コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「なのちゃ、それっ、……ビジュアル的にすげぇヤバイ」
ふわりと頭を包み込むようにたっくんの大きな手が髪を撫でて。
眼前のモノがピクンッと脈打って角度を変えた。
私のすることにたっくんが反応してくれている。
そう思うだけでうっとりするような酩酊感に包まれる。
「菜乃香、ホントに……このまま続けていい、の?」
「いい……よ? って言うか、したい……です……」
見上げた私の瞳は、自分では確認できないけれど、きっと淫らに情欲の色を含んで潤んでると思う。
たっくんはそれを確認すると、硬く勃ち上がり始めた雄芯を服の中から引っ張り出してくれて。
私はその様を釘付けになったように見つめ続けた。
いつもならば何てはしたない、って恥じらうところだと思う。
だけど今は……。
そんなことを感じているゆとりもないほどに、私はたっくんに欲情していた。
そうして、恐らく私の眼前に欲望をさらけ出してくれているたっくんも――。
「菜乃香。お願い……」
たっくんは「どうして欲しい」と明言しなかったけれど私だって子供じゃない。
彼が口淫を望んでいるんだとすぐに分かった。
言われるまでもなくそのつもりだったけれど、そう指示をされるまでは勝手に触れてはいけない気がして。私はそう言われるまで〝カレ〟に手を伸ばそうとすらしなかったの。
多分そのことに焦れたんだろうな。
ほんの少し腰を揺らすようにしてたっくんがそう乞い強請ってくるから。
私はたっくんを見上げながらゆっくりと彼の中心に手を伸ばして――。
たっくんの屹立を両の手でそっと包み込んだ。
男性器というのは見た目のグロテスクさの割に、とても繊細な触り心地の、きめ細かい肌をした器官だと思う。
きっとこの手触りのまんま、すごく敏感な部分だと思うから。
私はたっくんの様子をうかがうように下から彼の顔を見上げた。
私が触れてもたっくんが嫌そうじゃないのを確認すると、先走りの滲んだ先端部分にゆっくりと唇を寄せてやんわりと口付ける。
途端、たっくんが抑え切れないみたいに吐息を漏らして。
頭に載せられたままの彼の手に微かに力がこもった。
私はそれがたまらなく嬉しくて、もっともっとたっくんを悦ばせてあげたいって思って。
「痛かったら、……言ってね?」
告げて、そっと鈴口を割り開くように舌先を押し当てた。
尿道口に添って丹念に舌を這わせて、ちょっぴり塩辛い潤みを丁寧に舐め取ると、そのまま根元に向かって一直線に舌を下ろしていった。
根元までたどり着いたら同じ軌跡をたどって上まで戻って、くびれたところを舌全体で優しく愛撫する。
「……なの、かっ」
早く咥えて?とでも言いたいみたいにたっくんが吐息交じりに私の名を呼んで、頭に載せられた手にグッと力を込めてきて。
私はそんなたっくんのことを心底『カワイイ』と思って、もっと喘がせてみたくなる。
うまくおねだり出来ないたっくんが悪いんだよ?と言わんばかりに、わざとくびれの外周を何度も何度も舌を使って行き来しては時折鈴口に舌先を這わせて焦らす。
口の中一杯にカレを頬張るのはちゃんとして欲しいって伝えてもらってから。
こういう閨事の駆け引きは、あれもこれもみんな……なおちゃんが私に仕込んだことばかり。
それを他の男性にするのはどうなの?と頭の片隅で警鐘を鳴らしつつ、だけど私はこの愛し方しか知らないから。
余りに積極的に責めたら、引かれてしまうかも知れない。
たっくんは私のことをまだ幼いままの〝なのちゃん〟として見ている可能性だって十二分にあるのだから。
なのに愚かなことに一度点火された劣情の炎は、私の判断能力を鈍らせるの。
そうして、幸いなことにそれはたっくんも同じだったみたいで――。
「んっ……、なの、ちゃ……お願い。もっ、焦らさないで……っ?」
数回それを繰り返したら、たっくんがとうとう観念したみたいにそう告げてきた。
「咥えて……欲しい?」
分かっていてわざと言葉にして確認したら、たっくんがコクコクと必死な様子でうなずいた。
(この人は、なんて可愛いんだろう!)
