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…ごめんなさい、ごめんなさい…
__
わた、私、みなさんの、こと
……………
また_
守れなかっ……………………
ピピビッ、ピピビ…ピピビ………
「…ん、うん…」
_目覚まし時計が、煩いほど鳴り響く
「………」
頭がぐらりと揺れ、視界が歪んだ
「_悪い、夢…」
そう嫌そうに呟く彼女の白髪の長い髪が、少し外側にはね、空の色を写す。
彼女_みぞれは目眩が収まった頃にゆっくりとベッドから立ち上がると、整頓された自室を出てリビングに向かう。
「あれ、みぞれさんじゃないですか」
「…!?みぞれさん、すごく顔色悪いですけど…大丈夫ですか?」
ぼやける頭のままリビングに入ると、黒髪の女性_めめんともりと、薄緑色の髪を桃色のリボンでまとめた_茶子が話しかける。
「…悪い夢、見たみたいで。」
「…昨日…なんかしちゃったんですかね。」
みぞれは考える
_だが、何も思い出すことができない。
昨日何をしたか、何を食べたか_そんな初歩的なものすらも、真っ黒に塗りつぶされたかのように消えていた。
「…うぅ。」
「…顔、洗ってきます。」
そう言ってみぞれが洗面所へ行くのを見届けると、2人はこっそりと話し始める
「…困りましたね…。」
めめんともりは考え込む
「…今日、みぞれさんの誕生日ですもんね。」
サプライズでみぞれの誕生日を祝おうという話が、皆の中で出ていたのだ。
だが当人がこの調子では_
「…?どうしたんですか?」
「ひゃあっ!?…なな、なんでもないですよ!えぇ!」
考えていたら時間が経っていたようで、洗面所からみぞれに声をかけられる
「私の事心配してましたけど、茶子さんこそ大丈夫ですか…?」
「ま、まぁここは確白ですから!」
「めめ茶子ラインですか_って、そんなAm○ng Usみたいな話し方普段からしないですよねめめさん!?」
みぞれはすっかり調子を取り戻したようで、そんなツッコミが飛んできたことに安心感を覚える。
だが、未だ顔色は少し悪いようだ。
「…う、」
頭痛が走ったのか、みぞれは頭を押さえ小さく呻き声をあげる。
「…すみません、ちょっと…部屋に戻ります。」
誕生日おめでとう、だなんて到底言えるような雰囲気ではなかった。
そこに、あくびをしながら天使の輪を持つ、メテヲが2階から1階へ降りてくる。
「…ふぁあ…あれ、2人ともどうしたの?」
メテヲは聞く
「今日、みぞれさんの誕生日じゃないですか。」
そうしてめめんともりは今のみぞれの状態を説明する。
メテヲはあごに手を当て、うぅんと考える。
メテヲにはひとつの違和感があった。
メテヲはそれを口に出そうとするが、なんだか出てこないのだ。
まるで封じられているかのようにあと少しのところでそれはつかえ、声にならない。
全員から向けられた、何を考えているのか分からない、といった目が向けられる。
「えっと」
「…寝起き、悪いだけなんじゃないの?」
それに耐えられずメテヲは場を繋ごうとそう発言する。
「そうなんですかね…?」
めめんともりは更なる違和感を抱く
「…にしては、少し違和感があるというか…」
それはメテヲに向けられていた。
だが、めめんともりは黙りこくって考える
この2重の違和感を、言語化することが出来ないのだ。
「………………。」
「いや、きっとそうなんでしょう!えぇ、きっと、きっと…」
_ひとまず、それは飲み込むことにする。
全員が一旦はそれで納得し、食卓につく。
頭に茶を乗せた男_iemonは言う
「…みぞれさんって洗面所まで行ったんですよね?」
「えぇ、そのはずですが。」
少し顔を顰めた後、iemonは疑問を問う
「…帰ってくるの遅くないですか?」
_一方その頃
_みぞれは自身の部屋ではなく、少し年季の入った洗面所でうずくまっていた。
閉めきれていない蛇口から水がぽた、ぽたと一定のリズムで滴る。
それに反応することが、今の彼女には出来なかった。