狐と鳶と

買い物中のなるみちゃんたちに

偶然出会った

『や　久しぶり

二人でお買い物？』

『うん　ちょっと電子レンジ

調子悪くて買い替えようかなって

トビは一人？』

なるみちゃんと話し始めると

カズくんが　明らかに恐怖に

縮み上がってて　面白い

尻尾を巻き込み　逃げ腰の狼

記憶はあるんだね

大丈夫　なるみちゃんに

言うわけ 無いじゃん

なるみちゃんを怒らせるとか

ワタシも怖いもん

本気でワタシに危害を加える

気はなかっただろうこと

は　分かってる

が　ビビらされたし　凹んだ

ワタシ　何も悪くないのに！

と　いうことで

『パフェ食べたい　あそこの

美味しいらしいよ』

店内の一角を指さす

『なるみちゃんも

食べたくない？』

『カズくん奢って』

3人でパフェ食べた

なるみちゃんは　カズくんが

酔っ払って 青桜と喧嘩して

ワタシにも 迷惑かけた って

いうくらいの認識のはず

カズくん　あまりビビってると

後で　何をやらかした？って

なるみちゃんに詳細を

詰められるぞ？

まぁ　ワタシには関係ないけど

あと　青桜に出会さないように

気をつけなよ？

アイツは自分が原因を作ったとか

関係無しに倍返しにするタイプだ

ワタシ的には　終始ビビり倒す

カズくんが 笑えたので

コレでチャラにしてやろう

もう皆んなで遊ぶとかは

できないかなぁ

スノボ　また皆んなで

行きたかったなぁ　 残念

青桜と二人で行くとか　嫌だ

振り回されるの分かってるし

すでに　ワタシが教えられる

ことは何も無い

友達が離れて行くのは

寂しい　でも仕方ない

友達は　そうそうずっと一緒に

いられるって ものではない

青桜もそうだ

なんかナシ崩しにそういう関係

になってしまったが　恋人には

なれないんだから友達だ

SE×も　しちゃってるけど友達

略したらセフレ　 ..なんか凹む

結局　セフレになっちゃった

ワタシが面食いだから

面のイイ男友達に迫られて

間違って一度だけ

一線超えちゃった　だけ　と

なんとか誤魔化そうとしてきた

でも　もう無理だ

自分を誤魔化せない

自分も青桜が欲しいと思った

求められ応えてしまった

それにカズくんに押さえつけ

られた時　 本当にゾッとした

少しも　ドキッ　とかする

ことは なかった

カズくんは顔がタイプだし友達だ

なんなら　最初のころちょっと

気になってた　まである

でも　無理だった　嫌だ

青桜でなきゃ

見た目良ければ誰でもOKな

ビッ×になった訳じゃなくて

良かったと思うべきか？

あんなのをこんなに本気で

好きになっちゃってどうしよ？

ーーーー

久しぶりに　千夏ちゃんと

飲みに行った

以前はよく飲みに行っていた

飲み仲間だった

彼氏が出来てから 行ってなかった

けど 大分溜め込んでいたらしい

出るわ出るわ　 彼氏の愚痴

こっちも現状をぶちまけた

『そんなことになってたとはね』

『そんで　どうしたいの？』

聞かれてもよく分からない

本命の彼女になりたいとか

ましてや結婚したいとか

考えてない

さりとて　このまま都合のイイ女

を続けていく気もない

..のに　離れられない

少し前に　仕事の研修で どこか

行くってことで （たぶん嘘）

1ヶ月以上　家に来ない時が

あった

本当に苦痛だった

以前の生活に戻っただけ

なんだけど　死ぬほど退屈で

鬱になるかと思った

この間に本当の彼氏作ってやる

とか思って合コンなんかにも

行ってみたが　 全然ダメだった

なんだかんだで　自分は単純だ

好きな人がいるのに他で恋人を

作るとか　そんな器用なこと

できるタイプじゃないと

思い知っただけだった

そして　久しぶりに青桜の顔を

見たら　 ホッとした

電波届かないような場所の

研修ってなんなの？とか

1ヶ月以上行ったきりとかある？

絶対嘘やろ

とか　ツッコミたいことは

ヤマほどあったけど

顔見たらどうでも良くなった

『なんか　やつれた？』とか

心配してしまったくらいだ

これを依存してるっていうん

だろうなぁ

『なんでそんな嘘に引っかかる？

とか思うじゃん？』

『ヒトは信じたいことを信じる

的なこと？』

『うんにゃ　嘘だと思ってんのに

騙されてあげるんよ』

『一緒にいたいから 』

『ううわぁ　ご愁傷様です』

『ただ　一緒にいる時間が好きで

一緒にいる時間は楽しく

過ごしたいから本当のこととか

将来のこと とか　いらない』

『ちょ　それは　ちょっと..』

『分かってるよぉ　そこは』

『あっちからしたら都合イイん

だから　あっちから切っては

くれないからさ』

『自分でケジメはつけるよ

どこかで』

『それが分かってんなら イイよ

自分が納得するまで 頑張んな！

めっちゃイイ女に なって

離れるときアイツが 手放したく

ないって泣くくらいに 』

『あはは　道は遠いなぁ

頑張るよ』

『ところで　どんなもんなん？

あちらのほうは』

『基準がアイツだけだから

分からんけど普通なんじゃ無い

かな？』

『自己中っちゃ自己中かも

だけど　ワタシがそうさせてる

のも　あるからなぁ』

『あのさぁ　ワタシだけなのかな

一方的にイかされるのは凄く

腹立つんだけど』

『どゆこと？』

『 自分の身体を好き勝手される

のは凄く屈辱的っつーか

恥ずいっ！　』

『 だからこっちから

お断り してんの　 前戯で

イかせようとしてくるのは』

『人肌に触れるの好きだけど

触られんの嫌いみたいな？』

『慣れじゃないの？ソレは

それか　アンタの攻め気質の

せいかな？』

『攻守交代させてもらえば？』

『百戦錬磨のヤツを相手に

主導権を取れとおっしゃる？』

『いや　お願いして胸を貸して

もらう的な？』

『部活かなんかのノリか？

そういうのもありなの？』

『なんか　面白がってない？

千夏ちゃん？』

『そりゃ面白がってますよ？』

『受け攻め逆転モノ好きだし』

『BLじゃないんですが』

そうだ　飲み仲間だし

唯一の 腐女子仲間だったわ

このヒト

性別　性自認　性癖　本命　浮気

なんか　 わざわざ　分類して

みたり して　悩みを増やすのは

なんなんだろう？

これは　ヒトゆえの悩みですか？

それなら仕方ないと受け入れる

けど

じゃあ　アイツなんなん？

ヒトの迷惑とか考えてないし

ヒトの分類やら常識やらに

囚われてるように見えないが？

アイツ　ヒト　じゃないん？

なんの化け物だよ