏にいた男の手元に展開されていた魔法陣が崩れる。
「くそっ…!」
男が剣のグリップを握り、カチャ、と音を立てて抜き、ルカに切りかかる。
「抜く時、音なんか立てたら対策されるよ?」
音もなく抜かれた剣が男の剣を弾き飛ばし、そのまま流れるように一撃が入った。ルカはそのまま抜いた剣で右側から飛んでくる風魔法を切り、左手で風魔法を放つ。
風魔法を放った者はルカの攻撃をギリギリで防いだが、視界が遮られ目の前まで来ていたシャルロットに気付かず、水魔法による攻撃でリングにヒビが入り、リタイアした
他2人はゼナとナターシャが倒したようだ。
その後、気絶した生徒四人は教師によって運ばれて行った。
「このままいけば夜の内に付けますけど、どうしますか?」
「このまま行こうか」
「あたしはそれでいいと思う!」
「俺も」
真っ直ぐ歩き続ければ魔獣に遭遇したりしたが、それは食料にして時々休憩しながら進み続け、森を歩いていると、光が差し込み、開けた場所へと出た。
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「まさかこんなに早くつけるなんて思わなかった!」
「他の生徒は見当たりませんね」
リルはシャルロットの肩から降りてシャルロットの胸に飛び込んだ。撫でていると、ナターシャがリルを見ていたので抱き上げて渡すと笑顔になって撫で回していた
「ふぅ…私達はここで失礼しますね」
撫でて満足したのか幸せそうに息を吐いてリルを離す。
「シャル様とルカおやすみ〜!」
「おやすみナターシャ、ゼナ」
「おやすみ。リル、ボザボサになってる…ふ、ふふ」
撫で回され、毛が一部逆立っているリルを思わず笑ったシャルロットの顔に毛玉が飛びつく
「うわっ!?」
またね〜と手を振る三人と顔にリルを貼り付けたまま振るシャルロット。全員、寮に戻る
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寮に戻り、少ししてふと、気になった事を呟く
「[[rb:本編 > 前]]では魔獣が襲ってきたけど、来なかったね。」
「あー、遭遇はしたけど…もしかしたらリルかも?」
本来であれば、ロイ・シャルロット・ルーカルといち生徒でグループを組んでいた。その時は魔獣に襲われていたが、今回は襲われなかった。その時にもフェンリルはいたから怪我をせずに済んでいた。
「…あれ、前にもリルは居たけど襲われてたよな?」
「そうだね。俺、あの時強くなかったからリル頼りになってたけど…」
「なんで今回は襲われなかったんだろうな」
「…ステータスに変化があった?」
シャルロットはリルを抱き上げて《ステータス》と唱えた。
《ステータス》
種族 フェンリル
リル
火の属性
水の属性
フェンリル自体が、主となるべき者を見つけると自動契約を行う。
神の加護▼
発動条件
・フェンリルから主への信頼度で変化。
・主による溺愛度でも変化される。
愛と守りの神による加護能力▼
・愛情に左右され、防御力が上がり、主やその仲間にも付与が出来る。
・低級魔物は近づかなくなる。
フェンリルの長による能力
・身体の大きさを変えられる。
・属性による攻撃。
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小説で書かれていたステータスよりはるかに強い。
リルを下ろすとルカの方へ走り突っ込んでいた。
ぶつかる前にルカの風魔法で浮かされ、脚をバタバタと動かしてゆっくりとシャルロットの頭の上に乗る。サイズが小さめだからか、あまり重さを感じない。
「楽しかった?」
首を傾げて、てしてしと頭を手で叩き始めた。
「シャルも一緒にやろって言ってるんじゃない?」
「え?…なっ!」
「おいで〜」
ルカが手を引くと、それに釣られるようにシャルロットが勢いよく胸に飛び込む。
「危ないだろ!」
胸にぶつかった鼻を擦りながら見上げるとニヤニヤと何処か嬉しそうな笑顔でルカはシャルロットの[[rb:元結 > もとゆい]]を外した。
「そろそろ寝よっか」
『!』
リルがシャルロットのベッドの枕を咥え、爪を布団に引っかけ引きずりながらルカのベッドに持ってきた。
「ナイス、リル」
リルが持ってきた布団を受け取ったルカがシャルロットを巻き込み、布団に包まる。シャルロットは声を出そうとしたがルカの胸元に顔を押し付けられ、もご、とだけで終わってしまった
リルがルカの布団も爪で持ってきて上に掛ける。二人の間に入り込む。
シャルロットの視界がリルの毛で埋め尽くされた。
まぁ、いいか。シャルロットはそう思い、リルの身体に顔を寄せ、身体の力を抜いた
(もふもふ…)
「寝た…おやすみ、シャル。」
『きゅ』
「リルもね、おやすみ。」
シャルロットの頭にキスをすると動き、鳴いたリルにもキスをした。
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13話 エンド 12⁄4
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