私はその時を待っていたみたいにチュプッと水音を立てて、唾液をたっぷり溜めた口中へたっくんの熱を迎え入れた。
自分でしたくせに、熱く滾った杭に喉の奥を刺激された私は涙目になって、思わず苦し気な吐息を漏らす。
「ぁ、……んんっ」
なおちゃんとの時には、私、自分からこんなに奥の方まで男性のモノを咥え込んだことはないかも知れない。
なおちゃんに頭を押さえ付けられて吐きそうなくらい苦しかったことは何度かあるけれど、いま私の頭頂部に添えられたたっくんの手は、別に私の頭を押さえたりはしていない。
むしろそうしてはいけないと思っているみたいに、ギュッと私の髪の毛をかき乱すように手指に力が込められているのがたっくんの精いっぱいの優しさに思えて……。
それが嬉しくてたまらないの。
***
「あっ、なのちゃ、ダメだ。放し……っ」
愛でれば愛でるだけ、口の中でたっくんがビクビク脈打つみたいに反応してくれるのが嬉しくて。
夢中でご奉仕していたら、不意にたっくんが切なげな声を上げて、慌てたように私の身体を引き剥がした。
チュポッと塗れた音を立てて抜き取られた雄芯が、フルリと目の前で揺れる。
「……たっくん?」
もしかして、痛かったのかな?
そのまま口の中で達してくれても構わないと思っていた私は、没頭するあまり粗相をしてしまったんだろうか?と不安になって彼を見上げた。
と、どこか申し訳なさそうな表情のたっくんに、「あ、あのさ……。このまま口で、は寂しいなって思って……」
もちろんそれも悪くはないと思うんだけど、とゴニョゴニョと歯切れの悪い物言いをしながらも、「それに……」とたっくんが付け加える。
「それに、その……ぼ、僕も……菜乃香を気持ちよくしてあげたいって思うんだけど……ダメ、かな? って言うか正直に暴露するね。――僕も……、めちゃくちゃ菜乃香に触れたくてたまらないんだ!」
初めて身体を重ねる時くらい、私に触れて、それからちゃんと繋がってから一緒に果てたい……と、たっくんが私をうかがうように見やって。
そうしてハッとしたように自分の脚に視線を落としてから、申し訳なさそうに付け加えた。
「って言っても僕は今、このザマだ。……思うように動けないかもしれないんだけど」
しゅん、と項垂れるたっくんに、私は慌てて口走らずにはいられなかった。
「あのっ! たっくんがうまく出来ないところは……わ、私がっ、頑張るんじゃ……ダメ、かな? エッチって一人でするものじゃないと思うし……その、ふ、ふたりで助け合って、き、気持ちよく……なりたいな……?って思うんだけど……」
こんなこと女の子から言うのはどうなんだろう。
とてもはしたないことを提案している気がしてしどろもどろになった私を、たっくんがグイッと引き上げて抱き締めてくれた。
片腕で引き寄せられたのに、いとも簡単に立ち上がらされてたっくんの腕の中。
脚を怪我していてもこれ。
今更のようにたっくんは力のある〝男の人なんだ〟って思い知らされて物凄く照れ臭くなる。
「菜乃香。さっきの提案、すごく嬉しい。僕ね、セックスって男が頑張るものだって勝手に思い込んでたから……女の子からそんな風に言ってもらえるなんて正直思ってなかったんだ。……ね、菜乃香。僕に足りない部分は菜乃香が補ってくれる?」
立ったまま。
ベッドへ腰かけたたっくんに抱き締められた私は、彼を見下ろす格好になっていて。
たっくんが小首を傾げて私を見上げてくるのが物凄く可愛くて、キュンと胸が締め付けられるようにときめいた。
「うん。もちろんそのつもり、だよ……?」
無意識。
たっくんの頬を両手で包み込むようにしてうっとり答えたら、それを合図にしたみたいにたっくんの手が胸へ伸びてきて。
薄いTシャツの布地越し。
やんわりと胸の形を確認するみたいに大きな手のひらで包み込まれた私は、思わず「ぁんっ」と声を詰まらせた。
「菜乃香の胸、柔らかいね」
わざわざそんなこと言わなくてもいいのにっ。
たっくんが私の反応を楽しむみたいに意地悪なことを言ってくるから。
私は恥ずかしくてたまらないの。
お風呂上り。
借り物のTシャツの下、ブラを着けていない無防備な胸は、たっくんの手のぬくもりをダイレクトに伝えてきて。
彼がギュッと手指に力を込める度に敏感な先端がたっくんの武骨な手のひらに押しつぶされて擦られて……それがじんわりと身体の奥底から快感を掘り起こしてくる。
「乳首、勃ってきたね。……ツンと布地を押し上げてるの、凄く可愛い」
言うなりたっくんがカリッと爪先で硬くしこった胸のとんがりを引っ掻くから。私は思わず「ひゃんっ」と子犬みたいに啼かされてしまう。
それが恥ずかしくて慌てて口を覆ったら「声、押さえないでもっと聞かせて?」って上目遣いで見上げてくるとか。
……ホントずるい!
