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4 - エピローグ 鴉と崩れた幸せ

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2023年03月20日

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それは真っ黒な鴉だった。遠い昔あったあの白い鳩とは全く真逆。そのどこか虚ろな目は、見覚えがあった。

「ねぇ、貴方はこの世界が楽しい?」

その鴉が話す。別に話すこと自体に疑問は何も持たなかった。

「それはそれはとても楽しいです。あの遠い昔の自分では考えられないくらいに」

そうゆうとその鴉は何が可笑しいのか、高々と笑い出した。

「ははは。それは愉快だ。お前は選ばれていないというのに?」

「選ばれてない?そんなことない。私は選ばれたんだ、あの少女も言っていたんだ」

私は間違って居ない。でも鴉は笑い続ける。

「何も知らされていないか!まぁでもすぐ分かるさ」

「お前、この世界が楽しいと言ったな?だったらもっとやろう。でも本心では嫌なんでは無いのか?」

「そんなことない。私は….選ばれたんだ!何億人もの命は私に託されている!」

「ああそうかそんな熱々な頭は冷まさないとな」

そう鴉が言うと、世界が崩れ出した。そして私は、あの時と同じ世界に戻った。

「この部屋で新しい惨めな奴を連れてくる。そこの白い鳩をうまーく使って世界に誘え。そしたらまたあの世界に連れていくよ」

ああ、一瞬にして崩れ去った幸せ。私は何も考えられなくなっていた。でもひとつ

早く誘わなきゃ

その考えだけが頭を走り回っていた。私は選ばれたんじゃない。

ただ傲慢な惨めな奴だったんだ

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