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僕「……………え…?」
僕は目を見張った。腹の辺りに居たのは真っ黒でぐちゃぐちゃしたやつの代わりに、握りこぶし3つくらいの大きさをした毛艶のいい真っ黒の小さい狐がいた
そいつは頭を僕の親指くらいしかない手で抱え込んで怯えてた
僕「えっ…?は?き…きつ…ね…?さっきの化け物、は…?」
僕が腰を抜かして座り込んでると、車両の奥の方の扉が開いて車掌さんが戻ってきた
車掌『おやおや…これはまた珍しいお客様ですね』
車掌さんを見るとそいつはもっと怯えてもっと小さくなった
車掌『まさか神様がこのような場所にいらっしゃるとは』
僕「え…神様…?こいつが…?」
僕は車掌さんの言葉に耳を疑った。神様?僕の腹でうずくまって情けないくらい小さい声で鳴いてるこいつが?
正直信じられない
しばらくじっとしてたら気持ちが落ち着いたらしく、顔を上げた
目が大きくて可愛らしい感じだった
そいつは僕の膝から降りると、急にボンっと大きな音を立てて人型に化けた
真っ黒な艶のある髪、黒い大きな耳、赤色大きな瞳で着物を着た僕よりもずっと年下に見える少年の姿になった。僕が呆然としてるとそいつは口を開いた
狐「ここはどこだ!」
…そこからなのか…説明しようと思ったが正直僕もあんまりよく分かってないので車掌さんに説明をお願いした
狐「………なるほどな…」
車掌『ご理解頂けましたでしょうか』
狐「なんとなくな…それと…もう1つ聞きたい」
車掌『なんでしょう』
狐「僕を引きずり込んだ黒いやつはなんなんだ…?」
車掌『あぁ、『影』の事でございますね』
狐「…影…?」
正直『影』については僕も気になっていた。
車掌さん曰く『影』はイタズラ好きな幽霊らしい。こっちに引きずり込んで嫌がらせするやつがほとんどらしい
車掌『まぁ…引きずり込むだけの個体ならいいんですがね。』
狐「…はぁ?」
僕「…え…?」
車掌『ああ、お気になさらず。そういえば、お狐様。御名前をお聞きしていませんでしたね』
狐「僕か?僕は玄だ!よろしくな!」
車掌『えぇ、よろしくお願いします。そして玄様。突然ですが、ここで働いて頂くことは可能でしょうか?』
玄「…はぁ!?」