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元貴は、座り込んだまま必死になろうとする涼ちゃんの肩に、そっと手を置いて言った。
「午後のリハは、また今度やろう。俺も正直、今日は結構疲れたし…少し休みたいんかも。こういう時は、みんなでゆっくりしていいんじゃない?」
元貴の優しい声に、若井もうなずきながら微笑む。
「そうそう。無理は一番ダメだしね、涼ちゃん。たまには俺らもサボってもいいかも笑」
涼ちゃんはうつむいたまま、しばらく迷うように黙っていたが、やがて小さく「うん……」と答えた。
元貴と若井はほっとした笑顔を見せ、両側から涼ちゃんの体をしっかりと支えながら、そっと立ち上がらせる。そして、ゆっくりと歩幅を揃えて、涼ちゃんを車へと連れていった。
その道中、2人のさりげない優しさに、涼ちゃんの心にも少しずつ安心が戻っていった――。