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「あら、アンナじゃない?そんな格好でどうしたの?」
廊下を下着姿で歩いていたら同じメイドの子が話しかけてきた。
彼女の金額はあんなより少し高いので実質No.2だ。
「気にしないで、ちょっと新人にやられちゃったのよ」
「例の高級な子?」
「そうよ、そういやアンタはお客様相手にしてたっけ?見たら金額が高いのも納得するわよ?ほんと世界には完璧な容姿の人間がいるもんなのね」
「ふーん、気に入らないわね」
うーん、やっぱりこうなるのよね……
「気に入らなくてもあの子の金額は莫大よ……実質ここのNo.1なんだから傷つけちゃダメよ?」
「安心しなさい、そんなつもりはないわ」
「どうだか」
「それより服を取りに行くんでしょ?行ってきなさい?アンナ」
「それはどうも」
昔からあのメイドは手癖が悪い……まぁ私はやられなかったけど、あの子も流石にアオイに手を出すことはしないでしょう……たぶん……
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シャワーを使ってアオイが広い風呂場を掃除している中、扉をあける音がした。
「邪魔するわよ〜」
しかし、アオイの所に来たのはアンナではなくNo.2だ。
先輩が来たのでアオイはシャワーの水を止める。
「……」
「あなたがアオイちゃんね?」
「……はい」
「ふーん、そーう?なるほどねぇ」
そのメイドはアオイを舐めるように見回す。
「……」
「あなた……本当に綺麗ね」
「……?」
「ここに来る前から私達メイドの間で噂してたのよ?“レンタル億超えの奴隷が来る”って」
「……」
「あら、汚れてるわね」
No.2はアオイのスカートを魔法で綺麗にする。
「……ありがとうございます」
「いいえ」
ニッコリとする彼女は「掃除を続けなさい」とアオイに言いながらもブラシを取って手伝う。
「本当はね、アナタの事が気に入らなくてここに来たの」
「……」
「怪我させなければ何でもしていいから水でもかけてやろうかと思ったけど……それもバカなことに思えるくらいアナタ可愛いわ」
「……」
ガチャリと音を立てて扉が開かれ今度はアンナが帰ってきた。
「あんた……何やってんのよ……」
No.2は持ってたブラシをアンナに渡す。
「ほんと、何しに来たんだろうね、私……アンタの言うことめっちゃ解るわ〜この子の“容姿”は完璧よ」
「でしょ?」
「それじゃ、私も仕事に戻るわね」
そう言って部屋を出て行った。
「……度を超えた可愛いって本当に得よね」
「……掃除、終わりました」
「そ、じゃあ次いくわよ」
「はい」
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……………
「どうさね?まだ1日目だけどやっていけそうさね?」
ブールダ町長は書斎で書類を見ながらアオイ達に話しかける。
今日の夜はアンナと一緒にこの書斎での手伝いだ。
「……はい」
「アンナ、どうだい、こいつの働きは」
「はい、まだ1日目ですから判断が難しいですが、掃除は普通、ただ門にこの子が立っているだけでここに寄る人達がかなり増えるでしょう」
「ほう、やっぱりさね、昨日は一晩中ひっきりなしに挨拶に来る奴らが多かったのは、あんたのせいだったのかい」
「……すいません」
「謝ることじゃないさね、町の情報と信頼ってのは町長にとって大事さね、この町に住んでる人達との交流も仕事のうちさね」
「ありがとうございます。」
「手癖の悪い男共が多いのは仕方ないさね」
「はい……」
「そう言えば昨日はアイツが来てなかったさね、ふむ……」
書類整理を止めて少しブールダ町長は考えた後。
「明日、少し出かけようと思うさね、ついてくるさね?アオイ」
アオイはアンナを見てどうしたらいいかと意見を求めてるが
「あなたのマスターを間違えないで、私たちにとってマスターの言うことは屋敷の仕事より優先事項よ」
「解りました」
「ふむ、アンナ。あんたもついてくるさね?」
「はい、是非」
「じゃぁ、今日は代わりのメイドを手配してとっととあんたたちは寝るさね、明日は頼んだよ二人とも」
「解りました、マスター、すぐ手配をします、アオイ、行くわよ」
「……失礼します」
二人はブールダ町長にお辞儀をして書斎を出ていった。
「さて、と、レンタル分は稼いでもらうさね、アオイ」