コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
思っていたより心も体も疲れていたらしく、いつもより遅い時間に起きてしまい急いでかるてっとさんの居る部屋へ向かう。 すると、そこには居るはずのない人が見えて思考が止まる。
「な、なんではこたろーさんがここに居るの……?」
理解が追い付かなくてかるてっとさんの方を見る。かるてっとさんは自分が居場所を言ったわけじゃないと主張したいのか、慌てて頭を振っている。
「かるてっとさんが僕に言ったわけじゃないですよ。むしろ昨日電話したときに居ないって言われましたし」
はこたろーさんがそう言うということは、本当にかるてっとさんは俺の居場所を黙っておいてくれたのだろう。しかし、そうなるとなぜこの居場所が分かったのかという疑問が残る。
「じゃあなんで……」
「もしじらいちゃんがメンバーの人の家に行くとしたらかるてっとさんの家かと思って」
はこたろーさんは俺がここに居るという確証もないまま来たのだろうか。てっきり頭で考えて確証を得てから行動するタイプだろうと思っていたのだが、そんなこともなかったらしい。そういう所はしるこさんに似たのだろうか?結構茶目っ気のある人だし。
「……黙って出てきたりしてごめんなさい。連絡も、くれてるの分かっていたのに無視しちゃって……」
「それはもう過ぎたことなのでもういいです。それより、少し話し合いませんか?」
はこたろーさんは、神妙な面持ちでそう言う。
話し合いたい、というとやはり別れたい……ということだろうか。覚悟はしていたものの、やはり本人から切り出されると、別れたくないという気持ちが邪魔をする。はこたろーさんからの愛はなくてもいいから、じらいちゃんの「好き」を否定してほしくない、と。
かるてっとさんは空気を察してくれたのか、自室の方へ行ってしまった。正直、まだ心の準備もできていないし、はこたろーさんと二人きりで話すことは避けたいのだが、こういう状況になってしまったのだから、もう腹をくくるしかないのだろう。