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その甘酸っぱい毒に溺れて堕ちる。
(前置き長いです)
-みらside-
友達に紹介されたBAR。特別な人間しか知らない、ほとんど誰も通らない裏道を抜けた隅にあるBAR。
そんなに交流のない友達に誘われたから 信用はなかった。
「そこってそんなにいいの?」
『うん。騙されたと思って着いてきて』
やっぱり信じられない。
『ここ』
そう言われ、店のドアを開く。
思っていた以上に落ち着いていて、ゆったりとしたBARだった。
「ここよく来るの?」
『うん。1人でも来る。』
そう言った途端、言い慣れたようにバーテンダーが言った。
“はい、マティーニ”
『ありがと』
驚いた。彼女がこんな度数の高いお酒を飲むなんて
それに続いてバーテンダーが言った。
“あなたは?”
考えた。彼女に似合ったお酒を飲むかどうか
でも自分の飲みたかったものを言った。
「シャンディガフ」
そうするとバーテンダーはこう言った。
“お酒弱めの方ですか?”
「んー、飲みたかっただけです。」
そう言った途端、手慣れた手つきで作り始めた。
『ちょっと席外すね。』
彼女はそう言い他の席へと離れていった。
そう言われときその瞬間、オリエンタルの匂いがすぅーと通った。
好きな匂い。思わず目で追ってしまった。
「大人っぽい人…」
思わず小声で声に出してしまった。
彼は、隣の席に着いた。
仕草ひとつひとつが大人っぽい。色っぽい。
うつむいてシャンディガフをたしなむ。
「ふぅ。」
一息ついた時
『君さっき俺の事見た?』
笑いで零れた彼が聞いてきた
なんて答えようか迷った。
「あっ、すいません。見ましたよ。」
『なんで?』
「好きな匂いだったので。」
本音を言った。良くないとは思ってるけど言ってしまった。
『はは笑』
「おかしいですか?」
恥ずかしかった。でも笑いを込めて聞き返した。
『いや?でもそんな素直な人初めて笑』
「そうなんですか?」
『うん。みんな嘘ついてばっか。』
その言葉に嘘はないと目を見てはっきり分かった
「超特急の方ですよね?」
聞いてしまった。
『あ、バレました?笑』
「見た瞬間分かりましたよ」
『やっぱバレちゃうか。』
『あのさ敬語やめない?』
「え?」
『敬語、やめない?』
「わかった」
『うん。しっくりくる 』
言われる言葉、仕草。ひとつひとつが大人っぽい。さすが超特急の先頭車両。
「カイくん?だよね。」
『そうー!』
「ふっ笑」
『笑った。良かった。』
「え?」
『さっきまで笑ってなかったよ』
『だから笑ってほしかった。』
あー全部読まれてるなぁ
「そっか。」
彼が引き出す甘酸っぱい毒に堕とされるとこだった。危ないほんとに。
『あの子とほんとに友達?』
「うん。友達。」
堕とされる前に帰ろう。そう思ったから嘘をついた。
『嘘ついちゃダメだよ』
「カイくんは気づいちゃうよね…」
『うん。ほんとのこと言ってごらん?』
たった数時間一緒にいるだけでこんな感情になる。そんな沼な人とこれ以上一緒にいるのはきつい。
「ごめんねカイくん。さよなら」
『そっか。またここで待ってるよ』
これ以上 返事をしたら堕ちてしまう。
会釈だけを残して帰った。
-カイside-
『俺も好きな匂いだよ。』