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歌ってる時にちらっと目線合わせるってシチュエーション好きです (間違えていいよねって書いちゃったので自分のコメ消しました…すいません)
「こはね、お待たせーー、、!」
数え切れないほど聞いた、明るくて力強い声。
杏ちゃんだ。
「あ、杏ちゃん!今来たばっかりだから、大丈夫だよ!」
「そう?よかった!じゃ、始めよっか!」 「うん!」
杏ちゃんが、音楽を流す。その瞬間、胸がドキドキする。
歌っている 瞬間が、私は大好き。
この時だけは、『生きてる』って思えるんだ。
そう思っていたら、杏ちゃんのパートが始まった。
杏ちゃん、本当にかっこいい。
私が落ち込んでるとき、誰よりも早く気づいてくれたり、優しく励ましてくれたり。
杏ちゃんだったら、こんなふうに悩むこと、あるのかな…?
「次はこはねの番だよ!」と、杏ちゃんが目で合図を送ってくれる。
なるべく悩みたくない。そんな思いも込めて、大きく息を吸う。
その時だ。
「…………ッ?!」
声が、出ない。
「、、、!?――!!」
杏ちゃんが、すぐにカバーしてくれた。
それも、すごく苦しそうに…。
なんで、どうして、歌いたいのに。こんな時に。
歌詞を忘れたわけじゃない。
本当に、喉に力が入らなくて、空気になって消えてしまうような感覚なんだ。
「ちょっとストップ。一旦音楽止めるね」
「……うん」
どうして私は、悩み事なんかでこんなことしてしまうんだろう。
「こはね、大丈夫?喉調子悪い?」
「ううん、大丈夫だよ。ごめんね、少し休むね。」
どろっとしたもやもやが、頭の中を埋め尽くした。