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ち ょ こ れ え と  (ノベル版)

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ち ょ こ れ え と (ノベル版)

1 - 俺の夏恋物語。 ー 🍗🍫

♥

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2025年02月02日

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俺の夏恋物語。 ー 🍗🍫



今年の夏も残り半分、と言ったところだろうか。夏なんてあっという間だ、まだしたい事も沢山あると言うのに。

今年こそは彼女を作ると決めていた。そう、俺は去年の夏うりに






「え、お前まだ彼女作ったことないん?」




「はぁ?お前だってないだろ!」




「俺は何回もあるもんね〜 」




うりは、イケメンで楽器も弾けて、歌も上手くて絵も上手い。つまり多彩な男だ。こんな完璧な男はモテるに決まっている、彼女がいたということも嘘では無いだろう。




「ゆあんくんは無いんだろ?」




「っまあ…、」




「じゃあさ、」




「来年の夏が終わるまでに彼女作ってみてよw 」




は?何言ってんだこいつ。 来年の夏が終わるまでに…??


彼女が出来た事が無い人は、割と居ると思っている。けど、俺はそもそもの恋愛経験が無い。


これまで俺は女子があまり好きでは無かったから、好きな人なんて1度も出来たことないし、女子に近づこうとも思わなかった。




「は、…む、無理だろ、!」




「え〜?ゆあんくん出来ないのぉ?w」




「っ、くそ….じゃあ、やってやるよ!」




「おー頑張れよーw」




うりに煽られ負けず嫌いな俺は、気付けばすっかり乗せられてしまっていた。


うりはほんとに自分勝手なやつだ、自分から言い出したんだから、女の子1人くらい紹介してくれても良いじゃないか。






当然、からぴちの女子メンバー以外の女子と関わりが無い俺は彼女が出来る訳もなかった。




かといって、からぴちの女子メンと付き合えば、きっと今までじゃぱぱが、俺たちが作り上げてきた「カラフルピーチ」が壊れてしまうだろう。それだけは絶対に避けたかった。俺の居場所は此処からぴちしか無いのだから。