たっくんの方が三つ年上のはずなのに。
今まで十四も離れたなおちゃんと付き合っていたからかな。
たっくんが合間合間で見せるこんな言動に、私はやたらと庇護欲をくすぐられてしまう。
乞われるまま、口に当てていた手を恐る恐る放してたっくんの両肩へ載せたら、服の裾から彼の手が入り込んできた。
直に胸へ触れられているんだと思ったら、恥ずかしいのに何だかすごく嬉しくて。
「お願い、たっくん、そこっ、……」
――舐めて?
無意識にそうおねだりしそうになった私は、慌てて口をつぐんだ。
でもたっくんは、私が何を言いたかったのか分かったみたい。
「もしかして菜乃香は可愛いここを僕に舐めて欲しいのかな? だったらお願い。上、脱いで……僕の前に胸、突き出して?」
照れ屋さんで可愛かったり……物凄く意地悪だったり。どれが本当のたっくんなんだろう?
「あ、あの、でも」
「恥ずかしい?」
当たり前だよ。
そんなの分かってるくせに。
涙目で彼を見下ろしたら、たっくんがニヤリと笑った。
「菜乃香、知ってた? このTシャツ、薄手で白無地だからさ。……菜乃香の可愛いココ、透けて見えてるんだ」
言うなり布地ごしにたっくんが私の胸をパクリと咥えた。
「ひゃ、あ、んっ」
直に触れられるほど直接的ではないけれど、どんどん布が湿り気を帯びて、敏感な胸の先にたっくんの熱を伝えてくる。
Tシャツ越し。ツンと勃ち上がった乳首を舌先で転がされるのは気持ちいいけど、何だかすごくもどかしい。
気が付けば、私はたっくんの後頭部をギュッと抱えるように抱きしめていた。
「や、んっ、たっくん……、くすぐったい」
本当はくすぐったいのとはちょっぴり違う。
気持ちいいけどアクセル全開じゃないから、熱がどんどん内側にこもってくる感じ。
「菜乃香、裾、自分で持てる?」
「裾?」
「そう。脱ぐのは恥ずかしいんだろ? だから」
たっくんは脱がなくてもいいからTシャツを上にたくし上げろと言いたいみたい。
それって、結局脱ぐのと大差ないと思うのだけれど――。
そんな風に思うくせに言われるがまま。
熱に浮かされた私は、たっくんの頭から手を放して自らTシャツの前をまくり上げた。
濡れた乳房が外気にさらされて、ゾクリと肌が粟立つ。
「ああ……。思ったとおり可愛いおっぱいだね」
「や、見ない、でっ」
自分で見せてる癖に。
吐息が感じられるほどの間近でたっくんに胸を見られているんだと思うと、羞恥心で身体がカッと火照った。
「こんなに綺麗な身体、見ないなんて無理だ」
言われて、今度こそじかに乳房に吸いつかれた私は、ビクッと身体を仰け反らせて喘ぐ。
「あぁんっ」
蜜口からトロリと蜜が溢れて、下着を濡らすのが凄く気持ち悪い。
「たっくん、私、もう……」
熱くトロトロに溶け崩れた膣内を、たっくんの熱で鎮めて欲しい。
そんな欲望を口走りそうになった私は、慌てて手にしたTシャツの裾を口に咥えて声を封じて。
空いた手で、そそり立ったままの彼の雄芯に触れた。
「菜乃香、そろそろキミのココに挿入ていい?」
たっくんに潤んだ瞳で見上げられて、ぐしょぐしょに濡れた下着越し、秘所にそっと触れられた私は、ビクッと身体を跳ねさせながらコクコクとうなずいた。
「中、慣らしたりしてないけど……平気?」
クロッチを横にずらされて、滑りを帯びた秘裂を指の腹でやんわりと擦られる。
普段は下着に隠された、一番敏感な陰核をぬめりをまとった指の腹で押しつぶすように撫でられた瞬間、電撃が走ったみたいに快感が突き抜けた。
「ひ、……ぁっ」
恥ずかしいなんて気持ちは、その瞬間に吹き飛んでしまったみたい。
「平気……。私、たっくんと……早く結ばれたいっ」
自分からねだるようにたっくんに口付けて彼を見下ろしたら、
「……菜乃香、ごめん。自分から言っといて恥ずかしいんだけど……僕、いま正常位は無理だから。――菜乃香の方から僕の上に座ってもらっても……いい、かな?」
そう問いかけられた。
たっくんが出来ないことは私が補う。
それは最初に二人で取り決めたことだもん。
コクッとうなずいたら、たっくんがそれを確認してベッドサイドからゴムを取り出した。
