テラー久しぶりすぎてむり
本当に上手く文で表せない!!
今回も割と重めです。不穏っていいよね!!!
まあ特に言うことも無いので
取り敢えず読んでください()
*
深夜、振と外に出たくなった。
寮の部屋が狭く無機質で、まるで私の存在を否定しているかのように薄気味悪くて、
居心地が悪かったから。
部屋着の儘、考え無しで街中に出た。
通行人は満たされているかのように笑い、他愛のない会話をしていた。
騒ぐ通行人の声がノイズみたいだ。
何となく、幸せそうな他人が自分とは無縁な存在だと言うことを忘れたくて、
目を逸らしたくなってビルの壁を見てみる。
すると反射して自分が映し出された。
なんとまあ、醜い顔だろうか。
気持ち悪い笑顔を貼り付け、その顔はまるで居場所を求めている殺人鬼のようで。
実際、間違って居ないのだけど。
*
暫くの間ぼーっと地面を見つめ適当に歩いてみたが、
顔を上げて見ると、その場に居ること自体間違っているみたいで苦しくて
早歩きで路地裏に逃げ込んだ。
無策に向かった路地裏も
居心地が悪くて苦笑した。
やはり、私は全てがダメなのだ。
私の居場所等、生涯現れる事は無いのだ。
そう思うと全てが無駄だと思えてきて、腑甲斐無い自分に頗る鬼魅の悪い感情が湧く。
神様は私の事を認めてくださらない。見放しているのだと。この様な人間は去っさと居なくなれば良いのだと。
子供のように誰かに縋って、惨めに泣きじゃくって仕舞いたいな、と馬鹿な考えがよぎったが
生憎、涙はとうの昔に枯れてしまった
伊っ達、私は尤も穢れた人間のフリをした怪物だ。
良い人を演じた化け物だ。
泣いていい、人間では無いのだ。
*
人間は自分に酔いっており、生涯誰かに迷惑をかけて、
誰よりも自分が好きで身勝手な生き物だ。
其の事実は老い朽ちろうとも抗うことは出来ない。
なんて物憂しいのだろう、世界は。
*
『太宰は、本当に死にたいのか?』
はっきりとした声が背後から聴こえ、驚愕して咄嗟に振り返る。
『誰だい、君は。』
凄く聞き覚えのある、聞いているだけで落ち着けるような声色だった。
だが、頭に靄がかかったように、何も思い出せない。ただ忽然と、世界への憎悪や憎しみの感情だけが頭を支配する。
『良いんだ、思い出せなくて。太宰。よく聞け。』
『お前の孤独を埋めるものは、この世のどこにも居ないと、俺は太宰にそう言ったな。』
『うん。』
何も思い出せなかったけれど、無意識に口から返事がでる。
不思議と不信感も不快感も湧かなくて、この男性と目を合わせる。何もかもを見透かした目だった。
『埋める人は現れなくても、埋めようとしてくれる仲間が周りにいる。そうじゃないか?』
路地裏に霧が広がっていって、今何処にいるのか、平衡感覚が掴めなくなっていく。
『勝手に逝って、太宰を言葉で縛ってしまって申し訳なかった。
お前は何より、誰より人間らしくて、心を置いて身体だけ成長した、ただの子供なんだよ。』
『_____人間らしい、?私が?』
言われた事が、なかったな。そんな事。
『生きてる虚しさも、醜い感情も全部、お前自身なんだ。』
『死にたいと思ってるんじゃなくて、ただ生きる意味が見当たらないんだろ?』
『太宰、俺は』
そこで言葉が途切れ、視界がぼやけ、
彼の姿が滲んでいく。
『やめて呉れ給え、置いていかないでくれ、』
手を伸ばすが空気のように掴めなくて、身体そのものが存在していないようだった。
この人の身体を突き抜けた私の左腕はやけに冷たくて、
それがまるで『そうだよ、存在していないよ。』とでも言いたげで。
『嗚呼、もう時間みたいだ。
太宰、後八十年は此方に来るなよ。』
その見ず知らずの青年は、優しい顔でそう微笑んだ。
*
気がつくと、足元がぐらりと傾いた。
何処だ、此処は。
まともに機能していない目を擦り、凝らしてみた。
すると川底だった。あと一歩で溺れる直前の。
私は、ついさっきまで路地裏に居た筈だろうに。
------あれ、何かを忘れていないか。
胸の奥がざわついたが、何も分からない。
わかりそうで、でもその輪郭が掴めなくて。
何があったのか、どうして此処に居るのか。
何もかもがすっぽりと、
まるでなかったかのように。
そして左腕が、何故か自分ごと凍りついてしまうくらいに、凄く冷たかった。
濡れた様子もないのに、どうしてか。
それでも、勝手に唇が動いた
『織田作?』
その返事は、宙に消えた。
_______open ending
コメント
10件
やっと見れた... あの、素晴らしすぎて、言葉に出来ないからとにかく400いいね押しました... 語彙力なから説明できないけど、とにかくなんでこの神作がバズらないんですかおかしいですよね
とても素晴らしい