テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#学パロ
azunatubaki
265
#あんぷたっく
うみねこ٩( ᐛ )و
131
#あっきいまぜ太ぷりっつちぐさあっとけちゃ
愛莉闇花
19
「今日もよろしく!」
いつものように、ちぐさくんの声が響く。
明るい声。
優しい笑顔。
前と同じように見える。
でも——。
「……」
あっきぃは少しだけ眉をひそめた。
「ちぐちゃん」
「ん?」
「大丈夫?」
「え?」
ちぐさくんは笑う。
「大丈夫だよ!」
その返事。
前なら安心していた。
でも今は違う。
みんな知っている。
ちぐさくんの「大丈夫」が、本当の意味とは限らないことを。
⸻
最近のちぐさくんは、前よりも周りを頼るようになった。
でも。
リーダーとしての責任感が消えたわけじゃない。
予定の確認。
みんなへの声かけ。
全体の調整。
気づけば、自分のことは後回し。
「ちぐ」
まぜ太が呼ぶ。
「なに?」
「今日、休んだ?」
「え?」
「いや、顔」
「寝たよ?」
「何時間」
「……」
答えに詰まる。
「ちぐ」
まぜ太がため息をつく。
「またやってるだろ」
⸻
「俺、ちゃんとしなきゃだから」
ぽつりと、ちぐさくんが言った。
「リーダーだし」
その言葉に、まぜ太は黙る。
「みんなが頑張ってるのに、俺だけ弱音吐けない」
「俺が止まったら、全部止まる気がする」
「ちぐ」
「……」
「それ違う」
まぜ太の声は優しかった。
「俺ら、ちぐ一人で動いてるんじゃない」
⸻
その日の帰り。
ちぐさくんは一人で残っていた。
誰もいない部屋。
静かな空間。
「まだできる」
「俺なら大丈夫」
そう言いながら作業を続ける。
でも。
手が止まる。
視界がぼやける。
「……あれ」
涙が落ちた。
「なんで」
自分でも分からなかった。
悲しいわけじゃない。
悔しいわけでもない。
ただ。
ずっと張りつめていたものが、切れた。
⸻
「ちぐ」
声がした。
振り返る。
そこには、あっとがいた。
「……あっとくん」
「やっぱりここにいた」
「帰ったと思ってた」
「俺が?」
あっとは少し笑う。
「ちぐを置いて帰るわけないだろ」
「……」
ちぐさくんは顔を伏せる。
「俺さ」
「うん」
「怖いんだ」
あっとは黙って聞く。
「リーダーなのに、ちゃんとできなかったらどうしようって」
「みんなを不安にさせたらどうしようって」
⸻
その時。
「ちぐ!」
扉が開く。
「あっきぃ!?」
「やっぱりいた!」
後ろには、まぜ太、ぷりっつ、けちゃもいた。
「え、みんな……」
ぷりっつが言う。
「探したわ」
「ぷーのすけ……」
「当たり前やろ」
まぜ太も頷く。
「一人で抱えると思った」
⸻
けちゃがゆっくり近づく。
「ちぐ」
「……」
「僕ね」
「リーダーって、全部できる人じゃないと思う」
「頼れる人がいるって知ってる人だと思う」
ちぐさくんの目から、また涙が落ちる。
「……俺」
「うん」
「俺、みんなに頼っていいのかな」
あっきぃが笑う。
「当たり前じゃん」
「ちぐちゃんだから」
⸻
その夜。
白い花が現れた。
でも。
いつものような綺麗な白ではなかった。
少しだけ、ひびが入っている。
「……」
触れようとする。
すると。
『壊れることは、終わりじゃない』
声が響く。
『新しく咲くための始まり』
ちぐさくんは花を見る。
「……そっか」
完璧じゃなくてもいい。
強くなくてもいい。
リーダーだからこそ。
仲間を信じることも、大切なのかもしれない。
6人の花は。
まだ、咲き続けていた。
コメント
1件
ちぐさくんの「大丈夫」の裏にある孤独と、それを見抜く仲間たちの優しさにじんと来ました。特にけちゃの「リーダーは全部できる人じゃない、頼れる人がいるって知ってる人だと思う」という言葉、深いです。白い花のひびと「壊れることは終わりじゃない」というメッセージも美しくて。6人の絆が確かにそこにある、温かくて切ない回でした。