しかし、馬鹿な俺はある1人の女子メンバーに恋をしてしまった。






10月7日、それはえとさんにとっても俺たちにとっても特別な日。


この日からだ。俺がえとさんを意識する様になってしまったのは。








「のあさーん、今大丈夫?」




「ゆあんくんですか?良いですよ!」




「ありがとー、お邪魔します」




俺はえとさんの誕生日プレゼントに何をあげればいいのか分からず、のあさんに相談に来ていた。




「なるほど、確かに付き合いが長いと誕生日プレゼント悩みますよね。」




「うーん、そうなんだよね」






のあさんはかなり前から一緒に居る、信頼の出来るお姉さんと言った感じだ。


しかものあさんは、えとさんと1番仲良しなので、相談するのはこの人しか居ないだろう。


「えとさんの好きな物をあげたらどうですか?」




「….チョコ?」




「そうですね、ちょっとバレンタインみたいですけど…」




「でもえとさんなら喜んでくれますよ!」




「そうだよね。じゃあ、チョコにする!」




「のあさん、相談乗ってくれてありがとね」




のあさんにお礼を言い、俺は部屋から出た。


チョコなら学生の俺でも手が届きやすい価格の物が多いし、えとさんの好きな物なのできっと喜んでくれるだろう。






誕生日当日になった。


早速プレゼントを渡そうとすると、えとさんは部屋に居なかった。


しかも、夜まで帰って来なくて皆を心配させていたところも、えとさんらしい。






皆で仲良くのあさんとたっつん、シヴァさんが作ったご飯やケーキを食べた後、皆プレゼントを各自渡していた。


えとさんは1つ1つのプレゼントを嬉しそうに目を細め、1人1人に感謝を伝えていた。




俺は皆の前で渡すのは恥ずかしいからと言う理由でパスさせてもらった。後で、えとさんが1人の時にでも渡すとしよう。




「ちょっと私、コンビニでも行ってくるね!」




「えとさん1人では危ないので、誰か連れて行きましょ、私はちょっと眠いので…」




「ええのあさぁん!w寝ちゃったのかな、? 」




お酒を飲み、皆寝ている。お酒に強いのあさんやうりまでも寝ていた。仕方ない、ここはお酒が飲めない俺が行くしか無い。ついでにプレゼントも渡すチャンスだろうし。




「えとさん、俺着いてくよ。渡したい物もあるし。」




「あーほんと?ありがとー」






あまり嬉しく無さそうに見えたのはきっと俺の見間違いだろう。












「着いてきてくれてありがとね、ゆあんくん」




「…まあ、皆寝てたし」




「確かにねw」




「どこ行くんだっけ、コンビニ?」




「そー….だけど、ほんとは違う」




「え?どゆことw」




えとさん、コンビニって言ってなかったっけ。他に行きたい場所があるのか?




「ほんとは私1人の秘密の場所にしたかったんだけど、ゆあんくんは特別に教えたげるよ。」




「…ありがと、」




「うん、もうちょっとで着くよー」






“ゆあんくんは特別に”


