コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
最重要指令。
エーゼ・ロワンよりホワイトから賜ったお言葉を全てのアンダー・ホワイトへ通達せよ。
それは場所こそ違えと、一番最初のアンダー・ホワイトのメンバーであり、実質的なトップであるエーゼ・ロワンからの命令は絶対だった。
そして、エーゼ・ロワンは全てのアンダー・ジャスティスのメンバーへ向けて語り始める。
「私は、今日ここに、多大な試練と苦難を乗り越えてきた人々が、あなたがたの中にいることを知らないわけではない」
「刑務所の狭い監房から出てきたばかりの人たちも、あなたがたの中にいる。自由を追求したために、迫害の嵐に打たれ、騎士団の暴力の旋風に圧倒された場所から、ここへ来た人たちもいる」
「貴方達は常軌を逸した苦しみの経験を重ねた勇士である。これからも、不当な苦しみは救済されるという信念を持って活動を続けよう」
「帰っていこう、勝利を信じて」
「帰っていこう、自由を信じて」
「帰っていこう、救いを信じて」
「帰っていこう、希望を信じて」
「帰ってい こう、願いを信じて」
「王都のスラム街やゲットーへ帰っていこう。きっとこの状況は変えることができるし、変わるだろうということを信じて」
「絶望の谷間でもがくことをやめてはならない。親愛なる我が同胞よ。今日は私は貴方達に言っておきたい。我々は今日も明日も困難に直面するが、それでも私には夢がある。それは、自らの根底にある希望の夢に深く根ざした夢である」
「私には夢がある。それは、いつの日か、この陰の組織が立ち上がり、すべての存在は平等に作られているということは、自明の真実であると考える、という基本的権利の信条を、真の意味で実現させるという夢である」
「私には夢がある。それは、いつの日か、王都の赤土の丘で、かつて迫害される境遇にあった陰の仲間たちと、かつて迫害する側の者達が、血の繋がらぬ兄弟として同じテーブルにつくという夢である」
「私には夢がある。それは、いつの日か、不正と抑圧の炎熱で焼けつかんばかりの王都でさえ、自由と正義のオアシスに変身するという夢である」
「私には夢がある。それは、いつの日か、私の子どもたちが、種族や病気、肌の色、能力によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むという夢である」
「今日、私には夢がある」
「私には夢がある。それは、邪悪な差別主義者や、ニャルラトホテプ教団などの宗教に傾倒し法を無視した悪鬼羅刹の所業を行う者達の組織とですら、いつの日か手を取り合う夢がある」
「悪逆非道なニャルラトホテプ教団でさえ、平和的に恵まれぬ子供を支援し、エルフの少年少女と、人の少年少女と、獣の少年少女が兄弟姉妹として手をつなげるようになるという夢である」
「今日、私には夢がある」
「私には夢がある。それは、いつの日か、あらゆる谷が高められ、あらゆる丘と山は低められ、でこぼこした所は平らにならされ、曲がった道がまっすぐにされ、そして神の栄光が啓示され、生きとし生けるものがその栄光を共に見ることになるという夢である」
「これが我々の希望である。この信念を抱いて、私は陰へ戻って行く。この信念があれば、我々は、絶望の山から希望の石を切り出すことができ るだろう。この信念があれば、われわれは、この国の、この世界の騒然たる不協和音を、兄弟愛の美しい交響曲に変えることができるだろう。この信念があれば、われわれ は、いつの日か自由になると信じて、共に働き、共に祈り、共に闘い、共に牢獄に入り、共に自由のために立ち上がることができるだろう」
「まさにその日にこそ、すべての陰の世界で生きる者達たちが、光に照らされて新しい意味を込めて、こう歌うことができるだろう。「わが国、それはそなたのもの。うるわしき自由の地 よ。そなたのために、私は歌う。わが父祖たちの逝きし大地よ。巡礼者の誇れる大地よ。あらゆる山々から、自由の鐘を鳴り響かせよう」
「そして、陰の組織が、偉大な組織たらんとするならば、この歌が現実とならなければならない」
「だからこそ」
「王都北部の美しい丘の上から自由の鐘を 鳴り響かせよう」「王都南部の雄大な山々から、自由の鐘を鳴り響かせよう」「王道西部の高みから、自由の鐘を鳴り響かせよう」
「王都東部の雪に覆われた山脈から、自由の鐘を鳴り響かせよう」
「王都中心の大きな聖堂の前でなだらかで美しいら、自由の鐘を鳴り響かせよう」
「だが、それだけではない。八割の世界である滅却師の故郷、真世界城からも自由の鐘を鳴り響かせよう」
「自由の鐘を鳴り響かせよう」
「あらゆる丘と塚から、自由の鐘を鳴り響かせよう」
「あらゆる山々から自由の鐘を鳴り響かせよう」
「自由の鐘を鳴り響かせよう。これが実現する時、そして自由の鐘を鳴り響かせる時、すべての村やすべての集落、あらゆる州とあらゆる町から自由の鐘を 鳴り響かせる時、われわれはエルフ、獣人、人間すべてが、黒人も白人も、宗教に入るものも、宗教に入らぬものものも、男も女も老人も子供も共に手をとり合うことができるだろう」
「そして、我が祖国の国家を歌うことのできる日の到来を早めることができるだろう」
「ついに自由になった!」
「ついに自由になった!」
「われわれはつい に自由になったのだ!」
「影の潜むことなく、胸を張って前を向いて陽の光が当たる場所を歩いていける」
「アンダー・ジャスティスの崩壊こそ真なる目標なのだ」
「ライナー・ホワイト様に救われ、そして陰となって組織を拡大させていった。多くの命を奪い、光から隠れ、陰の中で仲間だけが安らぎだった」
「しかし、それは卑怯で怠慢だ」
「私達が何をした?」
「私達が何をした?」
「答えは何もしていない」
「だから我々は、ニャルラトホテプ教団から同胞を守り、救い、そして世界を変える」
「撃って良いのは、撃たれる覚悟のあるものだけだ」
「それがライナー・ホワイト様のお言葉だ。ホワイト・レクイエム。全ての憎しみをホワイト様に集めて真なる世界平和を実現する」
「あらゆる種族、あらゆる枠組みを越えた憎しみを煽り、受け入れ、そして、この世から消える」
「そしてアンダー・ジャスティスは崩壊し、私達は光の世界で生きていく。それが我らの王、ライナー・ホワイト様のご命令だ」
「故に、我々は汚名を被ることを恐れる必要はない。間違いを恐れる必要はない。失敗を恐れる必要はない。全てはホワイト様が背負ってくださる。だから、我々は、魑魅魍魎となって仲間を募り、救い、破壊し、世界に傷跡を残す。平和への傷跡を」
「ジークハイル・ホワイト!! ジークハイル・ヴィクトートリア!!」
『ジークハイル・ホワイト!! ジークハイル・ヴィクトートリア!!』
『ジークハイル・ホワイト!! ジークハイル・ヴィクトートリア!!』
ライナー・ホワイト様万歳。
アンダー・ジャスティス万歳。
勝利万歳。
その声はアンダー・ジャスティスの本部を大きく震わせた。
そして、アンダー・ジャスティスのシンボルとして卍を反対にしたマークが設置された。