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「第二幕 第六章 黄金の都、解放の日」
大広間を飛び出した瞬間、外の空気が肌を刺した。
赤い月を模した旗が風に翻り、その下でルナ兵が待ち構えている。
「包囲されてる!」
セレスティアが叫び、あなたは即座に星の欠片を手に取った。
指先でそれを掲げると、夜空に散る星々が呼応し、剣の形を成す。
刃は蒼く輝き、まるで宇宙そのものを切り裂くかのようだった。
「――道を開け!」
一閃。光の奔流が兵士の列を押し流す。
ラシードは王女を背負い、血に濡れた槍を振るいながら突き進む。
セレスティアは左右から襲いかかる敵を短剣で斬り払い、あなたと呼吸を合わせて守り抜く。
やがて、広場の中央に辿り着く。そこに、軍服の男が再び立ちはだかった。
「ここまでだ、砂漠の鼠ども」
彼の剣から赤い光が噴き上がり、地面にひびが走る。
だが、ラシードは笑った。
「鼠が怖くて夜も眠れないか?」
三人同時に飛びかかる。
あなたの星剣が赤光を切り裂き、セレスティアの短剣が敵の鎧を断ち、ラシードの槍が男の胸を貫いた。
男は信じられぬ表情のまま膝をつき、砂塵に崩れ落ちた。
その瞬間、城壁に掲げられた赤い月の旗が一斉に降ろされる。
群衆の中から歓声が湧き上がり、鐘の音が王都中に響いた。
「……終わったのか?」
ラシードが振り返ると、アミーナ王女は涙を浮かべ、静かに頷いた。
「ええ。あなたたちのおかげで、国は自由を取り戻したわ」
黄金の都は再び朝日に輝き、赤い影は消え去った。
そしてあなたたちは、新たな旅路へと歩み出す。
次の目的地は――まだ見ぬ大陸の彼方。