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きょうはミオしゃとしゃっちょが家にきてます。めずらしく家に来る前にしゃっちょから” 今日ミオちゃんつれていくね “
って連絡がありました。
ほんとうにめずらしい。どうしたのかと聞くとどうやら、
ミオしゃに釘を打たれたらしい、さすがミオしゃ。
まぁしゃっちょは自由なところがいいところでもあるので全然問題ないんですけど。
たくさん食べて、たくさんお話もして、シール交換までして、辺りはすっかり夜。
「しゃっちょ寝ちゃいましたね」
「ねちゃったね。たべてしゃべってわらって寝るの、ほんとうにねこちゃんだね。」
「ですね笑」
ミオしゃとはあんまりふたりきりになることはないけど、わたしはミオしゃとのふたりで過ごすこの時間がすきだったりする。
「ふわぁぁぁ」
「ミオしゃねむいですか?」
「…んー、ちょっとね」
いまは、ソファーではしゃっちょが寝てるのでミオしゃはそのソファーを背もたれにしてもたれてる状態。
そのミオしゃのとなりに腰をおろす。
「るいー…」
名前を呼びながらわたしにからだを預けるように体重をかけてくる。
ふたりきりだと特に、ふだんは見れない甘えてくれるミオしゃがみれる。かわいい。
「ねむいね。ねてもいいですからね」
そんな甘えてくるミオしゃに応えるようにわたしも甘やかす。
ふだんは甘やかす側なのかもしれないけど、
わたしの前ではいつまでも甘えたさんでいてほしいな、なんて思ったりする。
「…ミオしゃ」
「んぁ?どうしたの?るい」
わたしはあの人に勝てっこないなんてわかりきったことだけど、すこしだけ、汚い感情が湧いてきてしまった。
独占欲、付き合ってもないのに。
いまミオしゃは寝ぼけてるし今なにか話してもあしたには忘れてるだろうし、いいよね。
「フブさんの前でもそんなに甘えたさんなんですか?」
「…ん、え?るい?」
さっきまでこちらにもたれて目を瞑ってたのにいきなりこちらを向いて驚いた顔をみせた。
むりもない。というか、当然の反応だ。
「るい?どうしたの?」
「どうしたもないですけど、普通にきになって」
「そっか」
そういうとまたこちらに体重をかけてそのまま黙ってしまった。まずいことを聞いてしまったのかもしれない、どうしよう、と焦っていると
「あのね、るい」
ミオしゃは口を開いた。
「うちがさ、るいのこと」
なにを言いだすんだこの子は、と思いながら続きの言葉を待ってるいるが、言葉に詰まっているようでなかなか続きの言葉がでてこない。
「ミオしゃ?」
心配になって、ミオしゃの頭をなでる。
わたしの急な行動にミオしゃは一瞬びくってしたものの続きの言葉を考えてるのか、こちらをみてくれない。
「…あの、すきって言ったらどうする?」
やっと話してくれたかと思えば、なんだそれ。
そんな質問をしたミオしゃの意図がまったくわからなかった。
動揺し、返答に迷って黙っていると、
「るいのことがすきだから、意識して欲しくて甘えてるって言ったら?」
先程とは打って変わって、今度はスラスラと言葉を並べる。
ミオしゃがそんな冗談を言うような人じゃないのはよく知っている。だからこそ、しっかり返答したかった。すこし考えて口を開く。
「もし、そうだったら、ミオしゃがわたしのことをすきなんだったら、うれしいな」
「うれしい?」
「はい。うれしいです。」
「迷惑?」
「そんなわけないに決まってるじゃないですか。」
そういうとまたミオしゃは黙ってしまった。
「ミオしゃ?」
声をかけながら肩にあるミオしゃの顔を覗くと、一瞬目が合ってはっとしたような顔をしてそっぽを向いた。
あわてて顔をかくして、しゃっちょのいるソファに顔を埋めた。
「…るい、ごめん、いまの、わすれて」
「え、逆に忘れられるとおもいます?」
「…」
「すき、なんですか?わたしこと」
すこし、いや、かなり、自意識過剰だなと思いながらもミオしゃにそう問いかける。
ミオしゃは顔を埋めたまま答えてくれない。
「わたしの自意識過剰…ですか?」
「うぅ…そんなこと、ないけど、」
「こっち向いてください」
否定してくれたことがうれしくて、こっち向いて欲しくて、やさしくミオしゃにお願いする。
「…やだ」
「どうしてですか?」
「…いま絶対顔あかいから」
「気にしないですよ」
「うちが気にするもん」
「わたしは気にしないですよ?」
「きもいって思う」
「思わないですよ、どんなミオしゃもかわいいよ」
「…やだ」
なにを言ってもこちらを向いてくれない。
そろそろ向いて欲しい。顔が見たい。
「こっち向いてくれたらちゅーしてあげますよ」
耳元でそう囁いてみた。ずるいかもしれない。
ミオしゃの気が向くのを待ってあげるのがいちばんの最善策なのかもしれない。だけどわたしはいま、ミオしゃの顔が見たかった。
「っ…」
囁いた瞬間またびくっとして、こちらを向いてくれた。
「やっと向いてくれましたね。」
「あっ、」
はっとして、またそっぽ向こうとするミオしゃ。
一度こちらに向けてくれたその目線を離すまい、とミオしゃのほっぺを優しく手で包み、
どこにも向かせないようにして、ぐっと顔の距離を縮めた。
「ほら、ね、やっぱりかわいい。」
「あぅぅ…」
可哀想はかわいい、そうファンのみんなはよく言うけどいまならその気持ちがよくわかる。
「…やだ、るい、はなして」
「わたしもやだ、離しません。」
「わたし、ミオしゃのことがすきです。」
「普段はままなのに、わたしの前では甘えたさんな狼になっちゃうところも、そのかわいいお顔も、声も、ぜんぶ。」
「る、るい…」
「わたしとお付き合い、してくれませんか?」
さすがに返事のときに、お顔の動きを制限するのはまずいから手をはなしてあげる。
「…うん、うちも、すき」
俯きながらゆっくり、応えてくれた。
「ほんとうに?」
声には出さなかったけど、間違いなく首を縦に振ってくれた。
「ありがとう、ミオしゃ」
ミオしゃは相変わらず俯いたまま。
「今度こそこっち向いてくださいよ」
今度は素直にこちらを向いてくれたら。
さっきの約束、忘れてませんよ、こっち向いてくれましまもんね、と伝えるようにミオしゃにキスをお見舞いしてあげた。
「っ、るい?」
「さっきこっち向いてくれたときちゅーしてあげるよって言ったじゃないですか」
「う、やだもうはずかしいよるいぃぃ」
「ふふ、かわいい」
あぁ、ミオしゃにはわたしの前だけこうしてたくさん甘えていてほしい。