花
が好きでガーデニングをしている。趣味というわけではないけど、料理が好き。手先が器用なので編み物が得意だし、刺繍とかビーズアクセサリー作りも好き。
そして何よりも人を思いやる気持ちが強くて優しい性格の持ち主。
それが私。
私は、そんな自分が大好きだった。
だけど、それはある日突然壊された。
***
私はカナダ生まれの日本育ち。両親が日本人とカナダ人のダブルで、母国語はもちろん日本語である。そして、今年の四月から中学一年生になる。身長は145cmくらいしかなくて、体形もまだ成長期前なので小さいまま。顔つきは日本でいうところのアジア系に近いのか、ちょっと幼く見えるらしい。ちなみに髪の毛の色は黒髪。ただ、毛先が少し茶色っぽいけど。目鼻立ちはまあ普通かな。肌色は白すぎるわけでもないけど、黄色人種としては平均的な色だと思う。つまり何を言いたいかというと、私は全く目立たない普通の女の子だということ。
ただ一つだけ目立つ特徴があって、それが私の通う学校の制服だったりするんだけどね。
学校の名前は私立星華学園。中高一貫教育の学校で、偏差値的には中の下ぐらい。この辺りではそれなりに有名な進学校である。そしてこの学校の最大の特徴といえば――全寮制男子校というところだろう。共学の女子高を卒業した俺は、親元を離れてこの学校に通っている。
今日はその入学式当日だったりするわけなんだけれども、実は今、ものすごく困っていることがある。それは……
「おはようございます!」
「あーうん、おはよ……」
(どうしてこうなった?)
朝起きたら見知らぬ部屋だった。昨日は普通に自分の家で布団に入ったはずなんだけれど……
とりあえずこの部屋を調べてみることにする。まずはこの扉からだ。押しても引いてもスライドさせてみてもビクともしなかった。鍵穴らしきものも見当たらない。つまりこれは閉じ込められているということだろうか? 私はしばらく考えた後、ドアノブに手をかけ、思いっきり力を込めた。すると突然目の前に大きな画面が現れ文字が表示された。どうやらゲームをしているらしい。そこにはこんなことが書かれていた。
【あなたのステータス】
名前:山田太郎
職業:勇者 レベル1 体力 10⁄10 魔力 0/0 攻撃力 1 防御力 1 素早さ2
賢さ 3 運 4 装備 :聖なる剣
盾 鎧 兜 手袋 靴下 ギフト :勇気ある一歩(レベルアップ時ステータス上昇値+2)
備考
:仲間は四人まで連れていける
※仲間の数の上限は5である 魔王軍幹部を倒し、人類を救うべく異世界召喚された。
しかしなぜか現れたのは小さな女の子だった。それも金髪碧眼の美少女。
俺は混乱しながらも、とりあえず少女を連れて家に帰り、ベッドの上に座らせた。そして、何が起こったのか考えるため質問をした。
「君はだれかな?」
すると彼女はこう答えた。
「私は、神界の神です。あなたの世界でいうところの神様ですね」
やっぱりそうなのかと思ったものの、すぐに信じることはできなかった。
しかし、目の前にいる彼女は確かに本物だった。
僕は驚きを隠しつつ、「お久しぶりですね」と言った。すると彼女も同じ言葉で返してきて、僕らは顔を見合わせて笑った。その笑顔を見て、僕の胸は激しく高鳴った。
僕が初めて彼女に会ったのは今から約十年前、中学生の頃のことだった。当時、僕はとあるアニメに夢中になっていたのだが、彼女のファンになったのは偶然ではなかったと思う。というのも、たまたま立ち寄った書店で彼女が表紙を飾る雑誌を見つけたことがきっかけであったからだ。それ以来、僕は彼女が出ている雑誌が出るたびに買い集めていった。そしていつしか僕は彼女を崇拝するようになった。
その日も学校帰りに書店に立ち寄り、目当ての女性誌を買った後、店を出たところで彼女と鉢合わせた。彼女は何冊もの雑誌を抱えており、そのうちの一冊の表紙には水着姿の彼女の姿が写っている。僕は少し離れたところにいたのでよく見えなかったが、おそらくそれは女性誌の特集ページだったはずだ。
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