テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
何度か遊んだことのある青桜の
友達から電話が掛かってきた
何やら酔っ払って歩けないから
トビに迎えに来てもらうって
言ってるんだけど? とのこと
『無理! 聞いてないし
明日早いんだけど』
って言ってんのに友達も
青桜も酔っ払ってて 伝わらない
酔っ払いの伝言ゲームなんか
伝わる訳ない
直接話させてもらっても
「いいからぁ 迎えに来て
くれないと他のコにお持ち帰り
されちゃうよー」
だと? 何を今さら いつもの
ことじゃん
『チクショーめ どこの店だ?
行ってやるよ』
迎えに行くと 酔っ払い集団の
中に友達に支えられた青桜がいて
車の後部座席に寝かされた
『えー 帰っちゃうのー?』
『このヒトが?』
『彼女さんですかー?』
一緒に呑んでただろう女のコ達に
声をかけられる
『違います 友達です!』
『仕方なしに 回収する
だけです じゃあ』
所詮 セフレの一人
自分を蔑むような言葉が頭に
チラつく
車を走らせ
青桜に声をかける
『ちょっと明日仕事なんだけど』
「…」
『迎えに来て欲しいなら
事前に言っといてよ!』
「…」
反応がない酔っ払いに
何言ったって無駄だ
家に着いて起こそうとしても
全然起きない
背負って運ぶのは無理だし
どうしよう?このまま車に寝かせ
とくか?と考えて
せめてベルト緩めてあげようと
ガチャガチャと外していると
目を瞑ったまま青桜が
クスクスと笑い始めた
「好きにしていいよ…」
なんだと?誰が相手か分かって
言ってる?
普段からこの手口 使ってんだな
送らせ狼 とは高度な技を使い
やがって!
額をペチンと叩いてやると一瞬
薄っすら目を開けて頭をもたげ
青桜が 呻いた
「トビ?」
やっぱり誰彼構わずやってんなぁ
『ほら ベットまで歩いて』
肩を貸してようやくベットまで
歩かせて乱暴に寝かせた
「ゔっ なんでトビん家?」
不服そうな青桜に
『アンタに呼び出されて 嫌々
迎えに行ったんですけど?』
『何かご不満でもっ?!』
「すみません..覚えてません」
『さっき好きにしていいって
言ってましたが?』
「言いました?」
『言ってました』
ワタシは青桜のシャツのボタンを
1つ外し首元の目立つところに
口付けた ちゅッと音がするほど
吸ったが 跡は残らなかった
意外と難しいな
コイツが困るようなところに
キスマつけてやろうと思ったが
上手く出来ない
「いいよ マジで 好きにして」
くすぐったいと笑い なんだか
喜んでいる
目は瞑ったまま ふざけた
戯言をぬかしている
喜ばせようとしてる訳では
ないんですが?!
どうしたら 嫌がらせになるんだ
とりあえず どのみち着替え
させたいのでシャツのボタンを
外していく
コイツ 肌 綺麗なんだよなあ
羨ましくなるほどだ
はだけた胸元に見惚れてしまう
うーん 酩酊して半分意識の
ない男を脱がせている…エロっ!
いやぁ コレ 楽しいっ!
あ そうだっ!
良い嫌がらせを思いついた
脱がされかけのシャツを
最大限エロい感じに整えて
いろいろと角度もかえて半上裸の
写真撮ってやった
某雑誌の表紙かな?
な出来映えに撮れたんで
青桜の スマホに 送る
雑誌風のタイトルも添えて
.. 一人吹き出しながら
左胸に傷痕がある 綺麗な肌に
引き攣れた醜い瘢痕
好きなんだよね コレ
なんでか凄く エロく 感じる!
ワタシの癖なんだろうなぁ
最初見た時は まずは 女に
刺されたん?って聞いたけど
大体察しは着いてる
若い男性に多い疾患の治療痕だ
青桜の返答は予想通りだった
ま すぐに治るしこれ自体が
命に関わるような ことはまずない
コレで入院してる時にタケル君
と友達になって現在に至る
とのこと
タケル君は先輩の病棟に
入院してた患者さんだったから
ワタシ達が出会うきっかけとも
言える傷痕だね
その後もじっくり楽しませて
頂いた
普段は ワタシが絶対
電気を消させるから
よく拝めない 傷痕やら
マッチョってほどでは
ないけど綺麗についた筋肉やらを
撫で回し キスを落とし
腕や足 背中も 満喫して
部屋着に着替えさせ 終えた
ちょっと元気になってきた
青桜の青桜くんは放置して
満足したワタシは眠りについた
早朝 目が覚めた青桜に
絡まれ一度起こされるが
仕事だからと 断固拒否
これで嫌がらせを敢行できたと
大変満足して仕事に行った ワタシ
のスマホには
鼻の穴がバッチリ写り
口も半開きの ブッサイクな
ワタシの寝顔の写メ
が 送られて来ていた
『止めよう!もう無益な争いは
盗撮は犯罪だよっ』
「オマエが始めた戦争だろ!」
『大体さぁ ワタシは綺麗に
撮ってやったじゃん!』
「何言ってんの?毛穴まで
綺麗に写ってるの選んで
送ってやっただろ?」
『画質の話しじゃないし』
『は?選んで?他にも撮った?』
『全部 見せて!消して!』
「あほか 見せられるか」
『他のコの写真なんか見ないよ
昨日の日付けのワタシのトコ
だけ確認させろー』
「じゃあ オマエのほうも
見せろ 消せよ」
『いいよー』
昨日の 青桜 セミヌード写真集
を 本人に公開する
「同じようなの
何枚撮ってんだよ?連写?」
『分かってないなぁ』
『ほら! コレなんかさ
シャツで微妙に隠れてるほうが
エロい じゃん?』
「知らねぇよ」
「何で エロく撮ろうと
してんだよ?」
『雑誌のモデル見たいで
笑えるじゃん 分かんない?』
「…分かんねぇ」
『ねぇ この送ったヤツだけ
残してイイ?最高傑作』
「好きにすれば?」
次にワタシの寝顔写真を消して
もらう
『結構 可愛く撮れてるのもある
じゃん こっち欲しかった』
『送ってもらってイイ?』
「….」
「じゃ オレはコレ
残して イイ?」
指さされたのはワタシから見たら
可もなく不可も ない1枚目の
寝顔写真 だった
『..?イイんじゃない?』
ヒトの好みも性も癖も千人いたら
千通りだよね 千差万別ってヤツ
ワタシはやっぱりされるより
するほうが好きみたいだなぁ
何てちょっと考えてたら
何を勘違いしたか 青桜に
グイと肩を組まれ頬を寄せる
ようにした2ショット自撮りを
撮られた
ほらよ と送られてきた 画像は
定番の上目使いの ザ自撮り
なヤツになってた
うん まぁ
さっきからチラチラと
女のコとの2ショットは
目に入って来てましたよ?
事後っぽいヤツもね..
なんだか ワタシはムスッと
した顔してる
『いきなり撮んな
可愛く撮ってってば』
「可愛く写れよ」
もう一度 めいいっぱい
きゅるるんとした顔で
写ったら 「ムリがある」
と 爆笑された