この言葉に少し胸が締め付けられるような感覚になったのはどうしてだろう。






「よし、着いたよ!此処、凄くない?」




「凄い…かな?w」




着いたのは何も無い丘、と言った感じだろうか。何が凄いのだろう。




「…上見てみて」




「え、上?」




言われた通りに上を見ると、


『綺麗』この言葉では表せれない程の無数の星があった。




「ね?凄いでしょー都会で、こんなに見えるのって珍しくない?w」




「うん、凄いね…」




俺はこの夜空にすっかり釘付けになった。




「私、此処に初めて来た時感動しちゃって、夜寝れない時とかはよく来てるんだ。今日もずっと居たんだよね」




「……そっか。」




「…ねぇ、ゆあんくん。私に何か渡したい物があるんでしょ?」




「あ、そうだった、」




夜空の事ですっかり忘れてしまっていた。やっぱり俺の脳はニワトリ並だなぁ。




「はい、これ誕生日プレゼントだよ。大した物じゃないけどね」




「え、あ….ありがと…」




あんまり嬉しく無さそう?暗くて顔は見えないが、声のトーン的に嬉しそうには見えなかった。




「あーこんなのでごめんね」


「他の皆、もっと凄いものだったんでしょ?俺、えとさんに何あげていいか分かんなくて……って、えとさん?」




さっきからえとさんの返事が無い。




「…やっぱ嫌だよな、こんなの、w 」




そんなに嫌だったのだろうか、俺は一生懸命考えたのに。そう思って少し腹が立ってしまった。




「あ…ご、ごめんっ…その…嫌とかじゃ無くて」




「じゃあ…何、?何でそんなに…嬉しくなさそうなの……」




腹が立っていた俺は少しきつく言い返してしまった。




「…いや違う、私はとっても嬉しいんだよ」






「えっ、?嬉しい、の…それが?」




「うん、ゆあんくんが私の為に悩んで買ってくれたんでしょ?私、それだけで嬉しいよ、」


「勘違いさせたならごめんね、でも嬉しいのはほんとだから。」




___流れ星の光だろうか、少しだけその場が明るくなった。その時、えとさんの顔が見えた。




流れ星の光で輝いたえとさんの顔は、泣いていた。けど、それは悲しいからでは無く、言葉の通り嬉し泣きだろう。




俺のあげたその小さなプレゼントでえとさんは泣いてくれた。こんな嬉しいことはあるだろうか。思わず俺は、えとさんにハグをしてしまっていた。




「えっ、あ…ゆ、ゆあんくん…?急にどしたの、?」




「わっ、えっとごめん… 」




「う、うん…」








そこから俺はえとさんの事を意識する様になった。


気付けばえとさんを目で追っていたり、撮影でもえとさんの近くに居たりしていた。


日が経つにつれ、俺はようやく気づいた。俺はえとさんが好きなんだと。


しかし、俺はチキンだから。その感情に気づけても、告白なんて絶対に出来ない。














今年の夏も残り半分、と言ったところだろうか。夏なんてあっという間だ、まだしたい事も沢山あると言うのに。




特に、大好きなあの子への告白とか。




大好きなあの子、が誰なのかはここまで見てくれた皆ならもちろん分かってるよね?笑










去年の夏は、取り敢えず彼女が出来たら、相手なんて誰でも良いと思っていた。




今じゃ、そんなの絶対に嫌だ。


些細なことでも泣いて喜んでるところとか、元ヤンキャラなのに誰にでも優しくて周りが見れてるところとか、よく撮影で穴に落ちちゃう天然なところとか、自分が可愛いことに気づいていないところとか、嘘が付けないところとか。言い出したら、キリがない程良いところがあるあの子。




今の俺は、俺の彼女になるのはあの子じゃなきゃ絶対に嫌だし、あの子が他の男に取られる、なんて事も絶対に嫌だと思ってしまう。












「あ、ゆあんくんじゃん!!」




「えとさん、来てたんだ」




「ゆあんくんもね、wやっぱり此処の星綺麗だよね。」




「てか、ゆあんくんに此処紹介してからもうちょっとで1年経つよね」




「うん、去年のえとさんの誕生日だったからね。」




俺はえとさんの事を考えていると、いつの間にか此処に来ていることがたまにある。今日もそうだった。






「………」




「ねえ、ゆあんくんはさ、誰かをめっちゃ好きだーって思った事ある?」




「ある、よ…」




「そっか、私も。」


「時々、それが溢れてその人に伝えたくなる事もあるんだよね、w」






それが俺なら良いのに。




なんて思い、言葉にしなきゃえとさんは届かない。




モテるうりやヒロくんなら此処でなんて言うだろう。


「もしかして、俺?」なんてクサい台詞セリフでも言うのだろうか。そんな台詞、もちろん俺が言っても似合わないに決まってる。 俺が言うには1000年早いだろうな….


そんな事はどうでも良くて。


俺がいちばん気になるのは、




「ねぇ、その人って誰?」




「…..え、」




あー…聞いてしまった、此処で俺以外の奴だったら一生立ち直ることは出来ないだろう。でも俺だった場合も、どうすれば良いのか分からないし。


今更どうして聞いてしまったんだろう、と言う後悔だけが残る。




「えー…と、どうしても気になる?」




「う、ん…」










「ゆあんくんだよ」








「…っ、え?」


「ほんとに、?」




「…うん、嘘じゃないよ、」


「去年の私の誕生日にハグされた時から、ずっと好きだったんだよね。だから、私と…つ、付き合ってくれない、?」






「あーごめん、告白みたいなことして。メンバーだし、こんなの駄目って分かってるんだけど…」






「ゆあんくん…?何か言ってよ、w嫌ならちゃんと断ってくれないと…私、またゆあんくんに 片思い しちゃうよ?」






俺は、固まっていた。俺がえとさんを想っていた時、えとさんも俺を想ってくれていたということが嬉しくて。




「片思いなんかじゃ、無いよ…っ」






「え…それはどう言う…事、?」




「俺もえとさんが大好きです。こんな俺で良ければ…ずっとえとさんの隣に居させて下さい。」




途端に暗くてあまり見えないが、えとさんから嗚咽が聞こえてきた。泣いてるのだろう。これもきっと、嬉し泣き。


そう思うと、俺まで泣きそうになってくる。




「ありがと、…ずっと、隣に居てね…っ」




「もちろん!」








こうして俺は無事大好きなあの子と付き合えたし、うりとの約束も守れたってわけ。




俺の夏はここからだ、えとさんとたくさんデートするつもり。










みんなも残りの夏も楽しめよ!


でも、宿題もちゃんとしろよー


byゆあんくん










長編なのに最後まで見て下さった方、


ありがとうございました!!




では、また次のお話で会いましょう

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