テラーノベル
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モニターに映る女性に見覚えはないし【佐野キミ】という名前に、聞き覚えもない。
でも、彼女は……視線を下げつつも、はっきりと夫の名前を口にして、私に
“奥さま”
と、聞いた。
やだ……出るのは怖いよね…?
浮気なら浮気でいいわよ…と思ってしまうくらいだ。
家まで来られるなんて怖いんだけど?
「…お話というのは…?」
“すみません…私のこと……聞かれていますか?”
「………夫から、ということですか?」
“はい”
「いえ…全く…どうして家がわかったんですか?」
おかしな聞き方になってしまった。
しかも彼女が誰だかわからないままなのに、聞いてしまった。
“…何度か会ったんですけど…もう会わないと言われて……本当に奥さんいるの?って……つけたんですけど…ごめんなさい……本当に奥さんがおられたので、もう来ません”
当たり前よっ!
「何のために、何の確認?奥さんがいるかどうかって何?会社の方…?」
“いえ…既婚者合コン、というイベントで会ったので…”
「既婚者合コン!?」
うそでしょ…?
“そう言っても、本当に既婚者ばかりってこともなくって…”
「ぇえ…?どういうこと?既婚者合コンで、既婚者以外との出会いを求めたの?」
もう、なにがなんだかわからない。
“バツイチの方とかの可能性はあって…婚活パーティーとかより落ち着いた年齢の方が多いから…“
「でも夫は【結婚している】と言ったんでしょ?」
“深入りしないため…慎重な男性だと思って… でもレスだと言ってたので、奥さんに会えば別れてもらえると思って来ました”
レス…?
「何を勝手なことっ……うちには子どももいて、夫婦で大切にしていますから!別れるはずないでしょ?」
本当に別れるはずはないのか…?
そう一瞬思ったけれど、この女に弱気なところを見せたくはない。
コメント
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風子さんガンバレ!負けるな〜✊🏻⸝꙳.˖