たっくんが慣れた手つきで自身に避妊具を装着している間、私はそろそろと下着を脱ぎ捨てる――。
「建興くん……大好き……」
「僕もなのちゃんが大好きだよ」
気持ちを確かめ合うようにそんな言葉を交わして、たっくんと向かい合う形で彼の上にまたがった。
そうして――。
懸命に彼の切っ先が入り口を割るように狙いを定めて腰を落とすのだけれど、ぬるついた彼のモノは気持ちいいところを掠めるばかりでちっとも中に入ってきてくれないの。
うまく入れられない度、彼の先端に敏感なところを擦られるから、そのたびに身体がビクッと跳ねて余計にうまくいかない。
「菜乃香、ちょっと待って……」
何度かそれを繰り返していたら、見かねたようにたっくんの手が、自らの根元をグッと支えて動かないようにしてくれて。
「っ――!」
私が少しずつ腰を下ろすのに従って、定まったたっくんの先端が私の隘路を彼の形に押し開きながら侵入してくる。
「んんっ……」
ギュッとたっくんにしがみついて、ゆっくりゆっくり彼を飲み込んでいく私の腰に、たっくんの手が添えられて――。
「ごめん、菜乃香……、僕、もぉっ、待てないっ」
謝罪の言葉とともに、腰に当てられた両腕にグッと力を込められて、一気に彼のモノを奥まで迎え入れた私は、それだけで軽くイッてしまった
「ひゃ、ぁっ」
「菜乃香の中、すごく……うねって………締めつけて、くるっ」
すげぇ気持ちいい……と吐息交じりにたっくんがつぶやくから。
私はそれだけで満たされた気持ちになった。
***
「ごめん、なんか僕……」
私が嬉しいって思うたび、自分では分からないけれど膣内がキューッと締まって、たっくんを責め立ててしまっていたみたい。
瞳を涙で潤ませたたっくんの謝罪に、私はフルフルと首を横に振る。
だって、たっくんとの情交はなおちゃんとのそれと違って、何だかすごく心が満たされて幸せで。
誰にはばかることなく、心の底からこの人のことを好きだと言っていいんだと思える相手との交わりが、こんなにも気持ちいいなんて……私、知らなった。
きっと自分では意識しないようにしていたけれど、心の中、いつも後ろめたい気持ちがなおちゃんを好きだと言う気持ちに歯止めをかけていたんだと思う。
それが快感にもブレーキを掛けていたのかな。
こんなに満たされた気持ち良さは初めての経験だった。
たっくんがゴム越し。
呆気ないほどあっという間に私の最奥で果ててしまったのを知った時にも、私はそんな風に私で気持ち良くなってくれたたっくんのことが愛しくて堪らなくて。
全然「もう?」とか「まだ私、満足できてないのに」とか……そういう不満が湧いてこなかった。
ばかりか――。
「私、たっくんが奥まで来てくれただけで凄く気持ちよくなっちゃったの。だから……」
お相子だよ?
と言外に含ませる。
恥ずかしくて明言は出来なかったけれど、私、たっくんを受け入れた時点で一度軽く達ってしまっていたから。
果てた早さで言うと、私の方が断然先だったわけで。
たっくんが自身の根元をゴムごとグッと押さえてくれているのを確認して、私は中に避妊具が残ってしまわないよう気を付けながら慎重に腰を上げた。
「ぁんっ」
男性のモノが萎えてしまっていても、自分の中から異物が抜ける瞬間と言うのは、好いところがこすられてたまらなくゾクゾクしてしまう。
私が小さく喘いで吐息を落としたら、吐き出した精液の溜ったゴムをまとったままのたっくんのがまた大きくなっているのが分かって。
「……たっくん?」
後処理をするたっくんの手許を熱に浮かされた頭でぼんやり見詰めながら呼び掛けたら、「ねぇ菜乃香。もう一回したいって言ったら……イヤ?」とか。
そんな風におねだりされて、拒めるわけない。
二度目は一度目より長く私の中をかき回してくれたたっくんに、自身が上になっているくせに私は翻弄されまくりだった。
ギュウッとたっくんにしがみ付いて、何度達したか分からない。
明日仕事に行かないといけないなんて言う常識的なことが頭から飛んでしまう程度には、私もたっくんも、初めて結ばれた喜びに陶酔しきっていた――。