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ちなみにこれ腐発言ありっすか?
この物語は、太宰さんがポートマフィアに戻るというお話です!
なんで戻ったの?という理由は私も如何創ったらいいか、分からなかったので、取り敢えず森さんが言ってた「探偵社員の一人をポートマフィアに移籍」というのが太宰さんになった。というので、話を進めたいと思います!
見る人によっては、腐気味かもしれないし、語彙力ないのでご注意を!
それでも大丈夫な方は↓↓↓
ポートマフィアの一つの更衣室に、青年の声が響いた。
『____生きる理由を与えてくれ』
思わず声が漏れ、俺は目を見開いた。太宰は変わらずに顔にニコッと作り笑顔を浮かべていた。
「生きる……理由?」
「嗚呼!」
太宰は俺の答えを待ち遠しそうにしていた。けれど俺の頭は様々な事で埋め尽くされていて、正に「混乱」の文字が当てはまった。
生きる理由。此れは俺の解釈でもあるが、先ず太宰がソレを求める時点で、此奴は生きようとしていると思った。只単に、生きようとしている____“生きたい”と思っているのを、生きる理由にすれば良いと思ったのだ。だが如何せ此の事を太宰に伝えても、「意味が判らない」と云うだろう。そう云う奴だ。死への執着が強い彼奴は、生というものがどんなものなのか、悪い方でしか知っていない。だから自分から生きようとしない。無意識に“生きる道に進んでいる事がある”ことに気付かずに。こう云う事に関しては、太宰はめっぽう弱く、鈍感だった。
「織田作は光で生きる為の理由を与えてくれたけど、此方で生きる理由は与えて貰ってない……」
「だから代わりに中也が頂戴!」
高揚したような抑揚のある云い方で、太宰は笑顔で云う。俺は息を呑んだ。太宰が此処まで(此奴の云う)“生きる理由”に依存していた事に驚いたからだ。__否、依存はしていない。其れに近いような…なんと言い表せば佳いのかも、俺は判らなかった。中毒…?否、違う。なら帰依か?流石にそんな高貴的じゃ__いや……逆に有り得る。生きていく事は生きる理由が軸になっている。誰だってそうだ。でも此奴には“ソレ”が元々無かった。
恐らく此奴にとっては____、
「一寸、中也!」
気が付くと太宰が顔を近づけてきていた。
「疾く質問に答えてくれ給え!」
「………」
此奴にとっては生きる理由なんて何でも良かった筈だ。何故なら此奴は何処でも生きられるから。だから俺に聞いた。なら別に深く考えずに云えばいいだけ。だのに、何かが俺を引っ張り、不思議な心境へと追い詰めた。きっと何かで俺の心を覗くなら、暗闇の中、妙な汗をダラダラと流す自分が居るだろう。考えないようにしていた事を、考えてしまったからだ。別に此れは太宰の事では無い、此れは、此れは__
俺は、考えるのをやめた。その儘思い浮かンだモノを口に出すことにした。そして初めに思い浮かんだのは
「手前は探偵社を守る為に此処に来た、ならその儘其処を守る為に、生きれば佳いだけの話じゃねェか?」
「中也、君莫迦だね〜」
溜め息混じりの声で太宰は云う。
「嗚呼”!?如何云う意味だ糞鯖!」俺の気遣いを踏み躙られたような言い草で云われた事に俺は癇癪を起こし、声を荒げながら太宰に云う。すると太宰は椅子に座って人差し指を立てながら、
「首領が云ったのはポートマフィアの移籍だ」
厭な考えが脳裏をよぎった。
「別に移籍するだけだから、ポートマフィアに戻った後に死んでも構わないだろう?」
「……手前、真逆………」俺が何て云おうとしたのか気付いたのか、太宰は俺の言葉を遮って「別に?流石に最初は数個の仕事を終わらせてからにするよ」太宰は自分の足を見ながら、吐き捨てるようにそう云った。
(終わらせてから、か………)
「それで、何か他に無いのかい?私がここに居ても飽きないような、り・ゆ・う!」
「急に条件付きにすンなよ……」
「えー疾くしてよ〜」
「一寸黙ってろ!今考えてやってんだろ!」
俺は何か無いか頭を回す。
「………なぁんだボソッ」
____君なら直ぐに思い付いてくれると思ったのに。
太宰が何か云うが、声が小さすぎて俺は聞こえなかった。
「ん?何か云ったか?」そう聞くと、「別に……」と太宰は顔を逸らす。
その後俺は太宰に幾つも云ったが、結局凡て却下された。
「ギブアップかい?中也〜」
「うっせェな!手前が全部厭だとか云うからだろ!!」
「仕方ないじゃん」
太宰の言葉に苛立ちが募っていき、今の俺の心情を覗くならば、先刻の暗闇ではなく、赤い炎に包まれているだろう。
「ほら疾くっ疾く〜」リズミカルに云いながら、太宰は俺を挑発する。俺は等々限界に達した。
「なら……」
太宰のネクタイを勢い良く引っ張り、顔を近付けさせて云った。
『__________。』
「は……?」
太宰は目を丸くする。此れは、太宰に対しての俺からの“嫌がらせ”でもあった。
「ちょっ…何ソレ、如何いう意味……?」
「其のまンまだ…!」
「其のまんまって……私に何の得も無いじゃないか!」
細かく指摘してくる太宰は、俺の怒りに着火剤を加えてくる。俺は頭をかきながら、
「じゃあ俺が手前にソレすればいいんだろ!?此れで同じじゃねェか!」
「はぁ!?そんな事したら君如何なるかわかってる!?」太宰の言葉に、俺は「如何なんだよ?」と溜め息混じりの声で聞いた。
「だって……私なんかに…」
「“なんか”ァ……?」
俺はその言葉を聞き、舌打ちをすると、更衣室の扉の方へ向かった。
「何処に行く気?」
「首領の処だ……手前の我儘に付き合ってられっか…」
途中から、俺は声を小さくし、「俺は今後一切、手前が自殺しようとしても気にしねェ」太宰の方へ顔をむけ、
「____独りで勝手に死んでろ」
太宰の表情が一気に変わる。一瞬、俺は放った言葉を後悔した。それでも、云ったからには前言は撤回するわけにはいかない。
太宰から視線を外し、扉のドアノブに触れる。その瞬間____
「っ……」
左手を掴まれた。ゆっくりと後ろに振り返る。太宰は俯いた儘、俺の手を掴んでいた。少し強く握られた後、太宰は俺に視線を合わせて、
「判ったよ!私が折れれば佳いんでしょ!」
軽く逆上したような言い方をする。
判っただァ…?「何で上からなんだよ!」と、俺は声を荒げる。其れに太宰は拗ねたように顔を逸して、
「佳いから疾く行くよ!」
今度は俺の手を引っ張った。太宰が耳までも赤くなっている事に気付いた俺は、太宰にバレないよう、小さく微笑した。
中也がなんて云ったか中ててみてねby太宰