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「ん………んん………!」
頭が痛い…起きたばかりだと言うのに自然と下がろうとする瞼に、体がいつもより怠い感覚。久しぶりに感じる頭痛から昨日の飲み会で飲み過ぎてしまったのだと反省する。こうなる事が分かってるからあんまり飲まないようにしてたのに…久しぶりにメンバー全員で飲んだからか、テンションが上がってしまったようだ。昨日……駄目だ、苺味の果実酒を飲んだところで記憶が止まってる。このまま起き上がりたくないという考えを残り僅かしか残っていない気合いで吹き飛ばして怠い体を起こし、裸足でリビングに向かえば、全員起きていたようで、一斉に視線を向けられた。
「……おはようございます……」
「わぁー、ヒョン。よく起きれましたね」
「おはようございます。今日はあのまま死んでるかと思いました」
「僕より遅いって相当ですね。大丈夫ですか?」
「……頭痛い……」
「飲み過ぎだな。ほら、水入れてやるからとりあえず座れ」
「はい………」
明かりでしょぼしょぼする目を擦りながらぼんやり見える椅子に座れば、誰かが隣に座る気配。ナムジュニとか?
「……ホバ、おはよう。大丈夫?」
「…ジンヒョン?」
「やぁー、まだ寝ぼけてるね。このハンサムな声を聞いて疑問形が出てくるとは」
「うん………」
「ん、水な」
「ユンギヒョン、ありがとうございます……」
「……あのさ、ホバ。昨日の事、覚えてる?」
「………昨日?」
ようやく少し開いてきた目で隣を見れば、確かにジンヒョンが座っている。ユンギヒョンのいれてくれた水を一口飲んで一息つくと、ジンヒョンが昨日の事について聞いてきた。昨日の事……覚えてる範囲で話せば良いって事?
「…はい、覚えてますよ」
「!」
「えーっと……乾杯して…果実酒入れてくれて…飲んで……おかわりで苺味飲んで……以上です」
「………へ?そ、それだけ?」
「?、はい」
「その後は?ヒョンと話した事とか……」
「ヒョンと話した事?………何話しましたっけ」
「……冗談?」
「…事実です」
「……そう……そうか……はぁー………」
「?」
どうやら僕は、昨日ジンヒョンと何か話したようだ。何だか落ち込んでる……でも、本当に何も思い出せないし……
「何を話したんですか?」
「……いや、また今度話す……」
「気になるじゃないですか」
「昨日話しちゃったから、また今度」
「覚えてないからもう一回」
「嫌だ」
「………?」
何を話したか聞いても、昨日話したからの一点張りで何故かまた今度と言うジンヒョンに、いよいよ意味が分からなくて首を傾げる。昨日…昨日……駄目、本当に何も出てこない。
「……じゃあまた今度話して下さい」
「うん、そうするよ……」
仕方ない。気になるけど、僕はどう頑張っても思い出せないし、ジンヒョンも落ち込んでるのに何も話してくれない。なら、また話してくれるのを待つ事しか出来ない。モヤモヤは残るが仕方ないと一度区切りをつけて、もう一度水に口をつけた。……うん、冷たい。
「…言っちゃえば良いのに…(小声)」
「起きてきて早々あんなに興奮しながら話してたくせにね…(小声)」
「…仕方ねぇよ。メンタル小学生だし(小声)」
「昨日の会話録音しておけば良かったな(小声)」
「全く…しつこく確認してきた朝の時間返せ。そんで早くくっつけ(小声)」
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