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「ぼくのことすき?」
「うん!」
「じゃあ ずっといっしょにけっこんしてくれる
?」
幼いながらに俺はそんなことを聞いた
「けんごくんとけっこんする
そしたらずっといっしょにいられるでしょ?」
「ほんとに!」
「うん ほんと」
そう言ってあの子はシロツメクサを俺の指にくるっと巻いた。
「ゆびわみたいでしょ!いっしよのつけたら
はい!やくそく」
そうやってあの子は屈託のない純粋な笑顔を俺にみせた
「賢吾!早く起きなさい!」
遠くから聞こえる声に目を覚ました俺は、寝ぼけ眼になりながらスマホで時間を確認する
やばい
完全に終わった
新学期早々寝坊した。門が閉まるまであと20分、
家からはチャリで15分かかる。
いけるか
まだチャンスはある
そう思った俺は急いで家を出た
「せぇ〜〜ふ、、」
「アウトだ坂下早く席につけ。放課後職員室来いよ」
はぁぁ
流石に新学期早々は許してくれないか
すみませんと言って俺は席に着く。
「寝坊記録1位おめでとう 賢吾ww」
隣の井田が小声で話しかけてくる
「うざっ なんだよその嬉しくない1位は」
「だって2学期遅刻に加えて1学期の3分の1ぐらい遅刻してんじゃん。そんなのお前ぐらいだよ」
「今日はしょうがねーの」
「わかったまた同じ夢みたんだろ。聞き飽きた」
「はいそーですよ」
そう俺が遅刻する理由のほとんどは大体夜更かしが多い。がたまに昔の夢を見る。それも全く同じ内容で
小さい頃に女の子からされた告白ともいえない簡単な約束
あの頃はとっても嬉しかったし本当に結婚するんだとか思ってたけどそうもいかず その女の子はすぐ引っ越してしまった
今となっては懐かしい思い出だ
なのになぜそんな小さい頃の夢を見るのか
それはもちろん俺がこじらせているから
あの時のあの笑顔で俺は心臓を矢で射抜かれたような衝撃を受けた
まだなにもしらないような幼い自分たちの約束を
俺はあの子の名前さえも覚えていないような小さな記憶の欠片を
あの笑顔だけが過去の俺と今をつなぎ止めている
多分初恋であの子にもう一度会わない限り次に進んで行くことが出来ない
高校生にもなって
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「いや、早く忘れて次いったほうがいいって」
「そんなのいわれなくてもわかってるよ」
昼休憩、井田 望と同じクラスの木嶋 潤にいわれた
「けーご、そんなんしてると高校生にもなって童貞だぞ
「は、はぁ!わかってるわそんなの!だけどぉ」
『だけど?』
「初めては好きな人がいい」
数秒の沈黙の後
あたりには2人の笑い声が響いた
「はぁぁぁオモロすぎだろw」
「このままじゃ一生無理だなww」
「そんなのわかんないだろ!」
そんなくだらないことを話していると予鈴がなった
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次の日
「おい潤、なんで俺の隣の席増えてんの?」
「お前昨日の話聞いてなかったの?昨日の朝のHRでいってただろ」
「はて?昨日は望と話してて全く覚えてない」
「なにやってんだ二人して 昨日転校生来るって言ってたんだよ」
「マジで!?」
俺はあの笑顔を思い浮かべる
「残念。話によると男だってよ」
俺は頭にはてなマークを浮かべる
なんのことか分からない
「何が残念なんだ」
「はーいわかりやすい。お前顔に出てるもん
あわよくば小さい頃に告られたあの子がいいなって」
「そんなのおもってない!」
「絶対嘘だろwめっちゃくちゃ期待した眼だったし!」
「えっ!そんなのわかりやすいか?」
「ってことは図星だったんだ」
「いやっ、そういうことでは」
そのとき扉が開く音がした
「みんなおはよう。今日は昨日言っていた転校生を紹介する。入ってきていいぞ」
イケメンだけどちょっと中性っぽさがある綺麗な顔立ちだった
しかも高身長
いかにも自分モテますよ的なオーラが出ていた気がする
「〇〇県から来ました浦上 瑞月と言います」
「よろしくお願いします」
「じゃ浦上くんは後ろの窓際の席についてくれ。みんなも仲良くするように」
そう言われた浦上くんは俺の左どなりの席に着いた。
ファーストコンタクトは大事だからと俺は挨拶をした
「俺、坂下 賢吾これからよろしく」
「君賢吾くん?あの!」
なんのことかさっぱり分からない
「よかったまた会えた!僕実家がこっちなんだけどちっちゃい頃に引っ越したんだ!だけどほんとに良かった〜」
嫌な予感がする
「なんのことでしょうか??」
俺はとぼけたような顔で言う
「僕だよ。ちっさい頃シロツメクサで指輪渡した」
「は、え、ちょっと待って」
頭がパンクした俺はその場で気を失った
最後に覚えているのは浦上くんの残念そうな顔と井田の笑いをこらえたようなムカつく顔だった
こんなんで結局ファーストコンタクトは最悪に終わった。